【製品解説】オムロン製の単機能蓄電池とは、こんな蓄電池

蓄電池

※2022年12月8日更新

お客さん
お客さん

オムロン製の単機能蓄電池の基本スペックやメリットデメリット、どんな人向けの蓄電池なのか教えていただけないでしょうか。

こんなお悩みにお答えします。

✅本記事の内容

・オムロン製の単機能蓄電池の基本スペック

・4つのメリット

・2つのデメリット

・3つの運転モード

こんな方には、オムロン製の単機能蓄電池がオススメ

・節電効果

・相場コスト

✅本記事の信頼性

スポンジ
スポンジ

✔太陽光発電メーカーに10年間勤務(現役

✔本業で、蓄電池を販売中

✔複数の蓄電池の情報収集、比較検証済み

蓄電池の数が多くて、どの蓄電池が良いのかわかりにくいですよね。

この記事を見てもらえれば、オムロン製の単機能蓄電池の基本スペックやメリットデメリット、相場価格や経済的メリットがあるのかどうかが理解できるようになります。

オムロン製の単機能蓄電池の基本スペック

spec-of-omron-single-funcion-storage-battery

まずは、基本スペックから見ていきましょう。

オムロン単機能蓄電池の中では、「KPAC-Aシリーズ」と「KPAC-Bシリーズ」があります

全て単機能型の蓄電池になります。

スポンジ
スポンジ

KPAC-Aシリーズは古くから販売されているモデルで、KPAC-Bシリーズは2019年に発売された比較的新しい蓄電池です。

(KPAC-Aシリーズ)

オムロンカタログより抜粋
蓄電池メーカーオムロンオムロン
蓄電池のタイプ特定負荷の単機能型蓄電池特定負荷の単機能型蓄電池
蓄電池容量6.5kWh9.8kWh
蓄電池併設
サイクル数8,0008,000
1日サイクル数1サイクル1サイクル
保証年数10年10年
自然災害補償なしなし
塩害対応
停電時の定格出力2.0kVA2.0kVA
蓄電池動作温度範囲-10℃~40℃-10℃~45℃
設置場所屋外屋外
外形寸法(mm)
(幅×奥行き×高さ)
452×120×656452×228×542
蓄電池1台の重さ52kg78kg

(KPAC-Bシリーズ)

蓄電池メーカーオムロン
蓄電池のタイプ特定負荷の単機能型蓄電池
蓄電池容量4.2kWh
蓄電池併設
サイクル数無制限
1日サイクル数2サイクル
保証年数15年
自然災害補償なし
塩害対応
停電時の定格出力2.0kVA
蓄電池動作温度範囲-10℃~40℃
設置場所屋内
外形寸法(mm)
(幅×奥行き×高さ)
530×215×455
蓄電池1台の重さ62kg
スポンジ
スポンジ

既に太陽光発電を設置済のお客様向けの蓄電池になります。太陽光発電もこれから設置する予定の方は、ハイブリッド型蓄電池を選ぶようにしましょう。

ちなみに、オムロン製のハイブリッド蓄電池の記事もありますので覗いてみてください。

「KPAC-Aシリーズ」は1日1サイクルの運転が可能で昔から人気の高い蓄電池ですが、2019年5月に1日2サイクル以上の運転が可能な「KPAC-Bシリーズ」の蓄電池が発売開始しました。

オムロン製の蓄電池は、2021年の販売量で実質№1の蓄電池です。

蓄電池販売量ランキングを詳しく見たい方は、「2021年蓄電池販売ランキング」記事を覗いて見てください。

お客さん
お客さん

なんで、そんなに人気のある蓄電池なの?

オムロン単機能蓄電池は、全てコンパクトなサイズで購入しやすい価格だからです。

「蓄電池が欲しくても設置スペースがない」だったり「初期費用が高すぎて買えない」という方に受け入れやすい蓄電池ということになります。

オムロン製の単機能蓄電池の4つのメリット

merit-of-omron-single-function-storage-battery

オムロン製の単機能蓄電池のメリットを見ていきましょう。

✅KPAC-A、KPAC-B共通のメリット

・塩害地域への設置が可能

・コンパクト設計

・水没のリスク回避

✅KPAC-B特有のメリット

・充放電無制限(2サイクル以上可能)

