2023年2月19日更新

太陽光発電の購入価格が上がっていると聞いてますが、何が原因でどれくらい値上げになっているのでしょうか。また、今後も値上げは続くのかも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・太陽光発電の値上げの要因
・太陽光発電の値上げはいつから?
・太陽光発電の値上げの対策とは?
✅本記事の信頼性

✔太陽光発電メーカーに10年間勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販120棟(2年以上継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
太陽光発電の購入を予定している方は、値上げになるなら今は買うのを控えた方が良いのか迷ってしまいますよね。
この記事を見てもらえれば、太陽光発電の値上げの要因やいつから値上げが起きているのか、今後も値上げが続くのか、できるだけ安く太陽光発電を購入する方法が理解できるようになります。
太陽光発電の値上げの要因

まず、太陽光発電の値上げの要因について見ていきましょう。
値上げの要因は、下記4つがあります。
✅値上げの要因
①原材料高騰
②輸送費高騰
③日本の市場価格が安い
④円安

全体的にコロナ蔓延も値上げ要因にはなっております。
コロナ蔓延により、太陽電池生産工場の人手不足、輸送時の操縦士不足などで価格高騰してます。
①原材料高騰
1つ目が、原材料高騰です。
太陽電池の主な原材料であるポリシリコンの価格が2020年夏頃から急激に高騰を続けており、当時の約3倍程度までになっています。

また、周辺部材であるガラスや半導体、アルミなども軒並み高騰を続けており全ての太陽電池メーカーが値上げをせざるを得ない状況です。

2023年2月現在では、ポリシリコンの高騰は落ち着いたものの下がることもなく、高止まり状態になっています。
太陽電池の価格は値下げになることもなく高止まり状態ですが、2023年は各ポリシリコン工場が増産体制になるため、ポリシリコンの価格も下がり太陽電池の価格が下がる可能性はあります。
ただ、2022年にはポリシリコン工場の爆発やコロナ蔓延もあり、2023年もこのような不確定要素も多く一概に値下げになることも保証できない状況です。
②輸送費高騰
2つ目が、輸送費高騰です。
今や国内の太陽電池メーカーも海外メーカーのOEM品になっているため、日本で設置されているほぼ全ての太陽電池が海外からの輸入品になっています。
海外から海上輸送で日本まで太陽電池を運びますが、下記の理由により当面は輸送費は高止まりの様相です。
✅輸送費の高騰要因
①コロナ禍による欧米での巣ごもり需要増で輸送が急増
②コロナ対策で荷揚げ作業の滞りによるコンテナ不足、輸送遅れ
③エネルギー(天然ガス)価格の高騰
また、国内の陸上輸送でも運送業界の働き方改革もあり価格高騰しています。
ドライバーの人手不足もあり、配送費が少しずつ高くなってきているのは事実です。

配送費として値上げしているか、太陽光発電システムの価格に上乗せされています。
③日本の市場価格が安い
3つ目が、日本の市場価格が安い点です。
少し意外に思われる方も多いと思いますが、日本の太陽電池の市場価格は世界と比べると安いです。
一般的には、アメリカやヨーロッパの方が太陽電池は高く売れて、日本や東南アジア、中国では高く売れない市場になっています。

日本の市場価格が安いから値上げになるの?

半導体不足などで生産量の制限もあるので、限られた太陽電池をどこで売るか考えた時に高く売れるアメリカやヨーロッパに優先的に販売されるということです。
つまり、日本の市場価格を上げないと太陽電池が輸入されない事態にまで発展しているということです。
太陽電池の納期遅延については、「太陽光発電の納期遅延の実態と解消時期はいつなのか?」記事から詳細が確認できますので気になる方はチェックしてみてください。
太陽電池以外の多くのモノの価格が上がってきているので、物価上昇を身近に感じている方も多いのではないでしょうか。
太陽電池も例外ではなく、価格が上がってきているということです。
④円安
4つ目が、円安です。
太陽電池は輸入に頼っているので、為替の影響は避けられません。
下記のグラフのように直近1年間の為替レートは、円安に動いているため太陽電池の価格も高騰を続けております。


太陽電池メーカーに勤めている立場から見ても、かなり苦しい情勢が続いています。
2022年当初は110円/ドル程度だった為替が、2022年10月には150円/ドルを記録しています。
例えば、1枚400Wの太陽電池を仮に130ドル/枚で海外から輸入する場合に、それぞれの為替を考慮した価格がいくらになるかを見てみましょう。
✅為替による太陽電池の価格
為替110円/ドルの場合:14,300円/枚(130ドル/枚×110円/ドル)
為替150/ドルの場合:19,500円/枚(130ドル/枚×150円/ドル)
1枚当たりで5,000円の金額差になることがわかります。
円安になることでの太陽電池の値上げイメージがわかっていただけるかと思います。
太陽光発電の値上げはいつから?

