※2024年1月21日更新
オムロンから新しい蓄電池が発売されたと聞いたのですが、どのような蓄電池なのか教えていただけないでしょうか。他蓄電池と比べてどういうメリットデメリットがあるのかも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームの基本スペック
・4つのメリット
・1つのデメリット
・こんな方には、マルチ蓄電プラットフォームがオススメ
・マルチ蓄電プラットフォームの経済効果(節電効果)
・マルチ蓄電プラットフォームの相場コスト
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔本業でもマルチ蓄電プラットフォームを販売中
✔複数の蓄電池の情報収集、比較検討済み
2021年に販売開始された、オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームが人気を集めておりますが、どのように人気があるのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、マルチ蓄電プラットフォームがどのようなメリットやデメリットがあるのか、相場コストや経済効果、どんな方にオススメな蓄電池なのかが理解できるようになります。
オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームの基本スペック
まずは、オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームのスペックを確認していきましょう。
蓄電池メーカー | オムロン |
蓄電池のタイプ | ①全負荷及び特定負荷対応のハイブリッド蓄電池 ②特定負荷対応の単機能蓄電池 |
蓄電池の容量 | 6.5kWh、9.8kWh、16.4kWh |
蓄電池併設 | × |
サイクル数 | 11,000サイクル |
1日のサイクル数 | 1サイクル |
保証年数 | 15年 |
自然災害補償 | なし |
塩害対応 | 重塩害仕様であれば、海岸から500mでも設置可能 |
停電時の定格出力 | 2.0kW(全負荷トランス接続の場合4.0kW) |
蓄電池動作温度範囲 | -10℃~45℃ |
設置場所 | 6.5kWh:屋内もしくは屋外(自立設置のみ可) 9.8kWh:屋内もしくは屋外 16.4kWh:屋内と屋外(いずれも自立設置のみ可) |
外形寸法 (横×高さ×奥行き) | 6.5kWh(490mm×847mm×147mm) 9.8kWh(490mm×740mm×295mm) 16.4kWh(490mm×1010mm×295mm) |
蓄電池1台の重さ | 6.5kWh(65kg) 9.8kWh(102kg) 16.4kWh(150kg) |
これだけ膨大な情報があると何がどうなっているのかわかりにくいですよね。
少しずつ解説していきますが、ざっくりと特徴を抑えておきましょう。
マルチ蓄電プラットフォームの最大の特徴は、お客様に合わせた最適な蓄電池の組み合わせが可能なところです。9パターンの組み合わせがあるため、必ずあなたにもベストな蓄電池があります。
まずは、蓄電池の容量を見ていきましょう。
マルチ蓄電プラットフォームは、16.4kWhと9.8kWhと6.5kWhの3機種があります。
発売当初は、16.4kWhと9.8kWhの2機種でしたが人気の高い6.5kWh蓄電池もラインナップに加わりました。
そして、蓄電池の種類は以下の3種類に分かれております。
蓄電池の種類 | どんな人向けなのか |
特定負荷の単機能 | 既に太陽光発電を設置済、 また既設パワコンはそのまま使う方 |
特定負荷のハイブリッド | ①新しく太陽光発電と蓄電池を設置する方 ②既に太陽光発電を設置済、 またパワコンを新しく交換する方 ※ただし、停電時は特定機器のみ使用可能 |
全負荷のハイブリッド | ①新しく太陽光発電と蓄電池を設置する方 ②既に太陽光発電を設置済、 またパワコンを新しく交換する方 ※ただし、停電時は全機器の使用可能 |
つまり、蓄電池の容量と種類を組み合わせると下記の9プランの中から選ぶことができます。
16.4kWh | 9.8kWh | 6.5kWh | |
特定負荷の単機能 | プラン① | プラン② | プラン③ |
特定負荷のハイブリッド | プラン④ | プラン⑤ | プラン⑥ |
全負荷のハイブリッド | プラン⑦ | プラン⑧ | プラン⑨ |
この辺りで、どのプランが合っているのか絞られてきませんか?
