※2023年3月4日更新
家庭用蓄電池について何も知らないので、基本的なことから教えていただけないでしょうか。どんな種類があって、どれくらいの価格でメリットデメリットも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・家庭用蓄電池とは
・家庭用蓄電池の種類
・家庭用蓄電池が増えている理由
・家庭用蓄電池の相場コスト
・家庭用蓄電池の補助金
・家庭用蓄電池の主なメーカー9選
・家庭用蓄電池の選び方
・家庭用蓄電池のメリットデメリット
✅本記事の信頼性
✔太陽電池メーカーに約10年間勤務(現役)
✔家庭用蓄電池の7割近くはブログ記事で紹介済
✔月に10台以上の蓄電池販売を継続
蓄電池という言葉から電気を貯められるくらいのイメージはつきますが、メリットデメリットや相場コストやどんな人が蓄電池を購入しているのかわかりにくいですよね。
この記事を見てもらえれば、蓄電池の基本的な内容や、どんな種類やメーカーがあって、コストはどれくらいで、メリットデメリットは何があって、なぜ家庭用蓄電池を購入する方が増えてきているのかが理解できるようになります。
家庭用蓄電池とは
まず、家庭用蓄電池とはどんなものなのかを見ていきましょう。
✅蓄電池の基本的な機能
太陽光発電や電力会社からの電気を貯めて、必要な時に放電する
太陽光発電で発電した0円の電気を貯めたり、電力会社から夜間の安い電気を貯めて翌日使ったりするために蓄電池は使われます。
蓄電池があれば、「節電対策」ができたり停電時に電気が使えるので「防災対策」ができるようになります。
昔は防災対策で蓄電池を購入する方がほとんどでしたが、最近は電気料金の高騰もあるので「太陽光発電+蓄電池」で節電対策のために購入する人も増えているのが実情です。
でも、蓄電池って高いから元が取れないんじゃないの?
蓄電池を購入するなら補助金を活用して、お客様のお宅にぴったりの蓄電池を選べば長期的に見れば元は取れるものになってきてます。
どんな補助金を使って、どうやってベストな蓄電池を選べばよいのかは後ほど解説していきます。
まず、蓄電池の姿や形がわからないとイメージがつかないと思いますので、実際に3つの蓄電池の写真を見てみましょう。
家庭用蓄電池と言っても、サイズも大きいものから小さいものまであったり、屋内設置できるタイプと屋外設置タイプなどさまざまです。
蓄電池を設置するスペースは、蓄電池選びでも重要な要素になってきます。
なんで、こんなに蓄電池の大きさは違いがあるの?
蓄電池の大きさと関係があるのは、蓄電池の蓄電容量(kWh)の大きさが挙げられます。
蓄電容量とは要するに、蓄電池にどれだけ電気を貯められるかということです。
家庭用蓄電池だと、2kWh~16kWhまで蓄電池サイズと同じようにさまざまな蓄電容量があります。
各蓄電池のスペックを知る上で、蓄電容量と蓄電池サイズは重要な要素になるので覚えておきましょう。
家庭用蓄電池の種類
次に、蓄電池の種類について見ていきましょう。
先ほどの「家庭用蓄電池とは何か?」では、蓄電池の基本的なことや蓄電池の大きさや蓄電容量(kWh)についてお伝えしました。
ここでは、家庭用蓄電池の種類が「スタンドアロン型」「単機能型」「ハイブリッド型」の3つに分類されることを詳しく見ていきます。
スタンドアロン型
単機能型
ハイブリッド型
✅蓄電池の種類
スタンドアロン型:家のコンセントから充電、太陽光発電との連携はなし
単機能型:太陽光発電と連携、太陽光発電設置済の家への後付け蓄電池
ハイブリッド型:太陽光発電と連携、太陽光発電とセットで設置する蓄電池
スタンドアロン型は、マンションやアパートにお住まいの方で災害対策をしておきたい方にオススメの蓄電池です。
単機能型とハイブリッド型は、太陽光発電システムとセットで使える蓄電池です。
一軒家に住んでいない人は、スタンドアロン型しか設置できないということね。
そうですね。一軒家にお住まい(今後住む予定)の方は、太陽光発電が今あるのかないのかで「単機能型」か「ハイブリッド型」かを選ぶ形になります。
既に太陽光発電システムを設置済の方は単機能型、これから太陽光発電システムを設置される方はハイブリッド型という選択がオススメです。
✅単機能型とハイブリッド型の特徴
単機能型:設置済のパワーコンディショナに後付けで蓄電池を設置できる
ハイブリッド型:パワコンが1つに纏められて効率的に設置できる
単機能型は、太陽光発電用のパワーコンディショナと蓄電池用のパワーコンディショナが1つずつある形なので、合計2台のパワーコンディショナの設置が必要になります。
ハイブリッド型は、太陽光発電と蓄電池用のパワーコンディショナが1つになっています。
2つのパワーコンディショナの機能が1つになっているので、ハイブリッドと言われています。
また、単機能型とハイブリッド型の中でも停電時の蓄電池の放電方法として「特定負荷型」と「全負荷型」の2パターンに分けられます。
特定負荷型か全負荷型は、蓄電池選びでも重要ポイントなので抑えておきましょう。
上絵のように、停電時に一部の機器だけ使えるのが「特定負荷型」で、停電時に全ての機器が使えるのが「全負荷型」になります。
✅特定負荷型と全負荷型の特徴
特定負荷型:事前に決めておいた一部の電化製品だけ使える
全負荷型:家全体の電化製品を使える
停電時のときの特徴で、平常時は特定負荷型でも全ての電化製品は動くのよね?
