※2022年12月15日更新
デルタ電子の蓄電池ってあまり聞いたことがないのですが、どんな蓄電池なのか教えていただけないでしょうか。他蓄電池と比べた時のメリットデメリットも合わせて教えていただきたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・デルタ電子の蓄電池の性能、特徴
・デルタ電子の会社概要
・3つのメリット
・2つのデメリット
・こんな方には、デルタ電子製の蓄電池がオススメ
・デルタ電子の蓄電池の経済効果(節電効果)
・デルタ電子の蓄電池の相場コスト
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに約10年間勤務(現役)
✔本業で、月に10台以上の蓄電池販売を継続
✔本業で、デルタ蓄電池の販売経験有
海外製の蓄電池なのであまり聞きなれないし、どのような蓄電池かわからないですよね。
この記事を見てもらえれば、デルタ電子の蓄電池が他蓄電池と比べてメリットデメリットが何なのかが理解できるようになります。
デルタ電子の蓄電池の性能、特徴
まずは、デルタ電子の蓄電池の基本スペックから見ていきましょう。
蓄電池メーカー | デルタ電子 |
蓄電池のタイプ | 全負荷対応のハイブリッド蓄電池 |
蓄電池の容量 | 5.6kWh |
蓄電池併設 | 〇(2台併設で11.2kWh) |
サイクル数 | 6,000サイクル |
1日のサイクル数 | 1サイクル |
保証年数 | 10年(※有償5年も有り) |
自然災害補償 | なし(※購入先によっては10年有り) |
塩害対応 | 〇(※潮水がかかる場所はNG) |
停電時の定格出力 | 3.0kW |
蓄電池動作温度範囲 | -10℃~45℃ |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 (幅×高さ×奥行き) | 552mm×596mm×200mm |
蓄電池1台の重さ | 75kg |
左側がパワーコンディショナ、右側が蓄電池
2018年にデルタ電子の蓄電池は販売開始されております。
デルタ電子の蓄電池は、全負荷対応のハイブリッド蓄電池なのでハイスペックな蓄電池で、かつコストが安いのが特徴になります。
✅デルタ電子製の蓄電池のポイント
①全負荷(200V機器)対応のハイブリッド蓄電池 ⇒ 高性能
②海外製メーカーの蓄電池 ⇒ コストが安い
これだけ見ると、かなり良い蓄電池ですね。まだ信じられないです。。
全負荷対応の蓄電池は、停電時に自動で太陽光発電からの電気を蓄電池に充電できて、200V機器も使える特徴があります。
多くの蓄電池では「特定負荷対応の蓄電池」が多く、特定負荷であれば停電時に手動で切替する必要があり、100V機器しか使えません。
全負荷対応であれば、停電時に家まるごと電気のバックアップが可能ということです。
また、全負荷対応の蓄電池の中で蓄電池容量が5.6kWhと小型なので、コストも抑えられています。
デルタ電子ってどういう会社?
次に、デルタ電子の会社概要を見ていきましょう。
グローバル | 日本 | |
所在地 (本社) | 台湾(台北市) | 東京都港区芝大門2-1-14 |
設立 | 1971年 | 1991年 |
資本金 | – | 2億8000万円 |
年商 | 約9,000億円 | 204億円(2018年実績) |
従業員 | 10万人以上 | 225人 |
沿革 | 電源管理と散熱ソリューションの メーカーとして事業を展開。 | 2007年 国内向け住宅用パワコン開発 2008年 国内メーカー向けODM供給開始 2015年 国内パワコン出荷実績1GW達成 2018年 ハイブリッド蓄電池JET認証取得 国内パワコン出荷実績2GW達成 ※国内パワコンシェアは約10% |
デルタ電子は、台湾の会社になります。
日本法人の設立も1991年なので、歴史のある会社です。
パワーコンディショナで日本国内シェア10%の実績を持つ会社でもあります。
日本国内に初めて海外から参入したパワーコンディショナはデルタ電子製になります。(2007年)
日本でパワーコンディショナの販売実績をつけて、家庭用のハイブリッド蓄電池に参入してきた会社ということです。
デルタ電子の蓄電池の3つのメリット
それでは、デルタ蓄電池のメリットを見ていきましょう。
✅メリット
①停電時に家まるごと電気をバックアップできる
②塩害エリアでも設置ができる
③価格が安い
メリット①:停電時に、家まるごと電気をバックアップできる
1つ目が、全負荷対応なので、停電時に家の全ての電化製品を使うことができる点です。
200V機器まで対応なので、200V電源が必要なエアコン・IHクッキングヒーターも停電時に使えます。
停電時に、太陽光発電から蓄電池に充電できる容量と電気機器へ提供できる電気量は3.0kWです。
特定負荷対応の蓄電池であれば、一般的に1.5kWや2.0kWが充放電できる電気量なので、3.0kWは多く使える蓄電池と言えます。
ただ、全負荷対応の蓄電池のよくある話で、停電時に電気の使い過ぎにより蓄電残量をすぐに使い切ってしまうことには注意しましょう。
デルタ蓄電池は、5.6kWhの全負荷対応の蓄電池で、全負荷対応の蓄電池の中では蓄電池容量が小さいため、電気を使いすぎると短時間で充電を使い切ってしまうことになります。
具体的にどれくらいの機器が使えるの?