さらに、忘れがちな設置場所も見ていきましょう。
自立設置とは、地面に簡易的な基礎コンクリートを作って、その上に蓄電池を設置することです。
屋外自立 | 屋外壁掛け | 屋内自立 | 屋内壁掛け | |
16.4kWh | 〇 | 〇 | ||
9.8kWh | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
6.5kWh | 〇 | 〇 | 〇 |
9.8kWhや6.5kWh(屋内のみ)の蓄電池は、浸水リスクを回避するために壁掛け設置ができるようになっております。
災害時に、蓄電池が浸水したら使いものにならないので、浸水の可能性があるエリアにお住まいの方は、壁掛けか屋内設置の蓄電池をオススメします。
マルチ蓄電プラットフォームの4つのメリット
それでは、マルチ蓄電プラットフォームのメリットを見ていきましょう。
✅メリット
・最適な蓄電システムの選択ができる
・塩害エリアでも設置ができる
・AI機能と見守りサービスがある
・単機能蓄電池でも、停電時に自動切替ができる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきます。
メリット①:最適な蓄電システムの選択ができる
1つ目が、お客様に合った最適な蓄電システムが選択できる点です。
製品の特徴でもお伝えしましたが、下記の質問に沿ってどの蓄電池システムがあなたに合っているのか確認してみましょう。
どの蓄電システムが良いのかはわかったんだけど、どの蓄電池を選べば良いのかわからないのだけど。。。
16.4kWh、9.8kWh、6.5kWhのどの蓄電池があなたに合っているのを知るためには、下記の2点を理解する必要があります。
✅蓄電池の容量の選び方
①太陽電池の容量によって1日にどれくらい電気を作れるのか
②そして1日にどれくらいの電気を使っているのか
太陽が照っている昼間に太陽光発電でどれくらいの電気が作られて、どれくらいの電気が余るのかを知ることができれば、その余った電気と同じくらいの蓄電池容量(16.4kWh、9.8kWh、6.5kWhのどれか)がベストな蓄電池になります。
分かりにくいと思いますので、1つずつ解説していきます。
太陽電池が1日に発電する電力量がどれくらいなのか簡単な計算方法は下記です。
✅1日に発電する電力量の計算方法
①太陽光発電の容量に1,100倍をかける⇒年間の発電電力量(kWh)
②年間の発電電力量を365日で割る⇒1日の発電電力量(kWh)
③1日の発電電力量の内、家で使って余る電力量⇒蓄電池に貯められる量
※各月、各日毎で発電量は変わるので、あくまで参考値です。
年間の発電電力量は地域差はありますが、平均すると1,100倍が年間の発電電力量になります。
例えば、3kWの太陽光発電が設置されている場合は下記になります。
✅3kWの太陽光発電が1日に発電する電力量の計算方法
①3kW×1,100倍で、年間の発電電力量は3,300kWh
②年間の発電電力量を365日で割ると、9kWhが1日の発電電力量
③5kWhの電気を家で使う場合なら、4kWhが蓄電池に貯められる
⇒蓄電池は、6.5kWhがベストな蓄電池台数
昼間に5kWhの電気を使う家庭で太陽電池の設置容量が3kW、5kW、7kWを纏めると下記になります。
太陽電池の容量 | 年間の発電電力量 | 1日の平均発電電力量 | 蓄電池に貯められる電力量 | ベストな蓄電池 |
3kW | 3,300kWh | 9kWh | 4kWh | 6.5kWh |
5kW | 5,500kWh | 15kWh | 10kWh | 9.8kWh |
7kW | 7,700kWh | 21kWh | 16kWh | 16.4kWh |
蓄電池に貯められる電力量と蓄電池容量が近いものが一番相性が良いので、太陽光発電を設置済の方は計算してみましょう。
自分の家に何kWの太陽光発電が乗るかわからない方は、「家庭用太陽光発電の設置に必要な屋根面積」記事を覗いてみてください。
メリット②:塩害エリアでも設置ができる
2つ目が、塩害エリアでも設置ができることです。
海岸から500m以内の塩害エリアでは、屋外用蓄電池は設置ができない場合が多いです。
塩害に対応したパワーコンディショナや蓄電池の技術を持ったメーカーが少ないのが原因です。
オムロンのマルチ蓄電プラットフォームであれば、問題なく設置ができます。
海岸から500mまでにお住まいの方は、重塩害対応のパワーコンディショナにすれば屋外でも設置することが可能です。
オムロンは、パワーコンディショナメーカーで性能が良いのも特徴の1つです。
メリット③:AI機能と見守りサービスがある
3つ目が、AI機能と見守りサービスがある点です。
平常時に、翌日の気象情報から蓄電池への充電量をAIが制御してくれる機能になります。
AI機能があることで、どういうメリットがありますか?