それでは、太陽光発電の値上げはいつから起こっているのか見ていきましょう。
結論から言うと、既に値上げは始まってます。
2021年10月頃より本格的に各太陽電池メーカーや販売店で太陽光発電の価格は値上げに転じてます。
✅値上げ幅はどれくらいなのか?
およそ10,000円~20,000円/kW程度
つまり、5kWの太陽光発電であれば50,000円~100,000円ということです。

2023年2月現在で太陽電池の値上げは一旦は落ち着いている太陽電池メーカーが多くなっています。
ただ、太陽電池以外のパワーコンディショナや蓄電池などは値上げが続いています。
太陽光発電システム全体で見ると、バランスを取りながらできる限り値上げにならないように調整しているといったイメージが正しいです。
太陽光発電の値上げの対策とは?

最後に、太陽光発電の値上げ対策はどうしたらよいのか見ていきましょう。
結論は、下記3点のいずれかを検討することをオススメします。
✅太陽光発電の値上げ対策
①値上げ原因の解消を待つ
②複数の太陽光発電の見積取得をして安い業者から購入する
③0円太陽光発電を検討してみる

費用面が気になる方は、0円太陽光発電が手っ取り早い解決策になります。ただし、個人的にオススメは太陽光発電の購入です。
0円太陽光発電よりも購入した方が良い理由は、長期的に見ると確実に購入する方が経済的なメリットが大きいからです。
0円太陽光発電と太陽光発電を購入する場合の違いを知りたい方は、太陽光発電「0円で設置」と「購入で設置」はどっちがお得なのか記事を覗いてみてください。
太陽光発電で経済的に豊かになりたいと考えている方は、複数の業者から見積をもらって安い業者から太陽光発電を購入することをオススメします。
太陽光発電は、どこの業者から購入するかで購入価格が大きく変わる商品です。
✅確実に安く太陽光発電を買う方法
①複数の見積が取れるネット販売業者に見積をしてみる(下サイト)
②見積を出してくれた複数の販売店に減額できないか相談する
③一番安かった見積書の販売店と契約前提に進める
④購入する時期に使える補助金がないか確認してもらう
⑤補助金の代行申請を行ってもらうことを確認して契約する
※無料で最大5社から見積が取れるので、安く買いたい人にオススメです。
まとめ

今回は、太陽光発電の値上げについてお伝えしました。
改めて、太陽光発電の値上げ原因について見ておきましょう。
✅値上げの要因
①原材料高騰
②輸送費高騰
③日本の市場価格が安い
④円安

太陽光発電に新しい波が押し寄せていますので、正しい情報をキャッチしておきましょう。
値上げは短期的なトレンドである可能性が高いです。
そして、世界的に太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの需要は今後も高まっていきます。
理由は、脱炭素が世界的に活発になってきているからです。
2021年頃から目まぐるしく「太陽光発電の価格」や「納期」の情勢が変わってきてますが、変な情報に惑わされず正しい情報を取って、適切なタイミングで太陽光発電を導入していきましょう。
太陽光発電の納期について気になる方は、「太陽光発電の納期遅延の実態と解消時期はいつなのか?」記事を覗いてみてください。

また、電気代の高騰が続いており太陽光発電を設置されている方が急増しています。

2023年4月以降も更に電気代が上がると言われておりますので、太陽光発電を設置できる屋根をお持ちの方であれば、まずは屋根に太陽電池が乗せられるのか、金額はいくらなのかから確認をスタートさせましょう。
太陽光発電を乗せたくても乗せられない方は、だいたい1割~2割います。
太陽光発電を設置して、快適な生活を送りましょう。
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