※2022年12月17日更新

京セラの蓄電池のメリットデメリットを教えていただけないでしょうか。どんな人にオススメな蓄電池なのかも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・京セラ蓄電池の基本スペック
・2つのメリット
・2つのデメリット
・こんな方には、京セラ蓄電池がオススメ
・京セラ蓄電池の経済効果(節電効果)
・京セラ蓄電池の相場コスト
✅本記事の信頼性

✔太陽光発電メーカーに10年間勤務(現役)
✔本業で、蓄電池を販売中
✔複数の蓄電池の情報収集、比較検証済み
京セラ製と聞けば、なんとなく性能が良い蓄電池というイメージがある方もいると思いますが、具体的にメリットデメリットが何なのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、京セラ製蓄電池の基本スペックやメリットデメリット、相場価格や経済効果について理解できるようになります。
京セラ蓄電池の基本スペック

それでは、京セラ製蓄電池の基本スペックを見ていきましょう。
蓄電池メーカー | 京セラ | 京セラ |
蓄電池のタイプ | 特定負荷の単機能蓄電池 | 特定負荷の単機能蓄電池 |
蓄電池容量 | 3.2kWh | 12.0kWh |
蓄電池併設 | ✕ | ✕ |
サイクル数 | 4,000サイクル | 非公開 |
1日サイクル数 | 1サイクル | 1サイクル |
保証年数 | 10年 | 15年 |
自然災害補償 | 10年 | 10年 |
塩害対応 | ✕ | ✕ |
停電時の定格出力 | 1.5kVA | 2.0kVA |
蓄電池動作温度範囲 | -10℃~40℃ | -20℃~40℃ |
設置場所 | 屋内/屋外 | 屋外 |
外形寸法(mm) (幅×奥行き×高さ) | 550×275×760 | 1,060×300×1,250 |
蓄電池1台の重さ | 52.5kg | 226kg |
3.2kWh蓄電池

12kWh蓄電池


3.2kWh蓄電池も12kWh蓄電池も、昔から販売されていてどちらかというと古い蓄電池です。
正直に言うと、蓄電池は最新機種の方が「性能が良く」「コストも安い」という特徴があるので、京セラ製蓄電池を探されている方は、2021年に販売開始した「5kWh蓄電池(エネレッツァ)」をオススメします。
また、3.2kWhと12.0kWhの蓄電池(5kWhのエネレッツァ含めて)は、いずれも単機能型蓄電池になります。
つまり、既に太陽光発電システムが設置されている方向けの蓄電池ということです。

太陽光発電と蓄電池を一緒に購入検討されている方は、「ハイブリッド蓄電池」からベストな蓄電池を探すようにしましょう。
蓄電池の選び方の記事を見て、どんな蓄電池が自分にあった蓄電池なのか確認しましょう。
京セラ蓄電池の2つのメリット

次に、京セラ蓄電池「大容量タイプ12.0kWh」と「小型スタンダードタイプ3.2kWh」のメリットを見ていきましょう。
✅メリット
3.2kWh ⇒ エネファームの電気を貯められる
12kWh ⇒ 寒冷地エリアに設置ができる
①3.2kWh蓄電池メリット:エネファームの電気を貯められる
3.2kWh蓄電池のメリットは、エネファームの電気を貯められる点です。

エネファームからの電気を貯められる蓄電池は、ほとんどありません。
エネファームから常時700Wの電気が作り続けられ、その電気は家庭内の電気機器に供給されます。
それでも余った場合は、蓄電池に貯めることができるということです。


太陽光発電で発電した電気は、全て余ってしまうってこと?
天候やどれくらい家で電気を使うかにもよりますが、確かに太陽光発電で発電した電気は売電されるケースが多いです。
太陽光発電+エネファーム+蓄電池を使った1日の電気の流れを下絵でイメージしてみましょう。

イメージとしては、太陽光発電とエネファームと蓄電池があれば電気の自給自足ができてしまうということです。
もちろん、エネファームで作られる電気はガス代がかかっているので、ガス代は少し高くなることが予想されます。

