※2024年1月11日更新
5kWの太陽光発電は、どれくらいの屋根があれば設置が可能でしょうか。また、経済効果や初期費用、設置するメリットデメリットも教えていただきたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・太陽光発電5kWのメリット
・太陽光発電5kWのデメリット
・太陽光発電5kWに必要な屋根面積
・太陽光発電5kWの発電量
・太陽光発電5kWの目安価格
・太陽光発電5kWの経済性
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販200棟(2年間継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
5kWの太陽光発電設置に必要な初期費用はどれくらいなのか、また今から太陽光発電を設置する場合でもメリットやデメリットがあるのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、5kWの太陽光発電の初期費用や経済効果、5kWの太陽光発電を設置するメリットデメリット、設置すべきかどうかが理解できるようになります。
太陽光発電5kWのメリット
それでは、5kWの太陽光発電のメリットを見ていきましょう。
✅メリット
・電気代の節約ができる
・売電収益が得られる
・停電時に電気が使える
これだけ見ると、「それくらいのメリットデメリットは理解しているよ」と思う方が多いと思いますが、もう一歩踏み込んで内容理解していきましょう。
ちなみに、日本の屋根に設置できる平均的な太陽光発電の容量は4kW程度なので、5kWだと少し大きめの太陽光発電になります。
メリット①:電気代の節約ができる
1つ目が、電気代の節約ができる点です。
5kWの太陽光発電であれば、昼間の電気代は0円に出来て、それでも電気が余るので売電も見込めます。
5kWの太陽光発電が1日に発電する電気量は、16kWh程度になります。
4人家族が1日に使う電気量も13~15kWh程度と言われております。
太陽光発電だけだと電気を貯められないので夜間の電気までは賄えないですが、蓄電池があれば5kW程度の太陽光発電で1日の電気を賄えます。
最近は、電気代が高騰を続けていますので電力会社から電気を買わなくても済むのは大きなメリットになります。
なんでそんなに電気代が上がっているの?
✅電気料金単価が上昇している理由
・原油や天然ガス価格が高騰しているため
・再生可能エネルギーの普及により再エネ賦課金が増え続けているため
・ロシア、ウクライナ情勢による天然ガスやLNGの供給不安があるため
日本のような先進国ではなくて新興国の経済発展が著しく、エネルギー消費量も高まっており、エネルギー源となる原油や天然ガス(LNG)価格が高騰し続けております。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は日本が再生可能エネルギーを増やしていくために電気を使用している全国民から毎月徴収している電気代ですが、毎年その再エネ賦課金は上昇しています。
2023年度の再エネ賦課金は1.4円/kWhと一旦落ち着きましたが、2024年度はさらに上がると言われております。(※2024年4月発表)
直近では、ロシアウクライナ情勢も絡んできており、化石燃料の価格がさらに高騰すれば電気料金が上がり続けるリスクもあります。
電気料金が高騰しやすい多くの要因があるため、太陽光発電で電気を作る価値は今まで以上に高まっております。
メリット②:売電収益が得られる
2つ目が、売電収益が得られる点です。
節電もしながら売電収益も毎月一定の金額が入ってきます。
どれくらいの売電収益が見込めるの?
2024年度の売電単価は16円/kWhなので、余った電気量〇〇kWh×16円/kWhがお客様の収益となります。(※細かいシミュレーションは、5kWの太陽光発電の発電量で解説します。)
売電単価は昔に比べると下がってますが、太陽光発電システムの初期費用も大きく下がりましたので、昔と比べてもメリットは変わっていません。
メリット③:停電時に電気が使える
3つ目が、停電時に電気が使える点です。
太陽光発電システムの中のパワーコンディショナという機器から停電時にMAX1,500Wの電気が取り出せます。
屋内用パワーコンディショナは基本的に機器にコンセントがついています。屋外用パワーコンディショナは、停電時用コンセントの配線工事が必要です。
雨の日でも1,500Wの電気が使えるってこと?
