※2024年4月15日更新

最近、台風が頻繁に日本に上陸しているけど台風による太陽光発電への被害や対処方法はどうなっているのか教えてもらえないでしょうか。そもそも台風で太陽電池パネルが飛ぶこともあるのでしょうか?
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・台風によって考えられる太陽光発電への被害と対処方法
・台風に対する太陽光発電の設計基準
✅本記事の信頼性

✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔住宅用太陽光発電を月販200棟(2年以上継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
大型の台風が来たときに太陽電池パネルが飛んでしまわないか、太陽光発電自体に被害が出た場合にどうしたらよいのかわかりにくいですよね。
この記事を読んでもらえれば、台風による太陽光発電の具体的な被害がどんなものがあって、被害が発生した際の対応方法が理解できるようになります。
台風によって考えられる太陽光発電への被害と対処方法

まず、台風による太陽光発電への具体的な被害と対処方法について見ていきましょう。
台風の被害は大きく分けると下記3つに分けることができます。
✅台風による被害
①太陽電池や周辺機器への被害
②太陽電池の落下による周囲への被害
③河川増水による太陽光発電への被害
そして、上記3つに対する対処方法は下記の通りです。
✅台風被害の対処方法
①太陽電池や周辺機器への被害→火災保険(災害補償)で機器無償交換
②太陽電池の落下による周囲への被害→有償で対応必要
③河川増水による太陽光発電への被害→火災保険(災害補償)で機器無償交換

それぞれ具体的に内容を確認していきましょう。
①太陽電池や周辺機器への被害
まず、太陽電池や周辺機器への被害が考えられます。
暴風により飛ばされてきた石や木片などの飛来物が太陽電池パネルや周辺機器(接続箱やパワーコンディショナ)に当たって壊れてしまうケースがあります。


太陽電池パネルの表面は強化ガラスを使用しているので、通常の窓ガラスなどに使用されているガラスとは異なりばらばらに割れることはありません。
左の写真を見ると衝突した痕跡がしっかり残り、そこが起点となってガラス全体にヒビが広がっているのがわかると思います。
飛来物によって太陽光発電システムが壊れてしまった場合は、太陽光発電を設置した施工業者もしくはハウスメーカーへすぐにお問合せをしましょう。
対処方法としては、お客様自身で入られている火災保険で無償修理をするか、加入されているかどうかによりますが太陽電池メーカーの自然災害補償も使うことができます。
②太陽電池の落下による周囲への被害
次に、太陽電池の落下による周囲への被害が考えられます。
暴風により太陽電池パネル自体が飛ばされて周辺の建物や機器に危害を加えてしまう形です。


太陽電池パネルが飛ばされて周りに危害を加えた場合は、機器保証も火災保険等も使えず被害にかかった費用はお客様の負担となります。
太陽電池自体の復旧にかかる費用は火災保険や自然災害補償で対応可能ですが、周囲に与えた損害費用までは賄えないです。
いずれにしても、太陽光発電を設置した施工業者もしくはハウスメーカーへすぐにお問合せをしましょう。
太陽電池が飛んでしまった要因(機器不良ではないのか、施工不良ではないのか)を確認して、責任の所在がどこにあるかによって損害に対する対応が変わってきます。
③河川増水による太陽光発電への被害
最後に、河川増水による太陽光発電への被害が考えられます。
具体的には、太陽電池パネルや接続箱、パワーコンディショナの水没被害です。


家が水没するくらいの状態になった場合は、太陽光発電システムに触れると感電してしまい最悪の場合は死に直結する可能性があるため、お客様自身で触らないように注意が必要になります。
✅水没した太陽光発電が危険な理由
・太陽電池は水没しても太陽の光が当たれば発電し、直流の電力が流れているため
・パワコンや接続箱は水没すると接触不良やショートを起こす可能性があるため
必ず、太陽光発電を設置した施工業者もしくはハウスメーカーへすぐにお問合せをしましょう。
大きな自然災害の場合は施工業者やハウスメーカーにも連絡が繋がりにくい可能性が高いですが、お客様自身で太陽光発電システムを触ることがないようにしてください。

家や太陽光発電は火災保険で直せるものなの?