エネファーム+太陽光発電+蓄電池の具体的な経済メリットは、ガス会社に聞くのが一番早い方法です。
①12kWh蓄電池メリット:寒冷地エリアに設置ができる
12kWh蓄電池のメリットは、寒冷地エリアに設置ができる点です。
寒冷地で設置できる蓄電池も限られております。
北海道や東北、北陸、山間部のような-10度以下のエリアでも安心して蓄電池を動かせます。

寒冷地に寒冷地仕様ではない蓄電池が設置されて、「蓄電池が動かない!」というクレームもけっこうあります。。
蓄電池が動かないというのは、「充電ができなくなった」とか「放電ができなくなった」、「満充電ができない」などの現象が起こるということです。
特に、蓄電池容量が10kWh以上で寒冷地に設置できる蓄電池は限られております。
寒冷地エリアに設置できる他蓄電池は、「寒冷地エリア対応の蓄電池のまとめ記事」を覗いてみてください。
京セラ蓄電池の2つのデメリット

次に、京セラ蓄電池「大容量タイプ12.0kWh」と「小型スタンダードタイプ3.2kWh」のデメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
・充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない
・停電時の手動切替対応の手間
デメリットは、3.2kWhも12kWhも共通のデメリットになります。
デメリット①:充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない
1つ目のデメリットが、充放電容量が小さく特定負荷にしか電気が使えない点です。
停電時の太陽光発電からの充電は、MAX1.5kWしか貯められません。

12.0kWh蓄電池は容量が大きいことは良い点でもあるのですが、充電に時間がかかってしまうことは欠点です。
蓄電池に5kWhたまっている場合でも、満充電には4.66時間(7.0kWh÷1.5kW)かかります。
また、蓄電池容量が大きいので200V機器にも使えそうですが、特定負荷分電盤に繋がっている100V機器にしか電気を供給できません。


停電時を想定して、あらかじめどの家電製品に電気を送れるようにするか配線しないといけないのね?

そうですね。特定負荷は、全負荷とは違って一部の電気機器にしか停電時は電気を送れません。
ただ、停電時の無駄使いをすることがないというメリットにもなります。
具体的に1.5kW~2.0kWの放電ができるので、下記のような電気機器を特定負荷機器に選定しておけば一度に使うことができます。(全て合わせて1.06kWh)

停電時は、必要最低限の生活はできますが停電時を想定したイメージは持っておくようにしましょう。
デメリット②:停電時の手動切替対応の手間
2つ目が、停電時のパワーコンディショナの手動切替が必要な点です。
停電時に太陽光発電から蓄電池への充電を行う際は、手動でパワーコンディショナの自立運転モードに切り替えが必要になります。

切替は自動じゃないの?

新しい蓄電池であれば自動切替できる蓄電池が多いですが、3.2kWhと12kWh蓄電池は古い蓄電池のため手動切替の手間があります。
具体的には、太陽光発電からの電気を充電をするにはパワーコンディショナのモード設定を「連携運転モード」から「自立運転モード」へ切り替えが必要です。
いざ停電が発生した際に手動切替方法がわからなかったというお客様の声もありますので、事前に切替方法は確認しておきましょう。

どこに確認すればいいの?

パワーコンディショナの機種ごとに操作方法は異なるため、元々の太陽光発電システムを購入された販売店に確認するか、新たに蓄電池を購入する販売店に確認してもらいましょう。
購入時に、パワーコンディショナの取扱説明書をお持ちの方は、取扱説明書にも操作方法はあります。
手動切替が手間に感じる形は、最初から自動切替の蓄電池を選ぶようにしましょう。
ちなみに、京セラ最新蓄電池の「エネレッツァ」は自動切替ができます。
こんな方には、京セラ蓄電池がオススメ

次に、京セラ蓄電池がどんな人にオススメなのか見ていきましょう。
✅こんな方には、京セラ蓄電池がオススメ
・既に太陽光発電を設置済の方
・エネファームを設置済の方
単機能型蓄電池になるので、必然的に既に太陽光発電を設置されている方向けの蓄電池になります。