雨の日の場合は、そもそも太陽光発電で1,500W発電しない可能性が高いので1,500Wの電気は使えないかもしれません。
太陽光発電で発電した電気のうち、最大1,500Wまでならパワーコンディショナから電気を使えるというイメージです。
もう少し詳しく知りたい方は、「太陽光発電の自立運転の使い方」の記事を覗いてみてください。
太陽光発電5kWのデメリット
次に、デメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
・初期費用が少し高い
・売電分が多くなり、経済効果が薄れる
デメリットの対策も解説しますので、参考にしてみてください。
デメリット①:初期費用が少し高い
1つ目が、初期費用が少し高い点です。
5kWの太陽光発電になると初期費用も纏まった金額が必要になってきます。
確実に100万円以上はかかるので、しっかりと吟味して設置するか考えなくてはいけません。
さすがに100万円以上は手が出ないわ。。。
10年前は5kWの太陽光発電で200万円以上はしていたので、これでも半額程度まで下がってきてます。
金額だけ聞くと、「太陽光発電は辞めよう」となる方が多いのですが将来的にお得なのか?初期費用を抑える方法はないのか?という観点でも見ていきましょう。
「将来的にお得なのか」の観点で考えると、確実にお得です。
「太陽光発電5kWの経済性」で詳しく解説していますので、確認してみてください。
そして、初期費用を抑える方法については下記2つの方法があります。
一番やってはいけないのは、悪質な訪問販売会社の「今なら〇〇の特典をつけます!」とか「〇〇までに決めてもらえると〇〇円にします!」という口車に乗せられて、購入してしまうことです。
お客様が太陽光発電の相場価格を知らない中で、契約をしてしまうことは大きなリスクになります。
悪質な訪問販売会社の見分け方を知りたい方は、「太陽光発電の訪問販売で注意すべき7つのポイント」を覗いてみてください。
優良な業者が集まっている見積サイトで、まずは複数の見積書を無料で入手して、太陽光発電の金額がどれくらいなのか相場価格を知るところからがスタートです。
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デメリット②:売電分が多くなり、経済効果が薄れる
2つ目が、売電分が多くなり、経済効果が薄れる点です。
売電が多くなることはデメリットではないですが、昔ほど多くの売電収益が得られなくなりました。
下のグラフを見てもらうと、買取単価(売電単価)が年々減っており、電気料金単価が年々増えていることがわかります。
つまり、太陽光発電で作った電気を「売電する」よりも「家で使う(蓄電池に貯める)」方がメリットが高いということです。
いかに電力会社から電気を買わない生活ができるかがポイントになります。
電気料金が高騰している背景もあって、最近では多くの蓄電池が販売されております。
「どの蓄電池が良いのかわからない!」という方が多いと思いますので、「タイプ別のオススメ蓄電池」の記事を覗いてもらえれば、あなたに合った蓄電池がどれなのかが理解できるようになります。
太陽光発電が5kW以上の設置ができる方は、太陽光発電+蓄電池の選択肢もこれからの時代では賢い選択になってきます。
太陽光発電5kWに必要な屋根面積
5kWの太陽光発電を設置するために、どれくらいの屋根面積が必要か見ていきましょう。
住宅用の太陽電池1枚を400Wとして、16枚あれば5.6kWの太陽光発電となります。
✅必要な屋根面積
間口方向(7枚の方):12.5m
流れ方向(2枚の方):2.9m
✅必要な屋根面積
間口方向(2枚の方):4.0m
流れ方向(7枚の方):8.6m
もし、ご自宅の平面図があるなら、5kWの太陽光発電が設置できるのか確認してみましょう。
正確に何kWの太陽光発電が設置できるか確認したい方は、専門業者に確認してもらうようにしましょう。
無料で太陽光発電の見積依頼をすれば、太陽光発電が何kW設置できるかレイアウトも作成してくれます。
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太陽光発電5kWの発電量
次に、5kWの太陽光発電でどれくらいの電気が作られて、節電と売電効果はどれくらいなのかを見ていきましょう。
発電シミュレーションは、条件によっても大きく異なります。
今回は下記の条件で発電量を算出しております。
✅発電シミュレーションの条件
太陽電池容量:5.6kW(400W/枚×14枚)
パワーコンディショナ変換効率:96.5%
設置場所:東京都
設置方位:真南
設置角度:4寸
電力会社からの購入電気単価:30円/kWh
電力会社へ売電する電気単価:16円/kWh(※2024年度の売電単価)
売電比率:50%
この発電シミュレーションは、某太陽電池メーカーのシミュレーションソフトから引用しており、実際の発電量に近い値が出ております。
結果は、下記のようになります。
5kWの太陽光発電を設置すれば年間の経済効果(節電+売電)が、149,017円見込めるということです。
発電シミュレーションのポイントは「売電率50%」の条件で発電量を算出しているところになります。
どういうこと?もう少し詳しく教えてくれない?
