※2024年1月7日更新
ニチコン製のトライブリッド蓄電システムが、どんな蓄電池なのか教えてほしいです。メリットデメリット、初期費用や経済効果、どんな人にオススメな蓄電池なのかも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の基本スペック
・4つのメリット
・2つのデメリット
・こんな方には、ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」がオススメ
・ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の経済効果
・ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の相場コスト
✅本記事の信頼性
✔太陽光発電メーカーに10年以上勤務(現役)
✔本業で、蓄電池を販売中
✔複数の蓄電池の情報収集、比較検証済み
ニチコン製のトライブリッド蓄電システムは、他蓄電池と比べてどんな特徴があるのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、ニチコン製トライブリッド蓄電池の基本スペックやメリットデメリット、相場価格や経済(節電)効果がどれくらいあるのか、どんな方にオススメな蓄電池なのかが理解できるようになります。
ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の基本スペック
それでは、ニチコン製トライブリッド蓄電池の基本スペックを見ていきましょう。
蓄電池メーカー | ニチコン |
蓄電池のタイプ | 全負荷対応トライブリッド型蓄電池 |
蓄電池容量 | 4.9kWh、7.4kWh |
蓄電池併設 | 可能 (9.9kWh、14.9kWh) |
サイクル数 | 10,000回 |
1日サイクル数 | 1サイクル |
保証年数 | 15年 |
自然災害補償 | 10年 |
塩害対応 | 〇 |
停電時の定格出力 | 4.9kWh、7.4kWh:4.0kVA 9.9kWh、14.9kWh:5.0kVA V2H含めると⇒5.9kVA |
蓄電池動作温度範囲 | -10℃~45℃ |
設置場所 | 屋内または屋外 |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 540mm×230mm×418mm |
蓄電池1台の重さ | 4.9kWh:40kg 7.4kWh:61kg |
2022年4月から発売開始した、ニチコンのトライブリッド蓄電システムになります。
トライブリッド蓄電システムは、初代の「ESS-T1」でも販売されていましたが、今回発売される「ESS-T3」でパワーアップしてリリースされる形です。
一番のポイントは、名前の通り「太陽光発電」「蓄電池」そして「電気自動車」から家に電気を送れるシステムになっている点です。
電気自動車を既にお持ちの方、電気自動車に興味がある方は、電気自動車の更なる活用としてトライブリッド蓄電システムはオススメします。
電気自動車を買う予定がない場合は、ニチコン製のトライブリッド蓄電システムはオススメではないの?
ハイブリッド蓄電池としても性能が高いポイントがあるため、他ハイブリッド蓄電池と比べても強みはあります。
ただ、圧倒的に他蓄電池と異なるのが電気自動車と組み合わせられるという点ということです。
ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の4つのメリット
まず、ニチコン製トライブリッド蓄電池のメリットを見ていきましょう。
✅メリット
・多彩な蓄電池ラインナップ
・停電時の蓄電池出力が大きい
・AI自動制御で最適な充放電が可能
・蓄電池とV2H間で電気の移動ができる
メリット①:多彩な蓄電池ラインナップ
1つ目が、蓄電池のラインナップが多彩な点です。
4.9kWh、7.4kWh、9.9kWh、14.9kWhの4種類の中からお客様ごとに最適な蓄電池を選ぶことができます。
この4種類からどうやって選んでいけばよいの?
✅どうやって自分に合った蓄電池を選べば良いか
①停電時に、特定機器だけ使えれば良いか、家全体の機器を使いたいか
⇒特定機器の場合は「特定負荷タイプ」、家中の機器を使いたい場合は「全負荷タイプ」
②1日平均でどれくらいの電気を使用しているか
⇒停電時に普段通り電気を使いたいならその容量に近い蓄電池を選ぶ
③自宅の屋根に太陽電池が何kW設置できるか
⇒5kW未満なら5kWh蓄電池が理想、6kW~10kWなら10kWh蓄電池
特定負荷タイプか全負荷タイプは、あなたの好みで選んでもらえれば問題ありません。
蓄電容量は、普段の使用電力がどれくらいなのか、そして災害時にどんな生活をしたいのかによって蓄電池の容量を決めていくようにしましょう。
4人家族の一般家庭で1日13~15kWhの電気を使うことを目安に考えてみてください。
例えば、1日5kWhの電気で生活するイメージは下記のようになります。
200V機器の「エアコン」と「電子レンジ」は全負荷タイプでないと使用ができません。
200V機器を停電時に使いたい方も、全負荷タイプを選ぶようにしましょう。
ただし、蓄電池の容量は太陽電池があまり設置できないのに大きな蓄電池を選んではいけません。
理由は、蓄電池に充電するのに時間がかかってしまい太陽電池とのバランスが悪いためです。
家の屋根に何kWの太陽電池が乗るかってどうやったらわかるの?
