※2024年4月14日更新
太陽光発電の自立運転機能の使い方と自立運転機能でどういう機器が使えるのかを教えてほしいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・太陽光発電の自立運転機能とは?
・自立運転機能の使い方
・自立運転機能の非常用コンセントの位置
・自立運転で使える機器
✅本記事の信頼性
✔太陽電池メーカーに10年以上勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販200棟(2年間継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
停電時に太陽光発電の自立運転が役立つことは知ってるけど、どのような操作が必要で、どんな機器が使えるのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、そもそも自立運転機能が何なのか、どんな機器が使えるのか、そして停電時でも慌てずに自立運転機能が使えるようになります。
太陽光発電の自立運転機能とは?
まず、太陽光発電の自立運転機能とは何なのかお伝えします。
自立運転機能は、停電時に太陽光発電で発電した電気の一部をパワーコンディショナから取り出せる機能のことです。
一般的には、晴れていればパワコン1台あたり最大で1500Wの電気が使えます。
停電時ではなくて、平常時でも自立運転機能は使えるの?
自立運転機能は、停電時で使える機能なので平常時は使う必要がありません。
イメージが湧きにくいと思いますので、太陽光発電システムを設置している家庭の電気の流れを下図で見ていきましょう。
通常時は、分電盤に繋がっている機器に太陽光発電からの電気、もしくは電力会社からの電気を送っております。
ただ停電になってしまうと、分電盤自体も使えなくなり、家中の全ての機器に電気を送ることができなくなります。
太陽光発電は停電には影響がなく、パワーコンディショナまで電気が流れており、パワーコンディショナの運転モードを自立運転モードに切替をすれば、電気を取り出すことが可能です。
✅電気の流れ
通常時:分電盤を通して、家庭内の全ての電気機器に電気を供給
停電時:分電盤からの電気が供給できないため、パワコンから電気を供給
停電が起こった時に、パワーコンディショナの自立運転機能を使う設定にすれば、太陽が照っている日中であればパワーコンディショナを通して、必要な機器に電気を送ることが可能です。
自立運転機能モードに手動で切替するものと、自動で切替ができるものがあります。
停電時に、手動での切替方法がわからなかったために、電気を使うことが出来なかったという声も聞きますので、手動切替か自動切替のどちらなのかを事前に理解しておくことが重要です。
また、2024年2月に発売されたQ.READYは停電時に自動で自立運転切替ができて、最大5,900Wの電気(100Vも200V機器)が使えるハイスペックパワコンになります。
これから太陽光発電を検討される方はQ.READYがオススメです。
自立運転機能の使い方
次に、自立運転機能の使い方を見ていきましょう。
パワーコンディショナー毎に切替方法が少し異なりますが、基本的な操作は同じです。
自立運転への切替方法は、「手動切替」と「自動切替」の2種類があります。
一般的な手動切替と自動切替の方法について、見ていきましょう。
パワーコンディショナの機種毎の自立運転切替方法を詳しく知りたい方は、JPEAのHPに各メーカー毎の自立運転操作方法のリンク先が纏めてありますので、確認してみてください。
手動での切替方法
手動の切替方法でも、屋内パワーコンディショナと屋外パワーコンディショナで操作方法が異なります。
✅屋内と屋外パワーコンディショナの自立運転の操作方法
屋内パワーコンディショナ:パワーコンディショナ本体を操作
屋外パワーコンディショナ:リモコンを操作
屋外パワーコンディショナは、パワーコンディショナ自体に操作できるボタンがないため、一括制御リモコンというものがセットになっております。
パワーコンディショナ本体でもリモコンでも基本的な操作は同じになります。
✅自立運転の切替手順
①パワコンの運転スイッチをOFFにする(連系運転をOFF)
②太陽光発電用ブレーカーをOFFにする(分電盤か分電盤の側にある)
③パワコンの運転スイッチをONにする(自立運転をON)
④パワコンもしくはリモコンの表示窓に発電量(kW)の表示があるか確認
⑤非常用コンセントに使用したい機器を接続
停電が終了後は、連系運転モードに設定し直す必要があります。
✅連系モードへの設定手順
①パワコンの運転スイッチをOFF(自立運転をOFF)
②太陽光発電用ブレーカーをONにする
③パワコンの運転スイッチをONにする(連系運転をON)
自動での切替方法
2020年以降で発売しているパワーコンディショナは、初期設定で自動運転の自動切替設定があるものが多いです。
停電が発生すると自動で自立運転モードに切り替わり、復旧すると自動で連系運転モードに切り替わります。
これから太陽光発電を購入される方は、自動切替設定ができるパワーコンディショナかどうかを確認しておきましょう。
ただ、パワーコンディショナを設置した時に初期設定を工事店にお願いしておかないと結局は手動で切替をしなければいけないことになりますので、事前に自動切替の設定にしてもらうようにお伝えしましょう。
既に太陽光発電を設置済で、自動切替が可能なパワーコンディショナかどうか確認したい場合はJPEAのHPで確認ができます。
よくわからなければ購入した販売店に確認してみましょう。
自立運転機能の非常用コンセントの位置
次に、自立運転から電気を取り出せる非常用コンセントの位置を見ていきましょう。
非常用コンセントの位置は、屋内パワーコンディショナと屋外パワーコンディショナで異なります。
屋内パワーコンディショナは、パワーコンディショナ自体に差し込み用のコンセントが付いています。
一方、屋外パワーコンディショナは、非常用コンセントを設ける必要があります。
つまり、屋外パワーコンディショナは事前に非常用コンセント用の配線工事が必須ということです。
屋内用のパワーコンディショナも配線工事したら、非常用コンセントは作れるの?