5kWの太陽光発電で発電した電気を100%としたときに、50%は家庭内で使われて、残り50%を電力会社に売電しているということです。
つまり、上図の赤線枠内の「使う電力」に太陽光発電で発電した電気の50%が使われて、残った50%の電気が電力会社に「売る電力」という形になります。
使う電力は各ご家庭ごとに異なりますが、5kWの太陽光発電で発電できる電気量の50%で一般的な家庭で昼間に使う電力は全て賄えると想定しているということです。
太陽光発電5kWの目安価格
次に、5kWの太陽光発電の目安価格を見ていきましょう。
太陽光発電システムの目安価格は、25万円/kWになります。
つまり、5.6kW×25万円/kWとすれば、140万円が相場コストになります。
いきなり100万円以上のお金は払えないから、ローンを組んだらどうなるの?
実際に、太陽光発電を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
✅ローンのシミュレーション条件
・5.6kWの太陽光発電を購入
・購入金額は1,400,000円
・頭金なし
・ボーナス支払いなし
・支払い年数は10年(120ヶ月)
・ローン年率2.45%
仮に1,400,000円で5.6kWの太陽光発電を購入する場合は、実質1,554円/月(10年間)で分割払いすれば手に入れることができます。
FIT期間終了後の毎月の実質負担額は‐9,177円なので、負担額はなくて収益が出るということになります。
もちろん、初期費用を1,400,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。
この記事を見ている方限定に、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
✅確実に安く太陽光発電を買う方法
①スポンジ公認の販売業者に見積をする(下サイトで無料見積可能)
②購入する時期に使える補助金がないか確認してもらう
③補助金の代行申請を行ってもらうことを確認して契約する
太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、太陽光発電の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。
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また、太陽光発電を購入する際は「各都道府県の太陽光発電補助金」を積極的に活用すれば更に安く太陽光発電を手に入れることができます。
太陽光発電5kWの経済性
それでは、5kWの太陽光発電の経済性を見ていきましょう。
結論として、5kWの太陽光発電にかかる初期費用は8年~9年あれば回収できます。
今までお伝えした、5kW太陽光発電の「発電量」と「目安価格」から経済性を出すことが出来ます。
改めて、経済効果を出す上での条件を見ておきましょう。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。
✅シミュレーション条件
・5.6kWの太陽光発電を設置
・東京都在住
・片働き世帯で昼間も電気を使う
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・2024年に太陽光発電を購入(つまり売電単価は16円/kWh)
・卒FIT後(設置から10年後)の売電金額は8.5円/kWh
・電気料金の上昇率は2%
5.6kWの太陽光発電を2024年に設置してFIT期間の10年間は16円/kWhで売電して、卒FIT後は8.5円/kWhで10年間売電する場合の経済効果シミュレーションは下記のようになります。
棒グラフの赤色が太陽光発電の節電額になります。
5.6kWの太陽光発電で、節電できる20年間の目安金額が2,825,520円ということです。
✅5kW太陽光発電の経済効果
初期費用:1,400,000円
20年間の節電+売電金額:2,825,520円
5.6kWの太陽光発電を購入するためには、初期費用として1,230,000円~1,400,000円が必要になりますが、設置後は毎年平均で141,276円(2,825,520円÷20年)の経済効果が得られるということです。
つまり、8年~9年で初期費用は回収ができるということです。(1,400,000円÷141,276円)
逆に、5.6kWの太陽光発電がなければ20年間で2,825,520円の経済効果を失うことになるということです。
20年使った後でも使い続けられるの?