正確に何kWの太陽電池が乗るかは見積を依頼する必要がありますが、目安となる屋根面積は下記の通りです。
※詳細を確認されたい方は、「太陽光発電の容量」を押せば各太陽光発電の容量のページに飛びます。
詳しく何kW乗るのか知りたい方は、下記のスポンジ公認の販売業者に見積依頼をしてみましょう。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
どの蓄電池がベストマッチするかは、あなたの希望はもちろんですが実際の屋根に乗せられる太陽電池容量も見ておく必要があります。
メリット②:停電時の蓄電池出力が大きい
2つ目が、停電時の蓄電池出力が大きい点です。
停電時でも、最大5.9kWの電気を一度に使うことができます。
一般的には、蓄電池出力が1.5kW~3.0kW程度の蓄電池が多く、5.9kWの電気を一度に使える蓄電池はほとんどありません。
5.9kWの放電が蓄電池の中では大きい出力というのはわかったけど、実際に5.9kWの電気で停電時にどんな生活が送れるの?
例えば、下絵の8つの電化製品を同時に使うことができます。
この8つの電化製品を1時間使い続けた消費電力の合計は、4,700Wh(4.7kWh)です。
ただ、電子レンジを1時間使い続けることは現実的ではないので、あくまで参考にしてもらえればと思います。
5.9kWの蓄電池出力があれば、上記の家電を一度に使えるということです。
あと、停電時の電気の流れがよくわからないんだけど。。。
停電時の電気の流れはわかりにくいと思いますので、下の絵でイメージしてみましょう。
電気自動車とV2Hも設置されているトライブリッドシステムでは上絵のような電気の使い方ができます。
停電時の電気の流れは複雑ですが、ポイントは下記の通りです。
✅電気の流れのポイント(停電時)
・太陽光発電で余った電気は、蓄電池と電気自動車に貯められる
・雨の日は、蓄電池と電気自動車から電気が賄われる
正直、これ以上の停電対策はないと言えるくらい完璧なシステムになっています。
メリット③:AI自動制御で最適な充放電が可能
3つ目が、AI自動制御で最適な充放電ができる点です。
ニチコンのサーバーに繋がれば、下記3つのことができます。
✅見守りサーバーでできる3つのこと
①トラブルやエラーがわかったり、ソフト更新が自動で行われる
②気象庁の警報や注意報を察知して最適な充放電
③各ご家庭の電気使用量に応じて最適な充放電
設定をしなくても、勝手に一番良い動きをしてくれるってこと?
そうですね。お客様の電気使用量をAIが学習して、翌日の天気予報や気象情報を見ながら蓄電池の充電と放電を経済的な観点で最適に動きます。
「経済的に最適に動く」というのがポイントで、電気代が一番かからない動き方をAIが自動で行ってくれます。
基本的には、電力会社から電気を買わないようにすることが最も経済的な運用方法です。
メリット④:蓄電池とV2H間で電気の移動ができる
4つ目が、蓄電池とV2H間で電気の移動ができる点です。
少しマニアックな話になりますが、エレムーブ機能と言われるものです。
✅エレムーブ機能とは?
・昼間に太陽光発電から蓄電池に貯めた電気を、V2Hを通じてEV車に充電
・V2Hに貯まっている電気を家庭内の蓄電池に充電
蓄電池とV2H間は、直流の電気が行き来できるシステムになっております。
それが出来ると何がよいの?