あくまで停電時のことなので、特定負荷型であっても平常時は家全ての電化製品は使うことができます。
これまでは特定負荷タイプの蓄電池ラインナップが圧倒的に多かったのですが、ここ最近は全負荷タイプの蓄電池のラインナップが増えてきております。
蓄電池の種類を纏めると下記になります。
全負荷タイプのハイブリッド蓄電池
全負荷タイプの単機能蓄電池
特定負荷タイプのハイブリッド蓄電池
特定負荷タイプの単機能蓄電池
スタンドアロン蓄電池
✅蓄電池の全種類一覧
① 全負荷型 ハイブリッド蓄電池
⇒停電時に、操作もせずに家全ての電化製品が使える
② 全負荷型 単機能蓄電池
⇒停電時に、操作する手間があるが家全ての電化製品が使える
③ 特定負荷型 ハイブリッド蓄電池
⇒停電時に、操作はせずに一部の機器だけ使える
④ 特定負荷型 単機能蓄電池
⇒停電時に、操作する手間があって一部の機器だけ使える
⑤ スタンドアロン蓄電池
⇒太陽光発電とは連携せず、コンセントから充電して一部の機器だけ使える
単機能蓄電池の中でも、停電時に操作の手間が不要なものもあります。
ただ、操作性の手間なども考えるとハイブリッド蓄電池がオススメな蓄電池になります。
実際に、よく売れている蓄電池の種類はどれなの?
太陽光発電が設置されている、設置されていないで単機能かハイブリッドかは分かれますが、「全負荷型の蓄電池」はよく売れている蓄電池です。
近年だと、中途半端なスペックよりもハイスペックな蓄電池が好まれている傾向が高いと言えます。
家庭用蓄電池が増えている理由
次に、蓄電池の販売が増えている理由について見ていきましょう。
そもそも蓄電池って、どれくらい増えているの?
家庭用蓄電池の販売台数は、大きく伸びています。
下記のグラフは、2011年度から2020年度までに出荷された蓄電池の出荷台数になります。
右肩上がりで増えた理由としては、国や自治体が蓄電池に補助金を出すようになったり、蓄電池自体の価格が安くなったこと、災害対策で購入する方が増えたためです。
また、2022年度以降も蓄電池の販売は大きく伸びていくことが予想されております。
理由としては、4点あります。
✅蓄電池の販売が増える理由
①電気料金の高騰が続いているため
②自然災害が増えて防災対策の意識が高まっているため
③太陽光発電のみを設置された方が蓄電池に乗り換えを始めているため
④自家消費すること(二酸化炭素削減すること)の価値が高まっているため
特に、電気料金の高騰が激しいため、太陽光発電+蓄電池の需要はかなり高まっております。
下グラフは、日経新聞から抜粋した電気料金の推移になります。
12ヵ月連続で電気料金単価は値上げを続けており、物価上昇の原因にもなり、深刻な状態です。
平均的に見たら、1ヵ月で1,000円~2,000円も電気代が上がったってこと?
