※2024年4月17日更新
家庭用太陽光発電の買取価格はどれくらいか教えてほしいです。また、買取価格が下がっても太陽光発電はメリットがあるのでしょうか。
✅本記事の内容
・太陽光発電の買取価格とは?
・太陽光発電の買取価格の推移
・太陽光発電の買取価格が下がってもメリットがあるのか?
・FIT終了後の太陽光発電の活用事例
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔家庭用太陽光発電を月販200棟(2年以上継続中)
✔某大手ビルダーの営業担当(複数ビルダー担当)
太陽光発電の買取価格はいくらなのか、そもそも買取価格はどうやって決まるのか、買取単価が低くても太陽光発電はメリットがあるのか?わかりにくいですよね。
この記事を読んでもらえれば、太陽光発電の買取価格が何なのか、買取価格が下がっても太陽光発電を設置するメリットがあるのか、買取が終わった後の太陽光発電の活用事例が理解できるようになります。
太陽光発電の買取価格とは?
それでは、太陽光発電の買取価格について見ていきましょう。
2012年に国が再生可能エネルギーの電気を一定価格、一定年数で買取するという「固定価格買取制度(FIT制度)」がスタートしたことで広く普及しました。
太陽光発電の設備容量ごとに買取価格と買取期間は決められております。
2023年度 | 2024年度 | 買取期間 | |
10kW未満 | 16円/kWh (税込み) | 16円/kWh (税込み) | 10年間 |
10kW~50kW未満 | 10円/kWh (税抜き) | 12円/kWh (税抜き) | 20年間 |
50kW~250kW未満 | 9.5円/kWh (税抜き) | 9.2円/kWh (税抜き) | 20年間 |
✅太陽光発電の設備容量とは?
太陽電池容量とパワーコンディショナの容量のいずれか小さい方の容量のこと
例えば、太陽電池容量が12kWでパワーコンディショナ容量が9.9kWなら、設備容量は9.9kWになります。
つまり、10kW未満の設備容量になるため、2024年度の買取単価は16円/kWhで買取期間は10年ということです。
太陽電池容量が12kWでパワーコンディショナ容量が10kWなら、2024年度の買取単価が12円/kWhで買取期間が20年になると思うけど、どっちがお得なの?
結論としては、10kW未満の方がお得です。詳しく知りたい方は「【どちらがお得か】太陽光発電10kW以上と10kW未満」の記事を覗いてみてください。
少し脱線しましたが、太陽光発電システムの設備容量が何kWなのか、そしていつ設置するのかによって買取単価と買取期間が決まるということです。
2024年度の申請期限に間に合えば、太陽光発電の設備容量ごとに2024年度の単価で10年間もしくは20年の間は太陽光発電で余った電気を買い取りしてくれるということになります。
2024年度の申請期限はいつまでなの?
2024年度の申請期限は、電力会社と経済産業省のそれぞれの締め切り期限に間に合わせる必要があります。
申請の手順としては、まずは地元の電力会社に申込をして受理されてから経済産業省に申込みの流れです。
それぞれの電力会社ごとに申込みの期限が設けられておりますので、ご自身の地元の電力会社の申込締切期限を確認してみましょう。
電力会社の申込期限は、最終的な経済産業省の申込期限に間に合うように設定されております。
2024年度の申請期限はまだ開示されていないため、参考として2023年度の申込期限を下記にて纏めております。
2023年度の締め切り (10kW未満) | |
北海道電力 | 10月27日 |
東北電力 | 10月20日 |
東京電力 | 11月10日 |
北陸電力 | 未発表 |
中部電力 | 未発表 |
関西電力 | 11月22日 |
中国電力 | 11月2日 |
四国電力 | 未発表 |
九州電力 | 11月10日 |
沖縄電力 | 早期申込希望 |
電力会社への申込が無事に承認されて、下記スケジュールまでに経済産業省に申込をすれば、2023年度の買取単価で認定されることになります。
✅経済産業省の申込期限
10kW未満 ⇒ 2023年1月6日
2023年度の買取単価の申し込みは期限が切れておりますので、これから太陽光発電の設置を計画されている方は2024年度での申請となります。
まずは、太陽光発電が設置できる屋根かどうかを含めて無料なので見積依頼から検討をスタートさせましょう。
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太陽光発電の固定価格買取制度について詳しく知りたい方は、「太陽光発電の売電とは何か?今でもお得なの?」の記事を覗いてみてください。
太陽光発電の買取価格の推移
次に、太陽光発電の買取単価の推移を見ていきましょう。
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | |
太陽光発電 出力制御無 | 42円 | 38円 | 37円 | 33円 | 31円 | 28円 |
太陽光発電 出力制御有 | 42円 | 38円 | 37円 | 35円 | 33円 | 30円 |
ダブル発電 出力制御無 | 34円 | 31円 | 30円 | 27円 | 25円 | 25円 |
ダブル発電 出力制御有 | 34円 | 31円 | 30円 | 29円 | 27円 | 27円 |
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 2024年 | |
太陽光発電 出力制御無 | 26円 | 26円 | 21円 | 19円 | 17円 | 16円 |
太陽光発電 出力制御有 | 28円 | 26円 | 21円 | 19円 | 17円 | 16円 |
ダブル発電 出力制御無 | 25円 | 24円 | 21円 | 19円 | 17円 | 16円 |
ダブル発電 出力制御有 | 27円 | 26円 | 21円 | 19円 | 17円 | 16円 |
※上表の数字の単位は、円/kWh。
固定価格買取制度が始まった2012年度は42円/kWhでしたが、毎年少しずつ売電価格が下がっています。
毎年売電できる単価が下がるなら、太陽光発電の売電収入も毎年下がるってこと?
