※2024年4月14日更新

家庭用太陽光発電のメリットとデメリットを具体的に教えていただけないでしょうか。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・家庭用太陽光発電の5つのメリット
・家庭用太陽光発電の5つのデメリット
✅本記事の信頼性

✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販200棟(2年間継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
家庭用太陽光発電のメリットとデメリットは理解はできても、結局のところ家庭用太陽光発電は良いのか悪いのか判断が難しくないですか?
この記事を見てもらえれば、2024年現在で家庭用太陽光発電のメリットとデメリットが何なのか、そして結局設置した方が良いのかどうかが理解できるようになります。
太陽光発電の5つのメリット

まずは、家庭用太陽光発電の5つのメリットを見ていきましょう。
✅太陽光発電のメリット
・電気代の節約ができる
・売電収入が入る
・災害時(停電時)に電気が使える
・夏は涼しく、冬は暖かく快適に暮らせる
・CO2削減が環境価値としてポイント還元できる
メリット①:電気代の節約ができる
1つ目が、電気代の節約ができる点です。
太陽が出ている間は、太陽光発電は電気を作り続けます。
電力会社から電気を購入せずに太陽光発電の電気を優先的に使うため、電気代を下げることができます。

どれくらいの電気代が削減できるの?

太陽光発電の容量にもよりますが、10,000円前後/月の電気代が削減できます。
例えば、太陽光発電システムを4kW設置した場合の電気代の削減効果がどれくらいなのか見ていきます。
ちなみに、日本の屋根に設置できる平均的な太陽光発電の容量は4kW程度です。
✅発電シミュレーションの条件
太陽電池容量:4kW(400W/枚×10枚)
パワーコンディショナ変換効率:96.5%
設置場所:東京都
設置方位:真南
設置角度:4寸
電力会社からの購入電気単価:30円/kWh
電力会社へ売電する電気単価:16円/kWh(※2024年度の売電単価)
売電比率:30%

売電比率30%は、太陽光発電で発電した電気を売電される分が30%ということです。
つまり、太陽光発電で発電した電気の70%が家庭内で使われて、残り30%の電気が売電される想定でシミュレーションしています。
発電シミュレーションの結果は、下記の通りです。

4kWの太陽光発電システムの年間発電量は、4,628kWhになります。
単純計算で1ヵ月に発電する電気量は、385kWh(4,628kWh÷12ヵ月)となるので、ほぼ1ヵ月で使う電気量を発電してくれているということです。
年間の自家消費(節電)金額の合計は、97,188円になります。

仮に、昼間の電気使用量が約270kWh(385kWh×自家消費70%)としたら、昼間の電気料金は0円になります。
他の太陽電池容量の年間推定節電金額は下記の通りです。
太陽電池容量 | 年間推定発電量 | 年間推定節電金額 |
1kW | 1,388kWh | 37,476円 |
2kW | 2,461kWh | 62,478円 |
3kW | 3,702kWh | 77,742円 |
4kW | 4,628kWh | 97,188円 |
5kW | 6,479kWh | 97,185円 |
6kW | 6,942kWh | 104,130円 |
7kW | 8,331kWh | 74,979円 |
8kW | 9,256kWh | 83,304円 |
9kW | 11,107kWh | 99,963円 |
10kW | 11,570kWh | 104,130円 |
太陽光発電を設置すれば昼間の電気代は0円に出来るケースが多く、電気代が高騰している現状においては大きなメリットになります。
メリット②:売電分の収入が入る
2つ目が、売電収入が入る点です。
太陽光発電で発電した電気の中で、家庭内で使われなかった電気は全て電力会社に売電できます。

どれくらいの売電収入が見込めるの?