メリット①:塩害地域への設置が可能

1つ目が、塩害地域への設置が可能な点です。

塩害対応のパワーコンディショナがあるため、海岸から500m以内の場所でも設置が可能になります。

オムロンHPより抜粋
スポンジ
スポンジ

塩害地域に、塩害非対応の蓄電池を設置してしまうと故障の原因や寿命を早めてしまうことになります。

オムロン9.8kWh蓄電池は、屋外設置用ですがコンパクトなサイズのため、屋内設置をすれば塩害地域でも使えます。

メリット②:コンパクト設計

2つ目が、コンパクト設計な点です。

まずは、KPAC-Aから見ていきましょう。

オムロンHPより抜粋

左側が6.5kWh屋内用蓄電池、右側が9.8kWh屋外用蓄電池です。

スポンジ
スポンジ

9.8kWhと大容量な蓄電池なのに、サイズはかなりコンパクトです。

続いて、KPAC-Bを見て見ましょう。

オムロンHPより抜粋

KPAC-Bの4.2kWh蓄電池は屋内設置になります。

いずれも加湿器と同じくらいの大きさなので、蓄電池の設置場所に困っている方にはオススメできる蓄電池です。

メリット③:水没のリスク回避

3つ目が、水没のリスク回避ができる点です。

当たり前ですが、蓄電池が最も活躍しなければいけない時は「災害時」になります。

2018年7月に岡山県真備町を襲った大雨洪水による災害時には、蓄電池を導入されているにも関わらず、蓄電池が水没して使えなかったという声もあります。

オムロンHPより抜粋

9.8kWh蓄電池が屋外設置になりますが、蓄電池自体が重くないため写真のように壁に設置ができます。

スポンジ
スポンジ

4.2kWhと6.5kWh蓄電池は屋内設置なので、水没リスクは低いです。

メリット④:充放電無制限(2サイクル以上可能)

4つ目が、KPAC-Bのみ充放電が無制限にできる点です。

ほとんどの蓄電池は、基本的に1日1サイクル(1充電1放電)だけ運転させます。

スポンジ
スポンジ

寿命の長い蓄電池や性能の良い蓄電池は、1日2サイクル運転させることが可能です。

1日2サイクルの蓄電池の使い方は、下記の図のようになります。

✅1日2サイクルの運転モード

・深夜の安い電気で蓄電池に充電し、朝方に放電(1サイクル)

・昼間の太陽光発電の電気を蓄電池に充電し、夜間に放電(1サイクル)

蓄電池を導入する際は、基本的に昼間と夜間の電気料金が異なる下記のようなスマートプランを選ぶ方が経済的にオススメです。

東京電力エナジーパートナーのHPより抜粋

KPAC-Bの蓄電池容量が4.2kWhなので、2サイクル運転させた場合は実質8.4kWhの電気が使えることになります。

オムロン製の単機能蓄電池の2つのデメリット

demerit-of-omron-single-function-storage-battery

オムロン製の単機能蓄電池のデメリットを見ていきましょう。

✅KPAC-A、KPAC-B共通のデメリット

・充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない

・停電時にパワーコンディショナの手動切替が必要

デメリット①:充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない

1つ目が、充放電容量が小さく停電時は特定負荷にしか電気が送られない点です。

停電時の太陽光発電から蓄電池への充電は1.5KWで、蓄電池から家庭への放電は2.0kWになります。

スポンジ
スポンジ

また、特定負荷分電盤に繋がっている機器にしか停電時は電気が送られません。

お客さん
お客さん

具体的に、停電時にどんな機器が使えるの?