太陽光発電システムの中でパワーコンディショナが10年~15年で交換になる可能性がありますが、一度交換をすれば20年以上(30年程度)は使い続けることが可能です。
パワーコンディショナの交換費用の目安は、交換作業費含めて15万円~20万円になります。
つまり、20年以上使い続けられれば経済的メリット(電力会社に払わなくても済む金額)も増えていくということです。
まとめ-5kWの太陽光発電
今回は、5kWの太陽光発電で、よく聞かれる疑問について纏めてご紹介しました。
改めて、5kWの太陽光発電のメリットデメリットをお伝えします。
✅メリット
・電気代の削減ができる
・売電収益が出る
・停電時に電気が使える
✅デメリット
・初期費用が少し高い
・売電分が多くなり、経済効果が薄れる
5kWの太陽光発電は儲からないのではないか?と思われていた方も多いと思いますが、経済効果が高くて確実に儲かります。
初期費用が高くなりがちなので、初期費用を落とすことができれば経済性もUPします。
太陽光発電が設置できるのであれば、損をすることはないので購入するのはオススメします。
ちなみに、上記の金額は1ヶ月当たり260kWhの電気を使用した時の電気代になっているため、4人家族の平均電力使用量の400kWhで計算するともう少し金額は高くなります。
これからは、電力会社からできる限り電気を買わないことが最も経済的に良い時代です。
ロシア、ウクライナ情勢も相まって、電気料金の高騰は避けられそうにない状況になっています。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
適正価格で太陽光発電を設置して、快適な生活を手に入れましょう。
コメント
管理人様、はじめまして。
シェアでんきと自己設置のいずれかを検討しておりますが、以下の表記について理解できないので教示くださいませ。
・「5kWの太陽光発電は、太陽光発電で発電した電気の半分で家庭の電気を賄えることが多いので、売電率は50%にしております。」
以下、経産省の資料によると
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/050_01_00.pdf
論点1ー1:自家消費比率の水準(案)
「現行の住宅用太陽光発電では、自家消費比率を30%(余剰売電比率70%)と設定している」
※出力は5kWと仮定。
とされています。
これは「ソーラーパネルで発電時している際中の家庭内での総使用電力量が、総発電量に対しての30%程度である」と言う事を示していると考えられます。頑張っても30%までしか電力を使えないので残りの70%を売電に回す、と言う事ですよね。
このページでは「売電率は50%に設定している根拠」として、「5kWの太陽光発電は、太陽光発電で発電した電気の半分で家庭の電気を賄える」とされていますが、以下環境省の資料によると
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2017/result3/detail1/index.html
・世帯当たりの電力使用量は4,322kWh(年)
とされています。
この記事では5kWの太陽光発電での年間発電量は6,153kWhとしていますが、「5kWの太陽光発電は、太陽光発電で発電した電気の半分で家庭の電気を賄える」事にはなりません。
では6,153kWh-4,322kWh=1,831kWh(29.7%)が売電に回るのかと言うとそうではないですよね?
50%の買電比率と言うより、重要なのは50%の自家使用比率かと思いますが、これはどのような根拠から導き出された数値なのか、ご教示ください。
コメントありがとうございます。
記載されているように自家使用比率が重要になりますが、コロナ禍で在宅による昼間の使用電力が増えていることも加味して、5kWの太陽光発電だとおよそ50%の自家使用比率としております。もちろん各ご家庭ごとに使用電力(昼間の使用電力量)が異なりますので、細かく確認しようとすれば各ご家庭の各月の使用電力を見て算出する必要があります。ご参考用として確認してもらえれば幸いです。