先程の4kWの例で改めて見ていきましょう。

年間の自家消費(節電)金額の合計は、22,214円になります。
他の太陽電池容量で、どれくらいの売電収益が見込めるのかを計算した表をご参考にしてください。
太陽電池容量 | 年間推定発電量 | 年間推定売電金額 | 売電率 |
1kW | 1,388kWh | 2,221円 | 10% |
2kW | 2,461kWh | 3,702円 | 10% |
3kW | 3,702kWh | 17,770円 | 30% |
4kW | 4,628kWh | 22,214円 | 30% |
5kW | 6,479kWh | 51,832円 | 50% |
6kW | 6,942kWh | 55,536円 | 50% |
7kW | 8,331kWh | 93,307円 | 70% |
8kW | 9,256kWh | 103,667円 | 70% |
9kW | 11,107kWh | 124,398円 | 70% |
10kW | 11,570kWh | 129,584円 | 70% |

太陽電池容量をクリックすると、それぞれの詳細を確認することができます。
家庭用太陽光発電は、節電+売電収益がかなり多く見込めるので設置をされる方が増えています。
ただ、全てのお客様の屋根に太陽光発電が設置できるとは限りません。
本業でも、多くの太陽光発電の見積依頼をいただきますが1割~2割の方は、太陽光発電の設置できない屋根であったり、屋根が小さくて乗せられないケースも多いです。
太陽光発電を設置していない方は、設置した方が経済的にお得になりますので、まずは無料なので見積依頼をして設置できる屋根かどうかを含めて確認しておきましょう。
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メリット③:災害時(停電時)に電気が使える
3つ目が、災害時(停電時)に電気が使える点です。
災害時に停電が起こった際に、太陽光発電はバックアップ電源の機能を持ちます。


停電が起こると、分電盤から電気を供給している家の全ての電気機器が使えなくなります。
ただ、昼間に太陽が照っていてパワーコンディショナの自立運転機能を使えば最大1,500Wの電気を使うことが可能です。
多くの電気機器を使うのではなくスマホの充電やテレビ、ライトに使う程度の電気になります。
ただし、夜間は太陽の光がないので電気を使うことはできません。
また、非常用のコンセントの位置がパワーコンディショナによって異なるので注意が必要です。
✅自立運転機能の非常用コンセント位置
屋内用パワーコンディショナ:パワーコンディショナの側面もしくは底面
屋外用パワーコンディショナ:自立運転専用コンセントを家のどこかに設置
屋外用パワーコンディショナは、専用コンセントまでの配線工事が事前に必要です。
屋内用パワーコンディショナは、パワーコンディショナまで使いたい機器を持っていって使う形になります。
自立運転機能について詳しく知りたい方は、「【停電時に大活躍】太陽光発電の自立運転の使い方と使える機器」記事を覗いてみてください。
メリット④:夏は涼しく、冬は暖かく快適に暮らせる
4つ目が、夏は涼しく冬は暖かく快適に暮らせる点です。
太陽電池パネルを屋根に乗せるだけで、夏場と冬場が快適に過ごせる理由は以下の通りです。
✅太陽電池を設置するだけで快適に過ごせる理由
夏場:屋根への直射日光を避けることができ、家の中の温度を下げられる
冬場:放射冷却を妨げることができるため、部屋の温度が下がりにくい
実証実験の結果が出ておりますので、下図をご覧ください。

野地板の裏の温度測定なので部屋の温度ではありませんが、太陽光発電を設置することで効果があることは間違いありません。
エアコンの電気代節約や部屋の温度を適正温度に早くできることに繋がります。
メリット⑤:CO2削減が環境価値としてポイント還元できる
5つ目が、CO2削減が環境価値としてポイント還元できる点です。

太陽光発電で発電したクリーンな電気を使うだけで、それが環境貢献のポイントとして還元できる時代が近づいてきています。
現在だと、伊藤忠商事の蓄電池「スマートスター3」を太陽光発電と合わせて購入することで、環境価値をポイント還元できます。
詳細を確認されたい方は、「スマートスター蓄電池」の記事を覗いてみてください。