EV車が昼間仕事などで家にいない場合には、太陽光発電で発電した電気は家庭内で使われて、それでも余った場合は蓄電池に貯めておき、EV車が帰ってきてから蓄電池からEV車に充電ができるのが利点です。
蓄電池やV2H(EV車)を購入された方は、電気料金プランをオール電化プランにされる方が多いです。
理由は、オール電化プランは昼間の電気が高く、夜間の電気料金が安いのが特徴になっておりますが、昼間は太陽光発電の電気が使えるのでトータルで電気代が抑えられるためになります。
ただ、エレムーブ機能を使えば夜間の電気も使わず蓄電池からEV車に充電できるので経済的にお得ということです。
ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の2つのデメリット
次に、ニチコン製トライブリッド蓄電池のデメリットを見ていきましょう。
✅デメリット
・設置スペースが取られる
・コストが少し高い
デメリット①:設置スペースが取られる
1つ目が、設置スペースが取られる点です。
V2Hスタンドも含めて全ての機器を設置したイメージは下記のようになります。
まずは、設置できるスペースがあるのか事前に確認しておきましょう。
それぞれの機器の大きさってどれくらいなの?
機器設置にあたっては、それぞれメンテナンススペースも必要になるため下記寸法よりも左右上下で余裕を持ったスペースが必要です。
トライブリッドパワーコンディショナ
蓄電池ユニット
V2Hスタンド(セパレート型)
V2Hスタンド(一体型)
デメリット②:コストが少し高い
2つ目が、コストが少し高い点です。
電気自動車も購入することも考えれば、相当の金額がかかってくることは仕方がありません。
太陽光発電はかなり安くなりましたが、蓄電池は簡単に手が出る金額ではないので購入するためには安くするためのコツや知識をつける必要があります。
ちなみに、V2Hスタンドのないハイブリッドシステムとしても購入することはできますが、そのハイブリッド蓄電システムとしても、ニチコンは少し金額は高めになっています。
確実に安く購入するコツについては、「ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の相場コスト」でお伝えします。
2024年2月から発売開始の同じくニチコン製のハイブリッド蓄電池+V2Hの「Q.READY」であれば、トライブリッド蓄電池よりも安く買えます。
こんな方には、ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」がオススメ
それでは、どんな人にニチコン製トライブリッド蓄電池がオススメなのか見ていきましょう。
✅こんな方には、ニチコン製トライブリッド蓄電池がオススメ
・電気自動車をお持ちの方、購入予定の方
・停電時にも不自由のない生活をしたい方
通常のハイブリッド蓄電池として購入することもできますが、やはり電気自動車をお持ちの方や購入予定の方にオススメの蓄電池です。
ハイブリッド蓄電池としても性能は良いですが、同じ蓄電容量で比較すると少しコストが高めになります。
車をお持ちではない方や電気自動車に興味がない方にはオススメしない蓄電池です。
ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の経済効果
それでは、ニチコン製トライブリッド蓄電池の経済効果を見ていきましょう。
今回は、4.9kWhのトライブリッド蓄電池でどれくらいの経済効果が得られるのか見ていきます。
結論から言うと、15年間で1,461,497円相当の経済効果が得られます。
15年間で経済効果を出している理由は、4.9kWhのトライブリッド蓄電池の保証年数が15年間のためです。
電力会社ごとに電気料金プランが異なりますので、今回は東京電力の「スマートライフプラン」を元にエネがえるの長期シミュレーションで経済効果を見ていきます。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電を設置済み
・東京都在住
・共働き世帯で、夜間に電気を多く使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・卒FITで新たに4.9kWhのトライブリッド蓄電池を購入
・卒FIT後の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%
4kWの太陽光発電を設置済みでFIT期間の10年間を終えて、新たに4.9kWhのトライブリッド蓄電池を購入した場合の11年目~25年目の経済効果は下記のようになります。
棒グラフの赤色が太陽光発電+蓄電池の節電額になります。
太陽光発電+4.9kWhのトライブリッド蓄電池で、節電できる15年間の目安金額が1,461,497円ということです。
10年間のFIT売電期間が終了すると安い売電単価(今回だと8.5円/kWh)でしか売電できませんが、4.9kWhのトライブリッド蓄電池を購入することで、電力会社から高い価格(約30円/kWh)で電気を買わなくて済むようになります。
逆に、太陽光発電と4.9kWhのトライブリッド蓄電池がなければ15年間で1,461,497円の金額を電力会社に支払うことになるということです。
蓄電池は15年使い続けた後でも使い続けられるの?
蓄電池の寿命は、設置場所や設置環境に左右されますが15年以上使い続けることも可能です。
つまり、15年以上使い続けられれば経済的メリット(電力会社に払わなくても済む金額)も増えていくということです。
蓄電池だけで節電できる金額はわかったけど、「電気自動車」と「ガソリン車」でかかる燃料費の比較とかはどうなの?