具体的には、下記の機器であれば停電時でも使うことができます。

上記の機器を1時間使い続けた場合に必要な電気量は1,060Wh(1.06kWh)のため、停電時の蓄電池からの放電出力2.0kW内におさまっています。

ちなみに、特定負荷に繋いでいる機器は平常時でも使えるので安心してください。

停電時に必要最低限の生活ができればよい」という方向けの蓄電池になります。

デメリット②:停電時にパワーコンディショナの手動切替が必要

2つ目が、停電時にパワーコンディショナの手動切替が必要な点です。

パワーコンディショナを「系統連携モード」から「自立運転モード」に手動で切替をしないと太陽光発電から蓄電池に充電はできないので注意が必要になります。

オムロンHPより抜粋

切替操作が面倒くさいという方は、ハイブリッド蓄電池か自動切替のある単機能蓄電池を選ぶようにしましょう。

ちなみに、最新機種のオムロン蓄電池だと自動切替機能の単機能蓄電池があります。

詳細を確認されたい方は、オムロンマルチ蓄電プラットフォームの記事を覗いてみてください。

オムロン製の単機能蓄電池の3つの運転モード

operation-mode-of-the-omron-single-function-storage-battery

オムロン製のKPAC-Aシリーズ(6.5kWh、9.8kWh)の運転モードを見ていきましょう。

スポンジ
スポンジ

KPAC-Bの4.2kWh蓄電池も、下記3つの運転モードに加えて2サイクル運転モードがあります。

✅蓄電池の3つの運転モード

経済モード

安心モード

グリーンモード

お客さん
お客さん

正直なところ、どの運転モードがオススメなの?

結論としては、「グリーンモード」が一番経済的にオススメな運転モードになります。

理由は、下記グラフのように太陽光発電で発電した電気を売電する」よりも蓄電池に貯めてできるだけ「電力会社から電気を購入しない」生活が経済的にお得になるからです。

電力会社の電気単価が高騰しており、逆に太陽光発電の売電単価が下落しているので太陽光発電で作った電気は「売電する」より「蓄電池に貯めて使う」方が経済的になります。

経済モード

オムロンHPより抜粋

✅経済モード

・深夜の安い電気で蓄電池に充電し、朝方や夕方に放電(1サイクル)

太陽光発電の電気を売電させるモードになります。

これまでは一番経済的な運転モードでしたが、売電単価が下がった今は経済性は低くなっているので、オススメできません。

安心モード

オムロンHPより抜粋

✅安心モード

・蓄電池の残量を確保して、災害に備える(※残容量の設定は可能)

蓄電池にどれだけ電気を残すかの設定は可能なので、一部の電気は充放電ができます。

グリーンモード

オムロンHPより抜粋

✅グリーンモード

昼間の太陽光発電の電気を蓄電池に充電し、夜間に放電(1サイクル)

スポンジ
スポンジ

グリーンモードが一番オススメの運転モードです。

太陽光発電の余剰電力は、まずは自宅で使われて余った電気は蓄電池に貯めて夜間に使う電気として活用ができます。

こんな方には、オムロン製の単機能蓄電池がオススメ

those-who-want-to-recommend-the-omron-single-function-storage-battery

次に、オムロン製単機能蓄電池をオススメできる方はどんな方なのかを見ていきましょう。

✅こんな方は、オムロン製単機能蓄電池はオススメ

・既に太陽光発電を設置済で、最低限な災害対策を希望する方

・蓄電池の設置場所にお困りの方

・塩害エリアにお住まいの方

オムロン製単機能蓄電池は故障率も低いので、最低限の災害対策をしたい方で設置場所もコンパクトに収めたい方にはオススメできる蓄電池です。

スポンジ
スポンジ

単機能型蓄電池になるので、必然的に既に太陽光発電を設置されている方向けの蓄電池になります。

太陽光発電も一緒に購入される方は、単機能蓄電池ではなくハイブリッド蓄電池がオススメです。

「特定負荷のハイブリッド蓄電池」もしくは「全負荷のハイブリッド蓄電池」の記事を覗いてみてください。

オムロン製の単機能蓄電池の節電効果

economic-effect-of-the-omron-single-function-storage-battery

次に、オムロン製4.2kWh単機能蓄電池を購入した場合にどれくらいの経済効果が得られるのかを見ていきましょう。

スポンジ
スポンジ

結論から言うと、15年間で1,542,723円相当の経済効果が得られます。

15年間にしている理由は、オムロン4.2kWh蓄電池の保証年数が15年間ついているためです。

電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。

東京電力エナジーパートナー HPより抜粋

✅シミュレーション条件

・4kWの太陽光発電を設置済み

・東京都在住

共働き世帯で、夜間に電気を多く使う想定

・1ヶ月の電気使用量は400kWh

・卒FITで新たにオムロン4.2kWh単機能蓄電池を購入

・卒FIT後の売電金額は8.5円/kWh

・蓄電池は自家消費優先モード

・電気料金の上昇率は2%

4kWの太陽光発電を設置済みでFIT期間の10年間を終えて、新たにオムロン4.2kWh単機能蓄電池を購入した場合の11年目~25年目の経済効果は下記のようになります。