屋内用パワーコンディショナも、配線工事をすれば屋外パワーコンディショナ同様に非常用コンセントを作ることは可能です。
災害時に使いたい機器とパワーコンディショナまでの距離が遠い場合などは、非常用コンセントを設置することをオススメします。
✅非常用コンセントを設けるかどうかのチェックポイント
・非常用(自立運転用)コンセントの設置場所をどこにするか
・屋内パワコンと停電時に使用予定の機器との距離は遠くないか
非常用コンセントの設置場所をどこにするかで、停電時の暮らしやすさが変わってきます。
パワーコンディションのコンセントにタコ足配線を繋いで、幾つかの電気機器を使う方法もありますが、一度に使える電気機器は限られておりますのでオススメはできません。
タコ足配線がオススメできない理由は、タコ足配線に多くの電気機器を繋げて、使用電力量が太陽光発電の発電量よりも大きくなると、繋げている電気機器への電気の供給が全て止まってしまうためです。
自立運転機能で使える機器
次に、自立運転機能で使える電気の容量を見ていきましょう。
自立運転機能で使える電気の容量は、AC100Vで最大1,500Wまでです。
具体的に、停電時に使える電気機器は下記になります。
電気機器 | 消費電力 |
こたつ | 300~600W |
ファンヒーター | 10~450W |
洗濯機 | 200~400W |
冷蔵庫 | 100~300W |
テレビ | 100~200W |
扇風機 | 20~40W |
携帯電話スマホ | 10~50W |
日中であれば、1,500Wは常に使えるの?
残念ながら、いつでも1,500Wが使えるわけではありません。
理由は、太陽光発電がどれだけ電気が作れるかは天気次第だからです。
下のケースは、1,500Wが使えない可能性があります。
✅自立運転で1,500Wの電気が使えないケース
①天候が雨または曇り
②朝方、夕方の時間帯
③太陽光発電の設置容量が少ない(例えば、2kW程度)
①と②は、日射強度(太陽の光)が弱く、太陽光発電で発電できる電気が少ないため1,500Wの発電が出来ない可能性があります。
③は、天候が良くても、そもそもの太陽光発電容量が小さいため1,500Wの発電が出来ない可能性があります。
停電時に確実に電気を使いたい方は、家庭用蓄電池を検討することをオススメします。
家庭用蓄電池の選び方がわからないという方は、「【完全ガイド】家庭用蓄電池の選び方を徹底解説」の記事を覗いてみてください。
まとめ-太陽光発電の自立運転機能
今回は、太陽光発電の自立運転機能についてお伝えしました。
✅ポイントまとめ
・自立運転機能は、停電時に太陽光で発電した電気の一部を取り出せる機能
・自立運転は、手動切替と自動切替の2種類がある
・非常用コンセントは、屋内と屋外パワーコンディショナで位置が異なる
・自立運転で使える電気は、最大で1,500W(AC100V)
「せっかく太陽光発電を設置しているのに、災害時に活用できなかった。。」ということがないように操作方法も理解しておきましょう。
また、夜間は太陽光発電の発電がないので夜間でも電気を使いたい場合は、蓄電池が必須になります。
蓄電池のオススメを確認されたい方は、「タイプ別(7タイプ)のオススメ蓄電池を徹底比較」の記事を覗いてみてください。
災害はいつ起きるか想定は出来ませんので、事前準備がしっかりとしておきましょう。
これから太陽光発電を設置される方は、Q.READYパワコンを購入すれば自立運転機能でも快適な生活を送ることができるので、オススメです。
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