電力会社の高い電気を極力買わなくて済むので、経済的なメリットがあります。
電力会社から購入している電気は、年々高くなってきているので太陽光発電で発電した電気(0円の電気)を優先的に使う方が経済的になります。
多くの蓄電池では、3つくらいの運転モードをお客様が選んで蓄電池を動かす形になりますが天候によって最適な蓄電池の動作ができておりません。
AI機能がついているマルチ蓄電プラットフォームであれば、経済的に最適な蓄電池の動作をAIが助けてくれます。
次に、マルチ蓄電システム用ゲートウェイがあれば見守りサービスあります。
見守りサービスもAIに似ている機能ですが、何か製品に不具合が起きた時にお客様とメーカー側に状態を知らせてくれるサービスです。
不具合が発生するとスマホにエラー情報は通知されたり、オムロン側でもどのようなエラーが出ているのか把握できるため、不具合が起こっても対応がスピーディになります。
蓄電池のトラブルが起こった時に対応が遅いメーカーも多くありますので、マルチ蓄電プラットフォームであれば購入した後でも安心して使うことができます。
メリット④:単機能蓄電池でも、停電時に自動切替ができる
4つ目が、単機能蓄電池でも停電時に自動切替ができる点です。
単機能蓄電池は、停電が発生したらパワーコンディショナの操作をしなければ蓄電池に太陽光発電の電気が充電されないものが多いです。
※ちなみに、ハイブリッド蓄電池は停電時は全て自動で切り替わる設定になっております。
マルチ蓄電プラットフォームであれば、停電を感知したら自動で停電時モードに切り替わるのでお客様での操作の手間がありません。
下の絵のように、停電が起こっても5秒後に電気が使えるようなイメージです。
5秒間止まっていたら、停電前に使っていた電気機器は止まるの?
電気機器によって停電発生して5秒後でも使える機器もあれば、改めてスイッチを押さなければ動かない機器もあります。
それぞれの電気機器の仕様によるところが大きいです。
いずれにしても、停電が発生しても安心して使える蓄電池ということです。
マルチ蓄電プラットフォームの1つのデメリット
次に、マルチ蓄電プラットフォームのデメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
・コストが少し高め
なにかデメリットを挙げるとしたらのレベルです。
デメリット①:コストが少し高め
唯一のデメリットが、コストが少し高めな点です。
同じ容量の他蓄電池と比べると、少し高めの金額設定になっております。
だいたい10万円~20万円は機器代として高いくらいです。
✅コスト高めの理由
・性能が良くて、設置後の不具合発生率が少ない
・万が一、不具合が発生しても対応がしっかりしている
どうしてもコスト優先の蓄電池は、蓄電池自体の性能が少し悪かったり、不具合が発生したときの対応サービスが遅かったりするケースもあります。
長期的に考えると不具合の発生率が少なく、万が一トラブルが発生してもイライラすることもなく安心して使える蓄電池という点で初期費用が高めになっていると考えておきましょう。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
こんな方には、マルチ蓄電プラットフォームがオススメ
次に、どんな方向けにマルチ蓄電プラットフォームはオススメなのか見ていきましょう。
✅こんな方に、マルチ蓄電プラットフォームはオススメ
・どの蓄電池が良いか明確に判断できない方
・長期的に安心して蓄電池を使っていきたい方
基本的には、どんな方にも対応できる蓄電池を作るためにマルチ蓄電プラットフォームが開発されてたので、全てのお客様にオススメできる蓄電池になっております。
ただ、性能の良さや安心感はかなり高いので個人的にもオススメできます。
わたし自身のオムロン蓄電池の販売経験からも、不具合が少なくお客様が納得してもらえる蓄電池なので、どれが良いのかわからない方はオムロン蓄電池はオススメです。
マルチ蓄電プラットフォームの経済効果(節電効果)
次に、マルチ蓄電プラットフォームを購入した場合にどれくらいの経済効果が得られるのかを見ていきましょう。
結論から言うと、15年間で1,798,494円相当の経済効果が得られます。
15年間にしている理由は、マルチ蓄電プラットフォームの保証年数が15年間ついているためです。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電を設置済み
・東京都在住
・共働き世帯で、夜間に電気を多く使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・卒FITで新たにマルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池を購入
・卒FIT後の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%
4kWの太陽光発電でFIT期間の10年間を終えて、新たにマルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池を購入した場合の11年目~25年目の経済効果は下記のようになります。
