※2021年7月23日更新
2030年や2050年に向けて太陽光発電の今後がどのようになっていくのか教えてもらえないでしょうか。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・太陽光発電の今後について
・世界で何が起こっているのか
・日本で進み始めた脱炭素の政策
・環境価値という新しい考え方
・太陽光発電の価格や経済性はどうなっていくのか
・0円太陽光発電の普及
✅本記事の信頼性
✔太陽電池メーカーに10年勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販100棟(1年継続中)
✔太陽光発電に関連するブログ記事は100記事
今後の太陽光発電市場がどのようになっていくのか、今から太陽光発電を設置するのは経済的にメリットがあるのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、世界や日本で起こっているクリーンエネルギーに向けた取り組みや太陽光発電の将来性について理解できるようになります。
太陽光発電の今後について
それでは、太陽光発電の今後について早速結論からお伝えします。
太陽光発電の今後は、明るい未来が待っています。
✅太陽光発電の今後が明るい理由
・世界的に脱炭素が共通テーマになったため
・日本でも脱炭素に向けた政策が本格化してきているため
・「環境価値」が新しいビジネスを生むため
・太陽光発電の初期費用が安くて経済性があるため
・0円太陽光発電で初期費用なしで設置ができるため
いきなりこれだけ聞いても、本当に太陽光発電の将来が明るいのかどうかわからないと思いますので、後ほど1つずつ解説していきます。
ただ、普段生活している中でも「脱炭素」や「再生可能エネルギー」、「太陽光発電」という言葉を目にしたり耳にすることが増えていませんか?
日経新聞を見ている方であれば毎日と言っても過言ではないくらい、目にすることが多いキーワードになっていることを実感できるはずです。
それだけ再生可能エネルギーや太陽光発電は注目度が高いことが言えます。
世界で何が起こっているのか
まず、世界でどんなことが起こっているのかを見ていきましょう。
2020年のアメリカ大統領選挙で、バイデン大統領が誕生してから世界的に「脱炭素」の動きが一気に加速しました。
トランプ政権だったときは、グローバルリーダーであるアメリカが「脱炭素」とは真逆の政策を進めていたため、脱炭素に向けた本格的な動きには至っておりませんでした。
主要国の脱炭素の目標を見てみましょう。
ガソリン車販売 | 温暖化ガスの排出量削減目標 | |
アメリカ | 2035年までにガソリン車新車販売を禁止 (※カリフォルニア州で) | 2030年に2005年対比50-52%減らす 2050年に実質0を目指す |
中国 | 2035年までにガソリン車新車販売を禁止 | 2060年に実質0を目指す |
EU | 2035年に実質販売禁止 | 2030年に1990年対比55%減らす 2050年に実質0を目指す |
イギリス | 2030年までにガソリン車新車販売を禁止 | 2030年に1990年対比68%減らす 2050年に実質0を目指す |
なんで急に脱炭素に向けて世界が動き始めたの?
もともとは、1997年の京都議定書から脱炭素社会に向けて活動が始まりました。
各国が2050年までにCO2排出を実質0にする理由には、地球の平均気温の上昇が産業革命前と比べて2℃を超えると、人間への健康被害や自然災害、経済的な打撃が生じることが国際的な調査でわかったためです。
トランプ大統領はCO2削減に否定的だったため、なかなかグローバルで脱炭素に向けた活動が前向きに進みませんでしたが、バイデン大統領に代わって、各国が共通認識として脱炭素を目指すことになりました。
地球存続のために、世界が1つになって脱炭素やクリーンな社会を目指しているということです。
日本で進み始めた脱炭素の政策
次に、日本の脱炭素政策について見ていきましょう。
まずは、世界の主要国と同じようにガソリン車販売と温暖化ガスの排出量削減目標を見ていきます。
ガソリン車販売 | 温暖化ガスの排出量削減目標 | |
日本 | 2035年までに乗用車の新車は全て電動車にする 2040年にはトラックなどの小型商用車も全て電動車にする | 2030年に2013年対比46%減らす 2050年に実質0を目指す |
日本も各国が2030年や2050年の二酸化炭素排出削減や脱ガソリン車の目標が出されたこともあって、遅れながら目標設定をしました。
日本の自動車産業では、他国と比べても国内でのHV(ハイブリッド)車の販売台数も多く、脱炭素に向けても着々と進めてきた国ではあります。
ただし、ここ数年でHV車ではなくEV(電気自動)車を普及させる声が世界的に盛り上がってきており日本の自動車メーカーも方針転換を余儀なくされている実情です。
日本が脱炭素に向けて積極的な方針を取り始めた理由は何なの?