そうですね。手元に電気料金の明細がある方は、比較してみると値上げがどれくらい影響があるかわかると思います。
電気代を抑えるために、節電は大事な行動ですが節電だけでは追いつかないくらい電気料金の値上げは生活に大きな影響をもたらしてきています。
家庭用蓄電池の相場コスト
次に、蓄電池の相場コストを見ていきましょう。
蓄電池本体の相場コストは、15万円~18万円/kWhになります。
✅例えば
6.5kWh蓄電池のコスト⇒975,000円(6.5kWh×150,000円/kWh)
蓄電池の種類や容量によって変わってきますが、おおよそ蓄電池本体+設置工事で、100万円~250万円が相場コストです。
相場コストよりも安く買える方法はないの?
補助金については後ほど説明しますが、まずは単純に購入価格を抑えるコツを理解しておきましょう。
下記の手順で見積を取れば、安く蓄電池を購入することが可能です。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
家庭用蓄電池の補助金
次に、蓄電池の補助金について見ていきましょう。
2022年最新の家庭用蓄電池向けの補助金は、「DER(VPP)構築実証事業の補助金」があります。
難しい言葉の補助金ですが、まずは補助金概要を見てみましょう。
補助金予算 | 34億1000万円 |
蓄電池への補助額 | 初期実効容量×3.7万円 (蓄電池に関わる工事の3分の1を上限) |
HEMS(モニター)への補助額 | 上限5万円 |
蓄電池販売の上限金額 | 材工で15.5万円/kWhが上限 |
補助金を受けるためのスケジュール | 2022年6月~ 受付開始 2022年12月23日 連系期限 2023年1月 実証実験 2023年2月9日 報告期限 |
補助金は先着順でなくなり次第で終了となってしまいます。
また、補助金が受けられる蓄電池も決まっております。
ハイブリッド蓄電池と単機能蓄電池に分けて補助金対象の蓄電池をご紹介します。
(※クリックすると対象蓄電池の詳細記事にとびます。)
それで、どんな補助金なの?
簡単にいうと、各家庭の太陽光発電で発電した電気を家庭内だけで使うのではなく、家庭以外で不足している時にその電気の有効活用をさせてほしいというものです。
今回の補助金は、「このような実証事業に参加してくれる代わりに補助金を出します」という内容になります。
実証事業が行われるのは、2023年1月の1週間を予定されております。
上記の絵のように、政府は世の中が電気不足になっている時に各ご家庭の蓄電池にたまっている電気を使うことで電力の需給バランスを整えることを将来的に見据えております。
今は、実証実験段階のため、実証実験される1週間の間は蓄電池に貯めている電気が使われたり、勝手に充電されたりしてしまいます。
1週間だけは自由に蓄電池が使えないだけで補助金が受けられるってこと?
厳密にいうと、3年間の実証事業なので3週間だけ自由に使えない期間はありますが、それ以外は自由にお客様が蓄電池を使えて補助金ももらえるということです。
確実にメリットしかない補助金なので、予算がいっぱいになる前に補助金を活用して購入することをオススメします。
2022年度のDER補助金についてもう少し詳しく知りたい方は、「2022年DER補助金で家庭用蓄電池が安く買える」の記事を覗いて見てください。
家庭用蓄電池の主なメーカー9選
次に、主要な蓄電池メーカーを見ていきましょう。
販売台数が多い蓄電池や、最近人気のある蓄電池を厳選してます。
2021年の蓄電池販売数が多い蓄電池を基本的に抜粋しておりますが、近年人気が出てきている蓄電池も含めて9つの蓄電池をご紹介します。
2021年の蓄電池販売ランキングについて詳しく知りたい方は「2021年日本国内蓄電池出荷ランキング」の記事を覗いてみてください。
家庭用蓄電池の選び方
次に、蓄電池の選び方について見ていきましょう。
✅蓄電池の選び方
ステップ①:太陽光発電は設置済かどうか
ステップ②:停電時の生活を想像してみる
ステップ③:1ヵ月の電気料金明細をみて、1ヵ月で何kWh使っているか確認する
ステップ④:補助金の活用ができる蓄電池を確認する
ステップ⑤:目安の価格帯を知る
ステップ⑥:自宅の屋根に何kWの太陽電池が設置できるのか確認する
まず最初に確認しておかなければいけないのが、蓄電池種類のどれを希望する蓄電池なのか把握することです。
蓄電池の種類でお伝えした5つの中から、あなたが希望する蓄電池はどれなのかを確認しましょう。
✅蓄電池の全種類一覧
① 全負荷型 ハイブリッド蓄電池
⇒停電時に、操作もせずに家全ての電化製品が使える