棒グラフの赤色が太陽光発電と蓄電池による節電額になります。
太陽光発電+マルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池で、節電及び売電できる15年間の目安金額が1,798,494円ということです。
10年間のFIT売電期間が終了すると安い売電単価(今回だと8.5円/kWh)でしか売電できませんが、マルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池を購入することで、電力会社から高い価格(約30円/kWh)で電気を買わなくて済むようになります。
逆に、太陽光発電とマルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池がなければ15年間で1,798,494円の金額を電力会社に支払うことになるということです。
オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームの相場コスト
それでは、マルチ蓄電プラットフォームの相場コストを見ていきましょう。
16.4kWh | 9.8kWh | 6.5kWh | |
特定負荷の単機能 | 230万円 | 160万円 | 120万円 |
特定負荷のハイブリッド | 250万円 | 172万円 | 136万円 |
全負荷のハイブリッド | 270万円 | 194万円 | 158万円 |
機器+工事費を含めた金額の目安としてみてください。
※実際に販売している立場で相場コストを算出しております。
マルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池の「相場コスト」と先ほどの「経済効果シミュレーション」を比較すると長期的に見ると購入する方がお得です。
お得なのはわかったけど、いきなり100万円以上のお金は払えないからローンを組んでもお得なのか教えてくれない?
実際に、蓄電池を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
✅ローンのシミュレーション条件
・マルチ蓄電プラットフォーム6.5kWhを購入
・購入金額は1,300,000円
・頭金なし
・ボーナス支払いなし
・支払い年数は10年(120ヶ月)
・ローン年率2.45%
仮に1,300,000円でマルチ蓄電プラットフォーム6.5kWh蓄電池を購入する場合は、実質3,474円/月の支払いで10年間のローンを組むことができます。
もちろん、初期費用を1,300,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。
そして、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①スポンジ公認の販売業者に見積をする(下サイトで無料見積可能)
②購入する時期に使える補助金がないか確認してもらう
③補助金の代行申請を行ってもらうことを確認して契約する
太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
また、蓄電池を購入する際は「各都道府県の補助金」を積極的に活用して購入すれば更に安く蓄電池を手に入れることができます。
まとめ-オムロン製マルチ蓄電プラットフォーム
今回は、オムロン製のマルチ蓄電プラットフォームについてお伝えしました。
改めて、マルチ蓄電プラットフォームのメリットとデメリットを見ておきましょう。
✅メリット
・最適な蓄電システムの選択ができる
・塩害エリアでも設置ができる
・AI機能と見守りサービスがある
・単機能蓄電池でも、停電時に自動切替ができる
✅デメリット
・コストが少し高め
オムロン製のパワーコンディショナや前身となる蓄電池(KPAC-AやKPAC-B)も性能が高く、不具合がほとんどないのでマルチ蓄電プラットフォームも安心して使い続けられる蓄電池と言えます。
太陽光発電や蓄電池の販売店も安心して販売できる商品のため、多くの販売店で取り扱いをされており、販売が増えている蓄電池です。
最近は、電気代が高騰を続けており「太陽光発電+蓄電池」を検討されている方が増えております。
ちなみに、上記の金額は1ヶ月当たり260kWhの電気を使用した時の電気代になっているため、4人家族の平均電力使用量の400kWhで計算するともう少し金額は高くなります。
災害対策はもちろんですが、節電対策のためにも蓄電池は役立ちます。
訪問販売業者はかなり高額で蓄電池を提案されているケースもあるため、適正価格で蓄電池を購入すれば長期的に見れば経済的にもお得です。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
ベストな蓄電池を選んで、快適な生活を手に入れていきましょう。
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