何回もしつこいですが、太陽光発電と蓄電池を購入予定の方はハイブリッド蓄電池を選びましょう。
また、京セラ蓄電池の最大の特徴は3.2kWh蓄電池がエネファームと連携できる点のため、エネファームを設置されている方にオススメになります。
正直なところ、機能面や性能面を見ると他蓄電池の方がオススメ度は高いです。
京セラ蓄電池の経済効果(節電効果)

次に、京セラ蓄電池の経済効果(節電効果)を見ていきましょう。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元に経済効果の計算をしております。

経済効果の算出方法は、蓄電池が実際に充放電可能な実効容量をベースとし、1日1サイクルを保証年数の間で節電できる金額を算出してます。
蓄電池容量 | 3.2kWh | 12.0kWh |
1日当たりの節電電気量 | 2.7kWh | 10.3kWh |
スマートライトプランの日中電気単価 | 32.07円/kWh | 32.07円/kWh |
1日当たりの節電金額 | 86円 | 330円 |
10年間の節電金額 | 313,900円 | 1,806,750円 |
✅1日当たりの節電金額の計算方法(3.2kWh蓄電池の場合)
1日当たりの節電電気量:実効容量2.7kWh×1サイクル分
日中電気単価:(25.80円/kWh+3.36円/kWh)×消費税
※3.36円/kWhは、再生可能エネルギー発電促進賦課金
昼間の太陽光発電からの充電分:2.7kWh×32.076円/kWh
電力会社から購入しなくても良かった電気量=節電金額 ⇒86円/日
昼間に蓄電池に貯めた電気量分だけが節電金額になります。
考慮できていない点は、下記3点です。
- 毎年の電気料金の変動分
- 蓄電池の実効容量の減少分
- 太陽光発電の売電利益分

設置されている太陽光発電の容量によっても、経済効果は大きく変わってきますが、あくまでも蓄電池単体で節電できる金額として参考にしてみてください。
単純計算で、3.2kWh蓄電池の場合は導入による10年間の節電金額は313,900円となります。
京セラ蓄電池の相場コスト

次に、京セラ蓄電池の相場コストを見ていきましょう。

京セラ蓄電池は、全体的に他蓄電池と比べても少し高めの相場価格になります。
蓄電池本体と工事費の合計の相場価格は、下記のようになります。
✅3.2kWh蓄電池と12kWh蓄電池の相場価格
3.2kWh蓄電池 ⇒ 1,000,000円
12kWh蓄電池 ⇒ 2,500,000円

1,000,000円以上のお金を出せるわけないじゃない。。。
そうですね。蓄電池自体が安いものではないので経済効果を出すには、やはり初期費用をいかに安く仕入れられるかによります。
ただ、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
※あまり悪用しないように、こっそりと実践してみてください。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する

太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
また、蓄電池を購入する際は「各都道府県の補助金」を積極的に活用して購入すれば更に安く蓄電池を手に入れることができます。
まとめ

今回は、京セラ製蓄電池についてお伝えしました。
改めて、メリットとデメリットを見ておきましょう。
✅メリット
3.2kWh ⇒ エネファームの電気を貯められる
12kWh ⇒ 寒冷地エリアに設置ができる
✅デメリット
・充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない
・停電時の手動切替対応の手間

京セラはアフターサービスが充実しているので、何かトラブルがあったとしても対応力や対応スピードは他蓄電池よりも良いです。
蓄電池は高額な商品になりますが、最近では「電気代高騰」や「自然災害」が多く発生しており、太陽光発電+蓄電池の需要が伸びております。
ここ数年で電気代の高騰が続いておりますが、京セラ蓄電池があれば電気の自給自足ができて節電にも大きく貢献してくれます。
ちなみに、ロシアウクライナ情勢もあり、2023年4月から更に電気代が高騰していくと言われております。

太陽光発電+蓄電池があれば、災害(停電)と電気代の両方の対策が取れます。
訪問販売業者はかなり高額で蓄電池を提案されているケースもあるため、適正価格で蓄電池を購入すれば長期的に見れば経済的にもお得です。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
ベストな蓄電池を設置して、快適な生活を手に入れましょう。
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