取得した売電単価のまま10年間は固定で売電はし続けられます。
例えば、2024年度中に売電の権利を取得した人(その人の太陽光発電)は、2024年度の16円/kWhで10年間は継続して売電可能です。
どの年度で買取単価が取れたかが重要ってことね。あと、出力制御ありなしとダブル発電って何なの?
✅出力制御とダブル発電とは?
「出力制御」は、太陽光発電で発電した電気を他で消費するところがなく、太陽光発電の発電を制御させること。
「ダブル発電」は、「太陽光発電+蓄電池」や「太陽光発電+エネファーム」
ちなみに、表の「出力制御有」と「出力制御無」は、各電力会社毎によって分かれてます。
出力制御有 | 出力制御無 | |
電力会社 | 北海道電力 東北電力 北陸電力 中国電力 四国電力 九州電力 沖縄電力 | 東京電力 中部電力 関西電力 |
太陽光発電の爆発的に普及により、電気の需給バランスが崩れやすい夏場や冬場は、太陽光発電の発電を抑制させることがあります。
電気を比較的多く消費する、「東京電力」と「中部電力」と「関西電力」は出力制御の対象からは外れてます。
いずれにしても、2024年度は出力制御有無やダブル発電に関わらず売電単価は16円/kWhです。
太陽光発電の買取価格が下がってもメリットがあるのか?
次に、太陽光発電の買取価格が下がってもメリットがあるのか見ていきましょう。
太陽光発電の設備容量ごとに結論を先にお伝えします。
メリットがあるのか | |
10kW未満 | メリットあり |
10kW~50kW未満 | メリットあり |
50kW~250kW未満 | メリットあり |
太陽電池容量に関わらず、買取単価が下がっても太陽光発電を設置するメリットはあります。
世界と比べると日本の太陽光発電システムのコストがまだ高いため、まだ下げていく余地はあります。
✅買取単価が下がってもメリットがある理由
・太陽光発電システムの価格も下がるため
・太陽光発電や蓄電池への補助金や新しい制度の準備が進んでいるため
・電気料金が高騰を続けており、太陽光発電による節電効果が大きくなっているため
2022年のロシアウクライナ戦争をきっかけにエネルギー価格の高騰が起こり、各電力会社の電気代が高騰を続けています。
脱炭素という意味で太陽光発電は注目されておりましたが、直近では節電対策として太陽光発電が経済的に効果を発揮しているのが事実です。
太陽光発電で発電した電気を売電するというよりも、できる限り電力会社の高い電気を買わないこと(節電すること)が、経済的にもお得になるということになります。
つまり、5年10年前のように買取単価を重視する時代から、電力会社からの購入する電気を抑えることの方が重視されるようになったということです。
実際に、ここ数年で電気代はかなり高くなってきております。
そして、買取単価が下がってもメリットがあると強く言える大きな背景としては、日本が太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの普及率を2030年までに大幅に伸ばす使命があるためです。
「太陽光発電の今後はぶっちゃけどうなの?」でも詳しく説明しているので、気になる方は覗いてみてください。
買取単価が下がって設置するメリットがなくなり、みんなが太陽光発電を設置しなくなると国としてはマズイのです。
つまり、太陽光発電の買取価格は年々下がってきておりますが、太陽光発電の初期費用も年々下がってきており、経済的なメリットは10年前でも今でも変わらないように買取単価が設定されています。
実際、太陽光発電を設置してどれくらい儲かるのか教えてほしいのだけど。
家庭用太陽光発電がどれくらい儲かるのか、2024年度の買取単価でまとめたものは下記の表になります。
太陽電池容量 | 年間推定節電金額 | 年間推定売電金額 | 元が取れる年数 |
1kW | 37,476円 | 2,221円 | 9~10年 |
2kW | 62,478円 | 3,702円 | 7~8年 |
3kW | 77,742円 | 17,770円 | 8~9年 |
4kW | 97,188円 | 22,214円 | 8~9年 |
5kW | 97,185円 | 51,832円 | 8~9年 |
6kW | 104,130円 | 55,536円 | 9~10年 |
7kW | 74,979円 | 93,307円 | 9~10年 |