水害に対して、太陽光発電システムは自然災害補償に入っていれば無償で直すことが可能です。
入られている火災保険によっては水害による家や太陽光発電の修繕まで対応できるものもあるので、事前に内容を確認しておくことをオススメします。
台風に対する太陽光発電の設計基準

次に、台風に対する太陽光発電の設計基準について見ていきましょう。
つまり、どのくらいの台風に太陽光発電(太陽電池と取付金具)が耐えられるのかということです。

太陽電池パネルの耐風圧はJIS C 8990の基準で2400Paまで耐えられる形になっております。
一般的な台風は低気圧域内の中心付近の最大速度が17m/s以上のものを言いますが、2400Paを風速に換算すると60m/sに耐えられる形です。

普通の台風くらいだと太陽電池パネルは飛ばないということ?
60m/sの風が吹かない限り太陽電池が飛んだり曲がったり破損したりすることはありません。
ただし、太陽電池の取付金具は60m/sに耐えられる設計になっていないので注意が必要です。
取付金具は一般的にアルミニウムを素材として作られており、施工説明書通りに取付金具を設置すれば少し強めの台風(30~32m/s程度)には耐えられる設計になっております。

最近は、大型の台風が頻繁にくることもあって耐風圧や太陽電池設置の基準が厳しくはなってきています。

✅耐風圧や太陽電池設置の基準見直し
・耐風圧の強度計算が従来の約2.3倍必要にJIS規格が改正(2017年)
・屋根に太陽電池取り付ける際の周囲離隔300mmを取るように改定(2018年)
つまり、2018年以降に太陽電池を設置された方は、従来より厳しい風圧に耐えられる設計で太陽電池が取付されているということです。

さっきから「JIS」という言葉があるけど、なになの?
✅JIS規格とは
日本産業規格のことで、日本の産業製品に関する規格や測定法が定められた日本の国家規格

例えば、トイレットペーパーのサイズは日本のJIS規格によって114mmと決められています。
標準化されていることでどこでも困ることなく使用ができ、一定のクオリティのものが世の中に流通しているということです。

規格がバラバラだと多くの方が困るので、基準値を作っているということになります。
年々強くなる台風の被害状況を踏まえて、太陽光設備設置の安全性の強化についてもJIS規格の改定によって対策は行われています。
まとめ-台風による太陽光発電被害

今回は、台風による太陽光発電の被害と対処法についてお伝えしました。
改めて、台風による太陽光発電への被害と対処法を確認しておきましょう。
✅台風による被害
①太陽電池や周辺機器への被害
②太陽電池の落下による周囲への被害
③河川増水による太陽光発電への被害
✅台風被害の対処方法
①太陽電池や周辺機器への被害→火災保険(災害補償)で機器無償交換
②太陽電池の落下による周囲への被害→有償で対応必要
③河川増水による太陽光発電への被害→火災保険(災害補償)で機器無償交換

台風による被害が発生した場合は、まずは販売施工店やハウスメーカーに状況を説明するようにして対処方法を確認していきましょう。
被害への対処方法は、住宅購入時に入っている火災保険や太陽電池メーカーからの自然災害補償で対応できるケースが多いです。
今一度、ご自身がどのような保険に加入されているのか確認しておくようにしましょう。
万が一、被害を受けてしまってからだと焦ってしまうケースが多いです。

台風は毎年20件近く、8月~10月をピークに日本列島を襲います。
台風は自然災害ですので、想像を超える事態も考えられますが、少しでも起こりえるリスクを理解して、起きた際にすぐに対処できるようにしましょう。
また、安心した販売店から太陽光発電を購入したいという方は、スポンジ公認の下記サイトで相談から始めてみるようにしてみてください。
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