基本的には、グローバル的に脱炭素がテーマになってきていることが理由になります。
特に、アメリカがバイデン大統領に代わって環境政策を強く打ち出していることも日本にとっては大きな要因になります。
ただ、民間企業は脱炭素が進むことでもう一歩踏み込んで脱炭素を意識しなければいけない理由が出てきました。
✅脱炭素に動き始めた理由
・炭素税がかかる、もしくは税率が上がる可能性があるから
・機関投資家が関心を寄せているから
・消費者の意識が変わってきているから
環境政策を行っているかどうかでビジネスにも支障が出てくるようになりました。
つまり、脱炭素が単純に環境貢献をしているという宣伝効果ではなく、ビジネスを行う上で投資家や消費者が環境政策を行っている企業なのかを取引や消費の観点で見るように変わったのです。
これからの時代は、脱炭素に関わらない企業は淘汰されるといっても過言ではない状況になります。
環境価値という新しい考え方
次に、脱炭素に向けた活動が本格化する中で環境価値という新しい考え方が生まれてきております。
太陽光発電を例に環境価値の内容を見ていきましょう。
二酸化炭素排出をしていないクリーンなエネルギーは環境価値として計算される時代がきております。
脱炭素に向けて、国から企業に対しても二酸化炭素排出削減の目標が課されており、企業もさまざまな取り組みをしております。
✅脱炭素に向けた企業の取り組み
・自社建物の屋根に太陽光発電を設置する
・省エネ性能の高い機器(LED、機械)に買い替える
・環境価値を購入して、見なしで脱炭素を目指す
大企業を中心に国から毎年のように二酸化炭素排出削減目標が設定されており、まずは省エネ機器への買換えを行い、太陽光発電を設置してクリーンなエネルギーを使ったりしています。
ただ、再生可能エネルギーの絶対数が少ないので二酸化炭素排出枠を購入する動きが出てきております。
太陽光発電で作られる電気の価値が高まっているということです。
実際に、伊藤忠商事の蓄電池「スマートスター3」では自宅で使った電気量がアマゾンや楽天、Tポイントに換算できるシステムが出てきております。
詳しく知りたい方は、スマートスターの記事を覗いてみてください。
クリーンで作られる電気の価値が見直しされており、電気代が高くなってでもクリーンな電気を購入する時代に変わってきています。
太陽光発電の価格や経済性はどうなっていくのか
次に、太陽光発電の価格や経済性がどうなのかを見ていきましょう。
グローバル・日本で脱炭素に向けて進んでいるとはいえ、太陽光発電を設置するメリットがなければ設置はしませんよね。
ただ、太陽光発電は既に儲かる商材になっているんです。
なかなか信じてもらえないかと思いますが、住宅用太陽光発電(2kW~10kW)で初期費用の回収にかかる期間は、7年~9年くらいが相場になっております。
それぞれ2kW~10kWの経済効果は、下記をクリックすると詳細が理解できますので本当に7年~9年で初期費用が回収できるの?と思った方は覗いてみてください。
10年間の固定価格買取制度の元で、太陽光発電は電力会社に売電を行っておりますので制度内で初期費用は回収できるということです。
また、太陽光発電の寿命は20年以上のため残りの期間(10年~15年)はメリットでしかありません。
固定価格買取制度について詳しく知りたい方は、固定価格買取制度の概要を纏めた記事を覗いてみてください。
国が脱炭素に向けてさまざまな方針を掲げておりますが、無理やり太陽光発電を設置させようというわけではなくて、ちゃんとお客様にもメリットは十分あることを理解しておきましょう。
0円太陽光発電の普及
次に、0円太陽光発電の内容を見ていきましょう。
初期費用が10年以内で回収できるとはいえ、ある程度のまとまった初期費用がかかるためなかなか太陽光発電に手が出ない方も多くいるのは事実です。
そのようなお客様には、0円太陽光発電がオススメです。
本当に0円で太陽光発電を設置できるの?と思った方も多いと思いますが、0円で太陽光発電を設置することはできます。
ただ、0円太陽光発電と言っても種類が3つあります。
✅0円太陽光発電の種類
・屋根貸し
・リース
・PPA
この3つの中でも、PPAモデルの0円太陽光発電の普及が高まっています。
PPAの頭文字は「Power Purchase Agreement」で、電力販売契約のことです。
簡単に言うと、太陽光発電は0円で設置する代わりに電気の契約は一定期間〇〇電気に変えてほしいという内容のものになります。
詳しく知りたい方は、0円太陽光発電の3つの仕組みとメリットデメリットの記事を覗いてみてください。
ちなみに、2021年4月17日に小泉環境相が住宅太陽光発電設置の義務化を視野に入れている記事があります。
現実的には、設置自体ができない屋根もあるのでもう少し内容精査する必要がありますが、方向性として太陽光発電の義務化も視野に入ってきていることを頭の片隅に入れておいても良いでしょう。
本当に住宅用太陽光発電の義務化が起これば、初期費用をかけていられない方は0円太陽光発電で設置をしていくことが考えられます。
太陽光発電を設置することは長い目線でメリットであることは間違いありませんので、ご自身にあった形で今のうちから太陽光発電の設置を検討してみましょう。
まとめ
今回は、太陽光発電の今後についてお伝えしました。
改めて、太陽光発電の今後が明るくなる理由を見ておきましょう。
✅太陽光発電の今後が明るい理由
・世界的に脱炭素が共通テーマになったため
・日本でも脱炭素に向けた政策が本格化してきているため
・「環境価値」が新しいビジネスを生むため
・太陽光発電の初期費用が安くて経済性があるため
・0円太陽光発電で初期費用なしで設置ができるため
太陽光発電がこれからの時代で必要不可欠であることは、世界の動きや日本の政策の内容から理解いただけたと思います。
国の政策や補助金も活用しながら、まずは2030年の脱炭素に向けて太陽光発電の普及率を上げていかなければ目標達成は難しい状況です。
すべてのご家庭で太陽光発電を設置する日も遠くないはずです。
一人一人の意識を変えて、脱炭素を目指して持続的な社会を実現していきましょう。
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