一般的に、通勤をしている方は1ヵ月に1,000kmほど走行していると言われております。
ガソリン車の燃費が12km/Lで、電気自動車は新型リーフとした場合には年間119,600円の節約が可能です。
また、電気代の17円/kWhも太陽光発電から賄うことができるので、実質140,000円が年間削減できる燃料費ということもいえます。
「家庭内の電気代」と「電気自動車の燃料費」が実質0円にすることも、太陽光発電の発電状況によっては可能になります。
ニチコン製トライブリッド蓄電池「T3」の相場コスト
次に、ニチコン製トライブリッド蓄電池の相場コストを見ていきましょう。
蓄電池機器本体と工事費の相場コストは下記の通りです。
✅相場コスト
4.9kWh蓄電池 ⇒ 1,300,000円~1,500,000円
7.4kWh蓄電池 ⇒ 1,550,000円~1,750,000円
9.9kWh蓄電池 ⇒ 1,800,000円~2,000,000円
14.9kWh蓄電池 ⇒ 2,050,000円~2,250,000円
V2Hスタンド ⇒ 1,100,000円~1,300,000円
先ほどの4.9kWh蓄電池の経済効果シミュレーションと見比べると15年使い続ければ4.9kWh蓄電池の費用は回収できることになります。
いきなり150万円程度のお金は払えないからローンを組んだらどうなるのか教えてくれない?
実際に、蓄電池を現金で購入される方は少なく、ローンを組んで購入される方がほとんどです。
✅ローンのシミュレーション条件
・4.9kWhのトライブリッド蓄電池を購入
・購入金額は1,500,000円
・頭金なし
・ボーナス支払いなし
・支払い年数は10年(120ヶ月)
・ローン年率2.45%
仮に1,500,000円で4.9kWhのトライブリッド蓄電池を購入する場合は、実質6,936円/月(10年間)を支払えば手に入れることができます。
もちろん、初期費用を1,500,000円以下にできれば毎月のローン返済額も少なくすることが可能です。
この記事を見ていただいている方だけに、初期費用を確実に下げられる禁断の方法をお伝えします。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①スポンジ公認の販売業者に見積をする(下サイトで無料見積可能)
②購入する時期に使える補助金がないか確認してもらう
③補助金の代行申請を行ってもらうことを確認して契約する
太陽光発電と蓄電池は、「本当は安く買えるのに高く買わされている人が多い」と本業でも感じているので、最も安く買える方法で皆さんは買ってください。
今すぐに見積を取らなくても良いと思っている方もいると思いますが、蓄電池の相場価格を知るため、そして将来購入する際の比較見積としても使えるので、オススメしています。
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また、蓄電池は高価な商品なので「国や地方自治体から補助金」が出ておりますので必ず活用しましょう。
まとめ-ニチコン製トライブリッド蓄電池
今回は、ニチコン製トライブリッド蓄電池についてお伝えしました。
改めて、メリットとデメリットを見ておきましょう。
✅メリット
・多彩な蓄電池ラインナップ
・停電時の蓄電池出力が大きい
・蓄電池だけでなくEV車含めてAI自動制御
・蓄電池とV2H間で電気の移動ができる
✅デメリット
・設置スペースが取られる
・コストが少し高い
設置スペースがあることは大前提で、コストをできる限り抑えることができれば長期的に見れば経済的なメリットも出てきます。
電気代が高騰し続けているため、「太陽光発電+蓄電池」はようやく注目を浴びてきています。
下記のように電気代は年々上がってきておりますが、2024年5月からもう一段階値上げが実施されます。
理由は、国による電気代軽減策として3.5円/kWhの負担をしてくれておりましたが、その電気代軽減策が2024年4月で終わるためです。
そして、脱炭素の一環でガソリン車から電気自動車へのシフトは加速しているため、電気自動車の使い方の1つとしてV2Hを購入される方が増えているのも事実です。
電気自動車を購入する(している)ならV2Hも購入することをオススメしますが、コスト削減の観点はしっかり持って高く買わされないように注意しましょう。
※今なら見積依頼と商談で5,000円プレゼント実施中
安く購入して、快適な生活を手に入れましょう。
コメント
Awsome capacitor !