節電と売電だけでなくて、クリーンな電気を使うことでもメリットが出てくるのね。

そうですね。企業の二酸化炭素排出量の規定枠があり、その枠を超えないように二酸化炭素排出削減の権利を購入するところが増えているからです。
太陽光発電で発電した電気を家庭内で使うだけで二酸化炭素排出削減に貢献しており、その価値を企業が買うビジネスモデルが出来つつあるということになります。
例えば、3kW~4kWの太陽光発電を設置した場合の環境貢献度は、下図になります。

太陽光発電で生まれる電気は環境価値が高いため、これから益々新しい活用方法が増えてきます。
太陽光発電の5つのデメリット

次に、太陽光発電の5つのデメリットを見ていきましょう。
✅太陽光発電のデメリット
・初期費用がかかる
・定期点検、メンテナンスが必要
・屋根の葺き替え、メンテナンスができない
・雨漏りなどの施工不良のリスクがある
・反射光の近隣トラブルのリスクがある
デメリット①:初期費用がかかる
1つ目が、初期費用がかかる点です。
初期費用は工事費込みで、約25万円/kW程度かかります。
つまり、4kwの太陽光発電システムで、1,000,000円程度です。

太陽光発電の初期費用は5年前と比べてもかなり安くなりました。
✅確実に安く太陽光発電を買う方法
①スポンジ公認の販売業者に見積をする(下サイトで無料見積可能)
②購入する時期に使える補助金がないか確認してもらう
③補助金の代行申請を行ってもらうことを確認して契約する
太陽光発電の相場価格(25万円/kW)を理解した上で、スポンジ公認の下記販売店に見積依頼をすれば金額の相談も乗ってくれます。
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デメリット②:定期点検、メンテナンスが必要
2つ目が、定期点検やメンテナンスが必要な点です。

太陽光発電システムを長く使い続けるためには、パワーコンディショナの定期点検やメンテナンスをすることをオススメします。
パワーコンディショナの寿命は10年~15年です。
パワーコンディショナ1台を丸ごと交換する費用は、工事費込みで20万~25万程度になります。
定期点検をすることで、パワーコンディショナの寿命を延ばすこともできます。
また、2017年から太陽光発電の点検が義務付けられています。

太陽光発電を設置してから1年目、それから4年ごとに定期点検・メンテナンスを行う必要があり、それに対する費用もみておく必要があります。
太陽光発電システムは、メンテナンスをしっかりすれば20年以上は使い続けられます。
定期点検費用などの詳細を確認したい方は、「【2024年最新】住宅用太陽光発電のメンテナンスの必要性と目安費用」の記事を覗いてみてください。
デメリット③:屋根の葺き替え、メンテナンスができない
3つ目が、屋根の葺き替えやメンテナンスができない点です。
屋根に太陽電池パネルを設置してしまうと、屋根の葺き替えやメンテナンスをする場合は、太陽電池の撤去をしなければいけません。

取り外すと、設置費用と同額(約70,000円/kW)がかかるので、一般的には取り外しません。
つまり、4kWの太陽電池パネルを撤去する場合は280,000円(4kW×70,000円/kW)がかかるということです。

そもそも屋根のメンテナンスは必要なの?
✅屋根の葺き替え、メンテナンスは必要なのか?
新築⇒太陽電池が屋根の代わりになり、屋根へのダメージは軽減されるため問題ない
既築⇒屋根の葺き替えをしてから太陽電池を設置すれば問題ない
もしくは、屋根が劣化していないことを確認して設置する
太陽電池を設置していたら屋根が傷まないことはありませんが、太陽電池が屋根の代わりにもなるため大きな問題になることはありません。
築年数が経っている場合は、屋根自体を葺き替えるか屋根自体に太陽電池を設置しても良いか専門業者に確認してもらうようにしましょう。
デメリット④:雨漏りなどの施工不良のリスクがある
4つ目が、雨漏りなどの施工不良のリスクがある点です。

