※2022年4月10日更新
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ZEHという言葉を最近聞くようになったのですが、内容がよくわかりません。補助金がもらえるみたいだけど、どうやったらもらえるのでしょうか。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・ZEHってなに?
・ZEHの種類
・ZEHの補助金内容
・ZEH補助金の適応条件
・ZEH補助金のスケジュール
✅本記事の信頼性
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✔太陽光発電メーカーに10年間勤務(現役)
✔住宅用太陽光発電を月販100棟(2年以上継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
ZEH補助金は使ってみたいけど、どういう仕組みなのか、何か気を付けないといけないことがあるのかわかりにくいですよね。
この記事を見ていただければ、ZEH補助金がそもそも何なのか、どんな種類があって補助金額がどれくらいなのか、ZEH補助金がもらえる条件などが理解できるようになります。
ZEHってなに?
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それでは、まずZEH補助金がどんなものなのかを簡単に見ていきましょう。
下の3つの絵のように「高断熱の家作り」「省エネ性能の高い電化製品を設置する」「太陽光発電を設置する」を実現させるのがZEHということです。
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そもそも「ZEH」ってなにの略なの?
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ZEHは、Zero Energy Houseの略になります。
簡単に言うと、「太陽光発電で発電した電気で家中の電気を賄いましょう」というのがZEHです。
太陽光発電で発電できる電気も限られているため、家自体を高断熱(夏は涼しく、冬は暖かい)の家にしてエアコンを極力使わないようにしたり、省エネ性能の高い(電気をたくさん使わない)電化製品を使おうということになります。
ZEHの種類
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次に、ZEHの種類について見ていきましょう。
ZEHと一言で言っても、下記4つの種類に分けることができます。
✅ZEHの種類
・LCCM住宅
・次世代ZEH+
・ZEH+
・ZEH
国土交通省、経済産業省、環境省でそれぞれZEHの種類が分かれております。
詳細を確認されたい方は、下記から確認してみてください。
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簡単に纏めるとどういうことなの?
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「ZEH」⇒「ZEH+」⇒「次世代ZEH+」⇒「LCCM住宅」の順番で難易度が高くなりますが、補助金額も上がります。
イメージとしては、LCCM住宅に近ければ近いほど快適で住みやすい家になっていきます。
ただし、それだけ家にかかる費用も上がってくる分、国からの補助金額も高くなるという形です。
ZEHの補助金内容
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次に、ZEHの種類でお伝えした「4つのZEH」について詳しく内容をみていきましょう。
LCCM住宅 | 次世代ZEH+ | ZEH+ | ZEH | |
管轄省庁 | 国土交通省 | 経済産業省 | 環境省 | 環境省 国土交通省 |
一次エネルギー消費量 | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲20% |
補助額 | 上限140万円/戸 | 定額100万円/戸 | 定額100万円/戸 | 定額55万円/戸 |
ZEHの中でもLCCM住宅が最も条件が厳しく、補助額が多いのが特徴です。
それぞれのZEHのポイントを絞ってお伝えしていきます。
LCCM住宅
1つ目が、LCCM住宅です。
令和4年度予算は、200億円になります。
LCCMは、ライフ・サイクル・カーボン・マイナス(Life Cycle Carbon Minus)の略になります。
住宅の建設時から廃棄に至るまで全工程を含めてCO2排出をマイナスにする住宅のことです。
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具体的には、建築時、運用時(住んでいる時)、廃棄時で発生するエネルギー(CO2)よりも太陽光発電で作るクリーンエネルギーの方が多い住宅を目指した住宅になります。
家を建てた方が、地球にとって環境に良い家ということです。
✅LCCM住宅の条件
・外皮性能が強化外皮基準を満たしていること
・省エネ基準から▲25%以上
・LCCO2評価の結果が0以下になること
・CASBEE B+ランク以上または、長期優良住宅認定の工務店であること
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なんか難しいんだけど、どこに注意しておけば良いの?
基本的に、お客様が何かするというのではなくて新築工務店やビルダーが上記の条件を満たすように住宅を建築できるかどうかがポイントになります。
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LCCM住宅は、高気密、高断熱住宅になるため住宅コストも高いのが特徴です。
長期的に見ると、電気使用量も少なく太陽光発電の売電も多く見込めて環境に優しい住宅になります。
国としては、LCCM住宅のような脱炭素を目指した住宅建築を全国工務店、ビルダーに推進しておりますが対応できる工務店、ビルダーが限られているのも事実です。
次世代ZEH+
2つ目が、次世代ZEH+です。
令和4年度の予算は80.9億円で、先着順で補助金はなくなります。
現行のZEHより省エネをさらに追及して、太陽光発電などにより自家消費拡大を目指したZEHになります。
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次世代ZEH+の最大の特徴は、太陽光発電以外に下記のいずれかの設備を導入する必要があることです。
✅次世代ZEH+で下記いずれか導入が必要
・V2H設備
・蓄電システム
・燃料電池
・太陽熱利用温水システム
一般的に導入が多いのは、「V2H設備」や「蓄電システム」のどちらかになります。
V2Hは、電気自動車をお持ちの方や今後購入される方にオススメの設備になります。
詳しくV2H設備について知りたい方は、ニチコン製のV2Hシステム「EVパワーステーション」の記事を覗いてみてください。
✅次世代ZEH+の条件
・外皮性能が強化外皮基準を満たしていること
・省エネ基準から▲25%以上
・太陽光発電システム以外の上記4つのいずれかの導入
・「断熱性能等級5超える外皮性能」「HEMS」「電気自動車への充電」の内2つ実施
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次世代ZEH+もたくさん条件があるのね。。。HEMSってなに??