② 全負荷型 単機能蓄電池
⇒停電時に、操作する手間があるが家全ての電化製品が使える
③ 特定負荷型 ハイブリッド蓄電池
⇒停電時に、操作はせずに一部の機器だけ使える
④ 特定負荷型 単機能蓄電池
⇒停電時に、操作する手間があって一部の機器だけ使える
⑤ スタンドアロン蓄電池
⇒太陽光発電とは連携せず、コンセントから充電して一部の機器だけ使える
5つの中からどの蓄電池が決まったら、あなたの家にマッチする蓄電容量を決めるためにステップ③の1ヵ月の電気料金明細を確認しましょう。
1ヵ月の電気使用量がわかれば、30日で割ると1日当たりの平均使用電力量がわかります。
停電時にどれくらいの電気を使うかの目安になるので、1日当たりの使用電力量と同じくらいの蓄電池を選ぶようにしましょう。
ここまで確認できたら、あなたに合った蓄電池はかなり絞られてきています。
あとは、金額面で極力安く買うことができる方法を考えていきましょう。
ステップ④の補助金が活用できる蓄電池はどれか、それぞれの蓄電池の目安価格(相場コスト)を知ることも重要なステップです。
相場コストを知るためには、希望する蓄電池に対して複数の見積書を取得して相場コストを理解しましょう。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
最後に、屋根に何kWの太陽電池が設置できるのかも蓄電池の見積依頼時に依頼しておきましょう。
蓄電容量と太陽電池容量が合わないケースがあります。
✅太陽光発電と蓄電池がアンバランスなケース
①蓄電容量が大きく、太陽電池容量が小さいケース
⇒蓄電容量が9.8kWhで、太陽電池容量が2kWなど
②蓄電容量が小さく、太陽電池容量が大きいケース
⇒蓄電容量が3kWhで、太陽電池容量が10kWなど
太陽電池容量が蓄電容量よりも少し大きいくらいがちょうど良いバランスになります。
どれくらいの屋根に何kWくらいの太陽光発電が設置できるのか目安はないの?
あくまで参考値になりますが、屋根面積に対して何kWの太陽光発電が設置できるのか目安にしてみてください。
※太陽光発電の容量をクリックすると各容量ごとの記事に飛びます。
太陽電池容量と蓄電容量のバランスを考えずに設置して、思っていたのと違うと感じる方も多くいますので注意しましょう。
家庭用蓄電池のメリットデメリット
次に、蓄電池のメリットデメリットを見ていきましょう。
✅家庭用蓄電池のメリット
・電気代の節約ができる
・災害時に電気を使うことができる
・卒FIT(太陽光発電設置して10年)の方はパワコン交換ができる
・太陽光発電と組み合わせれば電気の効率UP
✅家庭用蓄電池のデメリット
・太陽光発電単体と比べると経済的ではない
・蓄電池の設置スペースが必要
・フル充電でも使い方によっては1日~2日しかもたない
・蓄電池の寿命は10年~15年
現時点でのメリットデメリットは上記の通りですが、これからの時代では「環境価値」が高まっていくことが大いに予想できます。
二酸化炭素排出削減をすることに対して、国や政府がお金を使って支援する時代がきます。
つまり、「太陽光発電+蓄電池」で電気を作って貯めることは経済的に優位に立てる可能性が高いです。
もう少し詳しく知りたい方は、「蓄電池のメリットデメリット」の記事を覗いてみてください。
まとめ
今回は、家庭用蓄電池についてお伝えしました。
改めて、蓄電池が増えている理由を見ておきましょう。
✅蓄電池の販売が増えている理由
①電気料金の高騰が続いているため
②自然災害が増えて防災対策の意識が高まっているため
③太陽光発電を設置された方が蓄電池に乗り換えを始めているため
④自家消費すること(二酸化炭素削減すること)の価値が高まっているため
これから2030年に向けて脱炭素の流れが加速することは、国や政府が掲げるグリーン成長政略からも明確になっています。
家庭用蓄電池は、これまでと同じような災害対策や節電のためだけでなく環境価値を効率的に使うための手段として注目をあびております。
国や政府が出している補助金を早めに活用して、安く蓄電池を手に入れておきましょう。
ここ数年で家庭用蓄電池の種類がかなり増えてきており、どの蓄電池が良いのか明確に定まっていない方は、「タイプ別のオススメ蓄電池」の記事も参考にしてみてください。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
ベストな蓄電池を選んで、快適な生活を手に入れましょう。
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