悪徳な販売施工業者に太陽光発電の工事を任せてしまうと雨漏りが発生します。
屋根に適した金具で施工マニュアル通りに施工すれば、雨漏れは起こりません。
雨漏りをするというのは施工不良が原因のため、施工実績の少ない悪質な施工業者を見分ける必要があります。
特に、訪問販売業者の中には屋根の状態を確認せずに太陽電池を設置するケースがあり、悪質な販売業者が多く危険です。
✅注意すべき7つのポイント
・見積書や資料を持ち帰る
・太陽光発電の施工実績が少ない
・太陽光発電の機能を誇張して説明する
・お客様の家に合わした提案をしない
・太陽光発電の価格が相場よりも大幅に高い
・キャンペーンや特典の期間を区切って契約を急ぐ
・保証年数が短い、もしくはアフターフォローの説明がない
訪問販売業者の見極めについて詳しく知りたい方は、「【現役営業マンが解説】太陽光発電の訪問販売で注意すべき事 7選」を覗いてみてください。
デメリット⑤:反射光の近隣トラブルのリスクがある
5つ目が、反射光の近隣トラブルのリスクがある点です。
北面に太陽電池を設置すると、反射光の近隣トラブルのリスクがあります。
太陽電池は、発電量の観点からも屋根の南面に設置することが基本です。

北面への太陽電池設置は、南面と比べて60%程度しか発電しないのでオススメしておりません。
ただ、太陽電池の容量を稼ぐために南面以外の東面や西面、そして北面に設置してしまうケースもあります。
反射光は、屋根に差し込む太陽光の入射する角度によって反射角度が変わります。(下図)

南面の設置であれば、夏至や冬至でも近隣に影響が出るような反射光は差し込みません。
北面に設置する場合は下図のように反射光が水平に真横の建物に差し込むため、近隣からクレームがくる可能性が高まります。

北面に太陽電池を設置する場合は、設置前に近隣の方に相談をしておきましょう。
まとめ-家庭用太陽光発電のメリットデメリット

今回は、太陽光発電のメリットデメリットをお伝えしました。
改めてメリットとデメリットを確認しておきましょう。
✅太陽光発電のメリット
・電気代の節約ができる
・売電収入が入る
・災害時(停電時)に電気が使える
・夏は涼しく、冬は暖かく快適に暮らせる
・CO2削減が環境価値としてポイント還元できる
✅太陽光発電のデメリット
・初期費用がかかる
・定期点検、メンテナンスが必要
・屋根の葺き替え、メンテナンスができない
・雨漏りなどの施工不良のリスクがある
・反射光の近隣トラブルのリスクがある

デメリットの5つは、太陽光発電を設置前に理解しておけば解消できる内容ばかりです。
太陽光発電は、これから普及が加速していくことは間違いありません。
また、電気代が高騰を続けており2024年5月から更に値上げになります。
理由は、国による電気代軽減策(3.5円/kWh)が終わるためです。

家庭用太陽光発電は、設置してから7年~11年で元は取れる商品です。
元が取れた後も20年以上は、節電+売電の収入が入ってくるということになります。
つまり、太陽光発電は設置しないと長期的に高い電気代を払い続けることにもなるため早めに設置した方が確実にお得です。
太陽電池容量 | 年間推定節電金額 | 年間推定売電金額 | 元が取れる年数 |
1kW | 37,476円 | 2,221円 | 9~10年 |
2kW | 62,478円 | 3,702円 | 7~8年 |
3kW | 77,742円 | 17,770円 | 8~9年 |
4kW | 97,188円 | 22,214円 | 8~9年 |
5kW | 97,185円 | 51,832円 | 8~9年 |
6kW | 104,130円 | 55,536円 | 9~10年 |
7kW | 74,979円 | 93,307円 | 9~10年 |
8kW | 83,304円 | 103,667円 | 9~10年 |
9kW | 99,963円 | 124,398円 | 9~10年 |
10kW | 104,130円 | 129,584円 | 10~11年 |
太陽光発電は設置したくても設置できない屋根が全体の1割~2割はあります。
まずは、太陽光発電が何kW設置できるのか、そもそも太陽光発電が設置できるのかどうかを含めて無料なので見積依頼をしてみましょう。
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太陽光発電を設置して、快適な生活を手に入れていきましょう。
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