HEMSというのは、Home Energy Management Systemの略になります。
つまり、住宅で使うエネルギーの管理をするモニターということです。
太陽光発電システムの中に計測モニターがあるので、その計測モニターで家中の電化製品の使用電力や太陽光発電の発電電力や蓄電池の充電電力を確認することができます。
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次世代ZEH+で最も一般的なのは、高気密高断熱住宅に「太陽光発電+蓄電池」を導入するケースです。
ZEH+
3つ目が、ZEH+です。
令和4年度の予算は110億円で、先着順で補助金はなくなります。
こちらも、次世代ZEHと同様に現行のZEHより省エネをさらに追及して、太陽光発電などにより自家消費拡大を目指したZEHになります。
ただし、太陽光発電のみでZEH+を満たすことができるのが特徴です。
✅ZEH+の条件
・外皮性能が強化外皮基準を満たしていること
・省エネ基準から▲25%以上
・「断熱性能等級5超える外皮性能」「HEMS」「電気自動車への充電」の内2つ実施
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LCCM住宅やZEH+と比べると確かに条件が優しそうね。
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イメージとしては、高気密高断熱の住宅で太陽光発電が設置してあれば、ZEH+の条件を満たす形になります。
高気密高断熱の住宅の普及が欧米と比べても日本は少ないのが実情です。
安さ重視で多くの家が建てらえており、生涯通してみると電気代が多くかかったりしているためZEH+のような高気密高断熱の家が求められ始めています。
ZEH
4つ目が、ZEHです。
令和4年度の予算は200億円で、先着順で補助金はなくなります。
ZEHは、断熱性能を向上させて、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅のことです。
✅ZEHの条件
・外皮性能が強化外皮基準を満たしていること
・省エネ基準から▲20%以上
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ZEHは、新築住宅を建てる時に簡単に条件満たせそうね。
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これから新築を建てる時は、最低ZEH補助金は活用して購入することがオススメです。
ただ、全ての工務店やビルダーがZEH補助金の申請ができるわけではありません。
ZEHビルダーとして、ZEH補助金の交付団代であるSII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)に登録されてある必要があります。
新築住宅を建てられる際は、ZEHビルダーかどうかは事前に確認をしておきましょう。
※SIIのHPにZEHビルダー一覧がありますので、参考にしてみてください。
ZEH補助金のスケジュール
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次に、ZEH補助金のスケジュールを見ておきましょう。
2022年度の正式版が公表されていなかったため、2021年度のスケジュールを参考に見てください。
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毎年、同じようなスケジュールでZEH補助金は公募受付から申請、審査が進んでおります。
2022年度も5月頃から一次公募が開始する予定です。
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申請は、自分でしないといけないの?
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申請自体は、住宅を購入する工務店、ビルダーが申請をするためお客様が直接申請することはありません。
ZEH補助金は、先着順になるため早めの申請をしてもらうように工務店、ビルダーにお願いするようにしましょう。
そのためには、早めにどこの工務店ビルダーで購入するかも決める必要があります。
一生に一度の大きな購入なので、慎重に吟味する必要がありますがZEH補助金の申請スケジュールも考慮しながら進めてみてください。
まとめ
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今回は、ZEH補助金についてお伝えしました。
改めて、4つのZEHについて概要をおさらいしておきましょう。
LCCM住宅 | 次世代ZEH+ | ZEH+ | ZEH | |
管轄省庁 | 国土交通省 | 経済産業省 | 環境省 | 環境省 国土交通省 |
一次エネルギー消費量 | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲25% | 省エネ基準から▲20% |
補助額 | 上限140万円/戸 | 定額100万円/戸 | 定額100万円/戸 | 定額55万円/戸 |
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日本は、2030年に新築戸建て住宅の6割に太陽光発電が設置されることを目指しています。
ZEHは、今後の日本の脱炭素に向けた取り組みの中でも最重要なテーマになっています。
今は国が補助金を出して、太陽光発電の設置や高気密高断熱住宅の普及促進を目出しておりますが、今後は補助金なしでも当たり前になっていくことが予想できます。
また、最近は電気代がかなり高騰しておりますので、太陽光発電や蓄電池の需要も増しています。
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これから住宅を購入予定されている方は、今あるZEH補助金を最大限活用して安く太陽光発電+蓄電池を導入して、快適な生活を手に入れましょう。
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