long-term-simulation-of-omron-single-function-storage-battery

棒グラフの赤色が太陽光発電+蓄電池の節電額になります。

スポンジ
スポンジ

太陽光発電+オムロン4.2kWh単機能で、節電できる15年間の目安金額が1,542,723円ということです。

10年間のFIT売電期間が終了すると安い売電単価(今回だと8.5円/kWh)でしか売電できませんが、オムロン4.2kWh単機能蓄電池を購入することで、電力会社から高い価格(約30円/kWh)で電気を買わなくて済むようになります。

逆に、太陽光発電と4.2kWh単機能蓄電池がなければ15年間で1,542,723円の金額を電力会社に支払うことになるということです。

お客さん
お客さん

15年使った後でも使い続けられるの?

スポンジ
スポンジ

蓄電池の寿命は、設置場所や設置環境に左右されますが15年以上使い続けることも可能です。

つまり、15年以上使い続けられれば経済的メリット(電力会社に払わなくても済む金額)も増えていくということです。

オムロン製の単機能蓄電池の相場コスト

market-price-of-the-omron-single-function-storage-battery

次に、オムロン製単機能蓄電池の相場コストを見ていきましょう。

蓄電池の相場コストは、20万円~25万円/kWhです。

スポンジ
スポンジ

つまり、4.2kWh蓄電池であれば80万~100万円ということです。

先ほどお伝えした経済効果シミュレーションと比較すれば、長期的に見れば買わないと損になります。

お客さん
お客さん

お得なのはわかったけど、いきなり100万円のお金は払えないからローンを組んだらどうなるのか教えてくれない?

実際に、蓄電池を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。

✅ローンのシミュレーション条件

・オムロン4.2kWh単機能蓄電池を購入

・購入金額は1,000,000円

・頭金なし

・ボーナス支払いなし

・支払い年数は10年(120ヶ月)

・ローン年率2.45%

loan-simulation-of-omron-single-function-storage-battery
スポンジ
スポンジ

仮に1,000,000円でオムロン4.2kW蓄電池を購入する場合は、実質1,800円/月の支払い(10年間)で分割払いする形になります。

もちろん、初期費用を1,000,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。

初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。

※あまり悪用しないように、こっそりと実践してみてください。

✅確実に安く蓄電池を買う方法

①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする

②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する

③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する

スポンジ
スポンジ

太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。

別に今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。

※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。

また、蓄電池を購入する際は「各都道府県の補助金」を積極的に活用して購入すれば更に安く蓄電池を手に入れることができます。

まとめ

summary-of-omron-single-function-storage-battery

今回は、オムロン製の単機能蓄電池(4.2kWh、6.5kWh、9.8kWh)の紹介をしました。

改めて、メリットとデメリットを見ておきましょう。

✅KPAC-A、KPAC-B共有メリット

・塩害地域への設置が可能

・コンパクト設計

・水没のリスク回避

✅KPAC-B特有のメリット

・充放電無制限(2サイクル以上可能)

✅KPAC-A、KPAC-B共有のデメリット

・充放電容量が小さく、特定負荷にしか電気は使えない

・停電時の手動切替の対応

スポンジ
スポンジ

コンパクトでコスパの良い蓄電池なので、オススメできる蓄電池です。

オムロン蓄電池は、冒頭でもお伝えしたように2021年に最も売れた蓄電池のため多くの方が購入している蓄電池であることは間違いありません。

蓄電池としての性能やスペックは問題ないので、あとはどうやって安く購入できるかがポイントです。

蓄電池は停電対策として購入される方が多いですが、最近では電気代が高騰し続けているため、「太陽光発電+蓄電池」はようやく注目を浴びてきています。

日経新聞より抜粋

災害対策も節電対策も全く気にされていない方は見積依頼はしなくて問題ないですが、少しでも気にされているなら無料なので見積依頼をしてみましょう。

訪問販売業者はかなり高額で蓄電池を提案されているケースもあるため、適正価格で蓄電池を購入すれば長期的に見れば経済的にもお得です。

※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。

ベストな蓄電池を設置して、快適な生活を手に入れましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました