※2022年12月16日更新
「蓄電池と言えばニチコン」と聞いたことがあるのですが、他の蓄電池と比べてニチコン蓄電池は何が良いのか教えていただけないでしょうか?
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の基本スペック
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の4つのメリット
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の1つのデメリット
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の2つの運転モード
・こんな方には、ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池がオススメ
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の節電効果
・ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の相場コスト
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに10年間勤務(現役)
✔本業で、蓄電池を販売中
✔複数の蓄電池の情報収集、比較検証済み
蓄電池の検討において、ニチコン蓄電池を耳にしたことがある人もいると思いますが、どんな特徴のある蓄電池なのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の基本スペックやメリットデメリット、相場コストや経済効果が理解できるようになります。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の基本スペック
まずは、基本スペックから見ていきましょう。
蓄電池メーカー | ニチコン |
蓄電池のタイプ | 全負荷対応のハイブリッド型蓄電池 |
蓄電池容量 | 12.0kWh |
蓄電池併設 | ✕ |
サイクル数 | 非公開 |
1日サイクル数 | 1サイクル |
保証年数 | 15年 |
自然災害補償 | 10年 |
塩害対応 | ✕ |
停電時の定格出力 | 5.9kVA |
蓄電池動作温度範囲 | -20℃~40℃ |
設置場所 | 屋外 |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 1,060mm×300mm×1,250mm |
蓄電池1台の重さ | 257kg |
一言でいうと、停電時でも安心して生活ができる蓄電池です。
理由としては、下記2点あります。
✅停電時に安心して生活できる理由
・蓄電容量が12kWhと大容量なため
・停電時の定格出力が5.9kWhと大きく、停電時の充電速度が速いため
家庭用蓄電池の蓄電容量は、5kWh~10kWhが多いです。
停電時に多くの電気が使えるため、停電時に電気で困ることがなく高いスペックになっております。
そもそも、ニチコンってどういう会社なの?
蓄電池メーカーの中では老舗で、品質の良い蓄電池を販売をしている蓄電池専用メーカーです。
ニチコンは、2021年の家庭用蓄電池の累計販売台数が国内№1のメーカーです。
2021年家庭用蓄電池の販売ランキングを確認したい方は、「2021年蓄電池ランキング」の記事を覗いてみてください。
今回ご紹介する「全負荷対応のハイブリッド蓄電池12kWh」以外にも多くの商品ラインナップを持っているメーカーでもあります。
電気自動車と家で電気の行き来を可能にする「EVパワーステーション」。
電気自動車から電気を取り出して持ち運びができるケース「パワームーバー」。
V2Hスタンドと蓄電池と太陽光発電を組み合わせた「トライブリッド蓄電システム」があります。
蓄電池だけではなく、さまざまな関連商品を開発できる高い技術力を持っているのがニチコンの最大の特徴です。
気になる商品があれば、覗いてみてください。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の4つのメリット
ニチコン製の全負荷ハイブリッド蓄電池の4つのメリットを見ていきましょう。
✅メリット
・停電時の定格出力が大きい
・寒冷地でも使用できる
・気象警報に対応できる
・いろいろな機器と接続できる
メリット①:停電時の定格出力が大きい
1つ目が、停電時の定格出力が大きい点です。
停電時の電気の流れを示した下図を見てみましょう。
停電時に太陽光発電からの充電と蓄電池からの放電が、5.9kW(5.9KVA)になっているのがわかると思います。
5.9kWの充放電は、家庭用蓄電池の中でトップです。
一般的な充放電容量は、特定負荷の蓄電池であれば1.5kWh~2kWh、全負荷の蓄電池でも3kWh~5kWhが多いです。
5.9kWが蓄電池の中では大きい出力というのはわかったけど、実際に5.9kWの電気で停電時にどんな生活が送れるの?
例えば、下絵の8つの電化製品を同時に使うことができます。
この8つの電化製品を1時間使い続けた消費電力の合計は、4,700Wh(4.7kWh)です。
ニチコンハイブリッド蓄電池は、5.9kWhの充放電ができるので一度に使えるということになります。
ただ、電子レンジを1時間使い続けることは現実的ではないので、実際に1日の電気の使い方は下図のようなイメージをしてもらえればと思います。
停電時に下記の電気機器を1日使う場合としたら、ニチコン12kWh蓄電池であれば2日間はもちます。
停電時に太陽光発電で電気が賄えなくても2日間使い続けられるのは、大きなメリットになります。
万が一、停電が2日以上続いた場合でも、太陽が照っていれば、一度に5.9kWの電気を充電できるので充電するスピードも速いです。
つまり、5.9kW×2時間(2h)で11.8kWh貯められます。
太陽光発電で5.9kW発電するのは簡単なの?
太陽光発電で5.9kWの発電をさせる場合には、およそ7kW~8kW程度の太陽光発電を設置するのが理想です。
ご自宅に7kWの太陽光発電が設置できるかどうかは、実際に見積を取ってみるしかわからないのですが7kW~8kW設置するために必要な目安の屋根面積は、45㎡~55㎡になります。
屋根面積について詳細確認したい場合は、「家庭用太陽光発電の設置に必要な屋根面積」の記事を覗いてみてください。
少し話が脱線しましたが、7kW~8kWの太陽光発電が設置できる方であればニチコンハイブリッド蓄電池とセットで購入すれば、停電時でも安心して生活できます。
ご自宅の屋根に何kW乗せられるのか知りたい方は、下記サイトから見積依頼をしてみましょう。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
メリット②:寒冷地でも使用できる
2つ目が、寒冷地でも使用できる点です。
-20度~40度で蓄電池は動きますので、北海道、東北、北陸のような寒冷地でも設置が可能です。
寒冷地で設置できる蓄電池は限られております。
寒冷地に寒冷地仕様ではない蓄電池を設置してしまうと、充放電が出来ずに蓄電池が止まったり、寿命を縮めてしまう要因になります。
蓄電池を購入した後に、寒冷地仕様ではなくて焦ってしまうケースも多々見ておりますので、寒冷地にお住まいの方は寒冷地仕様の蓄電池の中から選ぶようにしましょう。
メリット③:気象警報に対応できる
3つ目が、気象警報に対応できる点です。
気象警報が出ると、その情報を察知して蓄電池に充電するように指示が出ます。
災害が起こる前に、自動で充電してくれるのは助かるわね。
いざ、停電になったときに蓄電池の容量がなかったら困りますからね。
蓄電池は、元々災害対策用に設置される方が多かったのですが、最近では電気代高騰を続けていることもあり「節電対策」として停電時ではなく平常時も蓄電池を動かすケースが増えております。
気象警報の機能があれば平常時でも安心して使うことができます。
しかも、この機能は無料で使えるのでお客様の満足度も高い機能です。
メリット④:いろいろな機器と接続できる
4つ目が、いろいろな機器と接続できる点です。
✅接続できる機器
・V2H
・エコキュート
・エネファーム
エコキュートもエネファームもV2Hも接続できない蓄電池の方が多いです。
電化住宅でも電気ガス併用の住宅でも、使いやすい蓄電池になっております。
また、最近ではガソリン車から電気自動車(EV車)へのシフトが加速しており、電気自動車と家を繋ぐV2Hも商品として持っているニチコンは、幅広く機器のカスタマイズが可能です。
今後は、ますますニチコン製品の需要が高まる可能性を秘めております。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の1つのデメリット
ニチコン製の全負荷ハイブリッド蓄電池の1つのデメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
・コストは少し高め
デメリット①:コストは少し高め
唯一のデメリットは、コストが高めな点です。
そもそも全負荷対応のハイブリッド蓄電池は、他蓄電池のタイプと比べてもハイスペックになるので、コストは高めになります。
12kWhの蓄電池で容量も大きいので、コストアップにはなってしまいます。
性能が良くてもコストが高いなら、実際はなかなか手が出ないわよ。。
初期コストを確実に抑える方法を「相場コスト」でお伝えしますので、もう少しお付き合いください。
初期費用を抑えることができれば、停電時に安心して生活ができる数少ない蓄電池で「節電対策」としてもオススメな蓄電池です。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の2つの運転モード
ニチコン全負荷対応のハイブリッド蓄電池の運転モードを2つ紹介します。
✅運転モード
・グリーンモード
・経済モード
結論を言うとオススメなのは、グリーンモードになります。
理由は、節電効果が高いからです。
2022年現在では、電気料金単価は30円/kWh程度まで上昇をしており、逆に売電単価は17円/kWhまで下がってきています。
つまり、電力会社の電気単価が高騰しており、逆に太陽光発電の売電単価が下落しているので太陽光発電で作った電気は「売電する」より「蓄電池に貯めて使う」方が経済的になります。
グリーンモード
✅グリーンモード
太陽光発電で発電した電気を蓄電池に充電して、夜間に放電するモード
今の時代では、このグリーンモードが経済的になります。
電力会社から極力電気を買わないことが儲かるコツです。
経済モード
✅経済モード
深夜電力を蓄電池に貯めて、朝方や夕方に放電。
※昼間の太陽光発電の電気は売電を優先
電力会社からの電気料金プランを「オール電化プラン」にすると、深夜電力が安いプランになります。
蓄電池を購入する方は、電気料金プランの見直しをしましょう。
2022年度の売電単価は17円/kWhなので、深夜の電気単価が仮に17円/kWhよりも高い場合は経済モードはメリットが全くないことになります。
太陽光発電は安く売って、電力会社の高い電気を買うことになるのね。。
いずれにしても、太陽光発電のクリーンな電気(0円/kWh)を蓄電池に貯めて有効活用することが大事です。
こんな方には、ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池がオススメ
次に、どんな方にニチコン製12kWh蓄電池はオススメなのかを見ていきましょう。
✅こんな方は、購入することをオススメ
・エコキュート、エネファームをお持ちの方で停電時にも使いたい方
・停電時に安心した生活を過ごしたい方