停電時の電気の使い方のイメージを下図で見ていきましょう。
停電時に、どの電化製品をどれくらい使うのかをイメージすることで必要な電気量(蓄電容量)がわかってきます。
使う電気量次第で、デルタ蓄電池を2台設置することも検討してみましょう。
✅蓄電池の使い方のポイント
デルタ蓄電池1台の場合 ⇒ 使える電気量は4.4kWh程度
デルタ蓄電池2台の場合 ⇒ 使える電気量は8.4kWh程度
他蓄電池でも同様ですが、蓄電池の容量の8割~9割が実際に使える電気になります。
蓄電池の寿命を延ばすために、1割~2割は電気を残しておく設計になっています。
停電時に悠々自適に生活できるくらいの電気量ではないので、注意しておきましょう。
メリット②:塩害エリアでも設置ができる
2つ目が、塩害エリアでも設置ができる点です。
下の表は、デルタ電子のパワーコンディショナ・蓄電池ユニット・計測通信ユニットの設置適合表になります。
ハイブリッド パワーコンディショナ | 蓄電池ユニット | 計測・通信ユニット | |
屋内 | 〇 | 〇 | 〇 |
屋外 一般地域 | 〇 | 〇 | × |
屋外 寒冷地・重塩害地域 | 〇 | × | × |
重塩害地域とは、海岸から500m以内でかつ海水が直接かからない地域のことです。
パワーコンディショナは、重塩害地域でも屋外に設置することができます。
重塩害地域に、パワコンを屋外における蓄電池は限られておりますので、大きな特徴と言えます。
パワコンを外に設置できても、蓄電池を家に設置しないといけないなら意味がないんじゃないの?
重塩害地域であれば蓄電池を屋内に設置する必要がありますが、デルタ蓄電池は外形寸法が小さいため他の全負荷対応の蓄園池と比べると屋内に設置するハードルは低いです。
デルタ蓄電池の外形寸法は、552mm×596mm×200mmです。
メリット③:価格が安い
3つ目が、全負荷対応ハイブリッド型蓄電池の中でも、圧倒的に価格が安い点です。
なぜ安いの?
日本メーカーと比べて認知度が低いため、価格でメリットを出してます。
蓄電池自体は、某国内メーカーの蓄電池を採用されているので品質は他蓄電池と同等です。
つまり、蓄電池の品質は国内メーカーと同じで、性能の高いデルタ蓄電池はコスパが良いということです。
無料で見積依頼ができるサイトがありますので、参考に金額を入手してみましょう。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
デルタ電子の蓄電池の2つのデメリット
次に、デルタ蓄電池のデメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
①寒冷地に弱い
②不具合が頻繁に出ていた
デメリット①:寒冷地に弱い
1つ目が、寒冷地に弱い点です。
0度以下のエリアに、デルタ蓄電池の屋外設置は向いていません。
10℃以下になると蓄電池への充電が抑制運転モードとなります。
抑制運転とは、充放電を通常時よりも抑えて運転することです。
具体的に10度以下の場合は、通常時の30%以下の充電電力になる場合があります。
-10度~0度で充電は停止し、放電機能のみになることがあります。
抑制運転は、蓄電池保護の観点で作動するので故障ではありませんが勘違いされるケースが多いです。
寒冷地には向いていない蓄電池になるので、寒冷地にお住まいの方は「寒冷地対応の蓄電池の纏め記事」を覗いてみてください。
デメリット②:不具合が頻繁に出ていた
2つ目が、不具合が頻繁に出ていたことです。
2019年から本格的に販売しましたが、下記のエラーが続出しました。
✅主な不具合事例
①モニターのブラックアウト
②モニターの時計がずれる
③蓄電池の劣化が進んでいるというエラー表示
今はエラーが出ないように蓄電池システムが改修されたものが販売されております。
万が一、エラーが発生したときの対応としては下記になります。
✅不具合発生時の対策
①モニターのブラックアウト ⇒ ソフトウエアのアップデートで対策
②モニターの時計がずれる ⇒ モニター自体の交換
③蓄電池の劣化が進んでいるというエラー表示 ⇒ 蓄電池自体の交換
不具合が発生した場合でも機器不良になるため、お客様の方で費用はかかりません。
いずれにしても、現在は対策品が販売されているので、不具合が発生するリスクは極めて少なくなっています。
こんな方には、デルタ電子製の蓄電池がオススメ
次に、どんな方にデルタ製蓄電池はオススメなのかを見ていきましょう。
✅デルタ電子製の蓄電池をオススメしたい方
・停電時に200V機器を使用したいけど、コストも抑えたい方
・塩害エリアに住んでいて、停電時に200V機器を使いたい方
200V機器が使用できる全負荷対応の蓄電池のラインナップは増えてきてますが、価格が高めになっております。
デルタ製蓄電池は安価なので、コスト重視のお客様にはオススメです。
また、塩害エリアで全負荷対応の蓄電池は限られているため、塩害エリアに住んでいて全負荷対応の蓄電池が気になる方にもオススメできます。
ちなみに、デルタ蓄電池とベストな太陽光発電容量は4kW以上の太陽光発電が設置できる屋根です。
理由は、太陽光発電からの充電が3kW貯められるため、太陽光発電は最低4kW以上あれば充電時間が遅いというリスクが軽減されるからです。
簡単に言うと、3kWで貯め続けられたらデルタ蓄電池(5.6kWh)だと2時間で貯められます。