8kW | 83,304円 | 103,667円 | 9~10年 |
9kW | 99,963円 | 124,398円 | 9~10年 |
10kW | 104,130円 | 129,584円 | 10~11年 |
太陽光発電を購入することを検討されている方は、太陽光発電の相場価格がどれくらいなのかを理解しておく必要があります。
上の表の元が取れる年数は、太陽光発電を適正価格で購入できた場合の計算になっております。
悪い販売業者から高く買わされないために、「【最新保存版】太陽光発電の相場価格をぶっちゃけ公開」記事を確認してみてください。
FIT終了後の太陽光発電の活用事例
次に、買取期間(FIT期間)が終わった後の太陽光発電の活用方法を見ていきましょう。
10kW未満の太陽光発電の買取期間10年後の活用方法は、具体的に下記5つがあります。
✅10年後の太陽光発電の5つの活用方法
①大手電力会社に継続して余った電気を売る
②新電力会社に売電先を切り替えて電気を売る
③蓄電池を導入して電気代を抑える
④電気自動車やV2Hを導入する
⑤撤去する
5つの中でも、多くの方が①か③を選択される方が多いです。
買取期間の10年間が終わると、太陽光発電の売電単価がかなり下がってしまいます。
一例として、各電力会社のFIT期間終了後の買取価格は以下の単価です。
電力会社 | 買取単価(円/kWh) |
北海道電力 | 8円 |
東北電力 | 9円 |
東京電力 | 8.5円 |
中部電力 | 8円 |
北陸電力 | 8円 |
関西電力 | 8円 |
中国電力 | 7.15円 |
四国電力 | 7円 |
九州電力 | 7円 |
沖縄電力 | 7.5円 |
およそ7円~9円/kWhが10年後の買取単価の相場となります。
太陽光発電を設置した当時と比べると大幅に買取単価が下がってしまうことと、電気代がかなり上がってきている背景があるため、蓄電池を設置される方が増えているということです。
また、パワーコンディショナの寿命が10年~15年なので蓄電池を設置するときに纏めてパワーコンディショナも買い替えるのが一般的になります。
ハイブリッド蓄電池であれば、「パワーコンディショナ+蓄電池」のシステムのためパワーコンディショナの取り換えと蓄電池の設置が両方叶えられるシステムということです。
これからは電気自動車が増えてくるから、④の電気自動車やV2Hを導入するケースも増えるんじゃないの?
そうですね。電気自動車が蓄電池の代わりをするため、④の電気自動車やV2Hも選択肢としてはかなり増えてくると予想されています。
多くの蓄電池メーカーが電気自動車と住宅を繋ぐV2Hシステムの販売をスタートさせているのも事実です。
現時点(2024年2月)では、「Q.READY」「ニチコン製のトライブリッド蓄電システム」や「V2Hシステム」が人気のある商品になります。
FIT期間終了後の太陽光発電の活用について詳しく知りたい方は、「太陽光発電の10年後の5つの活用方法」の記事を覗いてみてください。
まとめ-太陽光発電の買取価格
今回は、太陽光発電の買取価格についてお伝えしました。
2023年度と2024年度の買取単価をおさらいしておきましょう。
| 2023年度 | 2024年度 | 買取期間 |
10kW未満 | 16円/kWh (税込み) | 16円/kWh (税込み) | 10年間 |
10kW~50kW未満 | 10円/kWh (税抜き) | 12円/kWh (税抜き) | 20年間 |
50kW~250kW未満 | 9.5円/kWh (税抜き) | 9.2円/kWh (税抜き) | 20年間 |
買取単価は年々下がってきてますが、太陽光発電はどの年度に設置しても経済的なメリットは同じくらいは出てきているため、あまり年度に拘りすぎなくても良いです。
どちらかと言うと、電力会社から高い電気を買わない生活をする方が重要であることも理解いただけたかと思います。
また、太陽光発電の正しい理解をして良心的な販売店から太陽光発電を購入すれば、太陽光発電を設置するメリットはかなり高いです。
良心的で太陽光発電のコストも安く仕入れられるスポンジ推奨の下記販売店で、太陽光発電を検討することをオススメします。
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