停電時の出力が大きいのが他蓄電池とは異なるメリットなので、停電時でも消費電力の大きなエコキュートやエネファームなどを使用したい方にはオススメです。
ただ、この蓄電池の良さを活かすためには太陽光発電も少なくとも4kW以上の設置はしておきたいところです。
太陽光発電があまり設置できない方には、オススメできません。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の節電効果
次に、ニチコン製12kWh蓄電池を購入した場合にどれくらいの経済効果が得られるのかを見ていきましょう。
結論から言うと、15年間で1,985,973円相当の経済効果が得られます。
15年間で経済効果を出している理由は、ニチコン製12kWh蓄電池の保証年数が15年間のためです。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電を設置済み
・東京都在住
・共働き世帯で、夜間に電気を多く使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・卒FITで新たにニチコン製12kWh蓄電池を購入
・卒FIT後の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%
4kWの太陽光発電を設置済みでFIT期間の10年間を終えて、新たにニチコン製12kWh蓄電池を購入した場合の11年目~25年目の経済効果は下記のようになります。
棒グラフの赤色が太陽光発電+蓄電池の節電額になります。
太陽光発電+ニチコン製12kWh蓄電池で、節電できる15年間の目安金額が1,985,973円ということです。
10年間のFIT売電期間が終了すると安い売電単価(今回だと8.5円/kWh)でしか売電できませんが、ニチコン製12kWh蓄電池を購入することで、電力会社から高い価格(約30円/kWh)で電気を買わなくて済むようになります。
逆に、太陽光発電とニチコン製12kWh蓄電池がなければ15年間で1,985,973円の金額を電力会社に支払うことになるということです。
蓄電池は15年使い続けた後でも使い続けられるの?
蓄電池の寿命は、設置場所や設置環境に左右されますが15年以上使い続けることも可能です。
つまり、15年以上使い続けられれば経済的メリット(電力会社に払わなくても済む金額)も増えていくということです。
ニチコン製の全負荷型ハイブリッド蓄電池の相場コスト
次に、ニチコンハイブリッド蓄電池の相場コストを見ていきましょう。
蓄電池本体+工事費の相場コストは、およそ200万~250万です。
先ほどの経済効果シミュレーションと見比べると15年以上使えばニチコン製12kWh蓄電池の費用は回収できることになります。
いきなり200万円以上のお金は払えないからローンを組んだらどうなるのか教えてくれない?
実際に、蓄電池を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
✅ローンのシミュレーション条件
・ニチコン製12kWh蓄電池を購入
・購入金額は2,500,000円
・頭金なし
・ボーナス支払いなし
・支払い年数は10年(120ヶ月)
・ローン年率2.45%
仮に2,500,000円でニチコン製12kWh蓄電池を購入する場合は、実質13,901円/月(10年間)を支払えば手に入れることができます。
もちろん、初期費用を2,500,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。
この記事を見ていただいている方だけに、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
※あまり悪用しないように、こっそりと実践してみてください。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する
太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
別に今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、無料見積しておきましょう。
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また、蓄電池を購入する際は「各都道府県の補助金」を積極的に活用して購入すれば更に安く蓄電池を手に入れることができます。
まとめ
今回は、ニチコン製の全負荷ハイブリッド蓄電池を紹介しました。
改めて、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
✅メリット
・停電時の定格出力が高い
・寒冷地でも使用できる
・気象警報に対応できる
・いろいろな機器と接続できる
✅デメリット
・コストは少し高め
今後は、脱炭素社会が進んで「電化」の時代を迎えます。蓄電池が一家に一台の時代も遠くないと言われております。
また、蓄電池は災害(停電)対策はもちろんできますが、最近は電気代高騰が続いており電気代の節約にも活用が進んでおります。
ロシアウクライナ情勢もあり、2023年4月から更に電気代が高騰していくと言われております。
太陽光発電+蓄電池があれば、災害(停電)と電気代の両方の対策が取れます。
訪問販売業者はかなり高額で蓄電池を提案されているケースもあるため、適正価格で蓄電池を購入すれば長期的に見れば経済的にもお得です。
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ベストな蓄電池を設置して、快適な生活を手に入れましょう。
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