4kWの太陽光発電を設置しても常時4kW発電することがないので、太陽光発電は4kW以上がオススメです。
デルタ電子の蓄電池の経済効果
次に、デルタ製5.6kWh蓄電池を購入した場合にどれくらいの経済効果が得られるのかを見ていきましょう。
結論から言うと、10年間で1,059,737円相当の経済効果が得られます。
10年間で経済効果を出している理由は、デルタ製5.6kWh蓄電池の保証年数が10年間のためです。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電を設置済み
・東京都在住
・共働き世帯で、夜間に電気を多く使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・卒FITで新たにデルタ製5.6kWh蓄電池を購入
・卒FIT後の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%
4kWの太陽光発電を設置済みでFIT期間の10年間を終えて、新たにデルタ製5.6kWh蓄電池を購入した場合の11年目~20年目の経済効果は下記のようになります。
棒グラフの赤色が太陽光発電+蓄電池の節電額になります。
太陽光発電+デルタ製5.6kWh蓄電池で、節電できる10年間の目安金額が1,059,737円ということです。
10年間のFIT売電期間が終了すると安い売電単価(今回だと8.5円/kWh)でしか売電できませんが、デルタ製5.6kWh蓄電池を購入することで、電力会社から高い価格(約30円/kWh)で電気を買わなくて済むようになります。
逆に、太陽光発電とデルタ製5.6kWh蓄電池がなければ10年間で1,059,737円の金額を電力会社に支払うことになるということです。
蓄電池は10年使い続けた後でも使い続けられるの?
蓄電池の寿命は、設置場所や設置環境に左右されますが10年以上使い続けることも可能です。
つまり、10年以上使い続けられれば経済的メリット(電力会社に払わなくても済む金額)も増えていくということです。
デルタ電子の蓄電池の相場コスト
それでは、デルタ電子の蓄電池の相場コストを見ていきましょう。
相場コストは、1,000,000円程度になります。
先ほどの経済効果シミュレーションと見比べると10年使えばデルタ製5.6kWh蓄電池の費用は回収できることになります。
お得なのはわかったけど、いきなり100万円近くのお金は払えないからローンを組んだらどうなるのか教えてくれない?
実際に、蓄電池を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
✅ローンのシミュレーション条件
・デルタ製5.6kWh蓄電池を購入
・購入金額は1,000,000円
・頭金なし
・ボーナス支払いなし
・支払い年数は10年(120ヶ月)
・ローン年率2.45%
仮に1,000,000円でデルタ製5.6kWh蓄電池を購入する場合は、実質1,243円/月(10年間)を支払えば手に入れることができます。
もちろん、初期費用を1,000,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。
この記事を見ていただいている方だけに、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
※あまり悪用しないように、こっそりと実践してみてください。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する
太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。
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また、蓄電池を購入する際は「各都道府県の補助金」を積極的に活用して購入すれば更に安く蓄電池を手に入れることができます。
まとめ
今回は、デルタ電子の蓄電池をお伝えしました。
改めて、メリットデメリットを見ておきましょう。
✅メリット
①停電時に家まるごと電気をバックアップできる
②塩害エリアでも設置ができる
③価格が安い
✅デメリット
①寒冷地に弱い
②不具合が頻繁に出ていた
200V機器も使いたい、でもコストは抑えたい方にオススメな蓄電池です。
正直言うと少し前までは、デルタ蓄電池はオススメしてませんでしたが、不具合が改修されたデルタ蓄電池であれば、コスパが良いのでオススメできます。
また、蓄電池は災害(停電)対策はもちろんできますが、最近は電気代高騰が続いており電気代の節約にも活用が進んでおります。
ロシアウクライナ情勢もあり、2023年4月から更に電気代が高騰していくと言われております。
太陽光発電+蓄電池があれば、災害(停電)と電気代の両方の対策が取れます。
訪問販売業者はかなり高額で蓄電池を提案されているケースもあるため、適正価格で蓄電池を購入すれば長期的に見れば経済的にもお得です。
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ベストな蓄電池を選んで、快適な生活を手に入れましょう。
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