※2023年1月28日更新

家庭用蓄電池のメリット・デメリットを教えていただけないでしょうか?経済的にお得なのかどうかも知りたいです。
こんなお悩みにお答えします。
✅本記事の内容
・家庭用蓄電池の4つのメリット
・家庭用蓄電池の4つのデメリット
✅本記事の信頼性

✔太陽光発電メーカーに約10年間勤務(現役)
✔本業で月に10台以上の蓄電池販売を継続
✔全蓄電池をチェック済
家庭用蓄電池のメリットとデメリットはなんとなく理解している方は多いと思います。
この記事を見てもらえれば、2023年現在で家庭用蓄電池のメリットとデメリットが明確に理解できるようになります。
家庭用蓄電池の4つのメリット

まずは、家庭用蓄電池の4つのメリットを見ていきしょう。
✅家庭用蓄電池の4つのメリット
・電気代を下げることができる
・災害時に電気を使うことができる
・寿命を迎えるパワコンの交換として蓄電池が活用できる
・電気という価値を貯められる
メリット①:電気代を下げることができる
1つ目が、電気代を下げることができる点です。
電気代を下げることができる理由は、太陽光発電と蓄電池があれば太陽光発電で発電した電気を優先的に家庭内に使用し、余った電気は蓄電池に貯めて夜間に使用できて、電力会社の高い電気を買わなくて済むからです。
✅電気代を下げることができる理由
・太陽光発電で昼間の電気を賄えるから
・太陽光発電で作った電気が余れば蓄電池に貯めて夜間にも使えるから
4人家族の平均的な1日当たりの消費電力が13~15kWhと言われております。
1ヶ月に換算すると、約400kWhの電気を使っているということです。

400kWhの電気代はどれくらいなの?

ご契約されている電気料金プランにもよりますが、12,000円程度(400kWh×30円/kWh)が相場になります。
太陽光発電と蓄電池があれば、12,000円の電気代を下げられることができるということです。
例えば、下記の条件で太陽光発電と蓄電池を設置すればどれくらいの節電になるのか見ていきましょう。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電、7kWhの蓄電池を設置
・東京都在住
・片働き世帯で、昼夜問わず電気を使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・2023年度に太陽光発電と蓄電池を設置(売電単価は16円/kWh)
・卒FIT後(10年後)の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%
※日本では4kW程度の太陽光発電が平均容量で、7kWh程度の蓄電池が人気です。


20年間で3,200,983円の電気代が削減できるということです。
逆に、20年間このまま太陽光発電と蓄電池を設置せずに電気代を買い続けた場合は、3,996,981円を払わなければいけないということになります。(グラフ参照)
さらに今はかなりの勢いで電気代が高騰を続けており、今後も高騰を続けていくと言われております。
電気代の上昇率は2%で上記の経済効果シミュレーションは計算しておりますが、2%よりも上昇していく可能性は高いです。
つまり、2%以上の電気代上昇率だと経済効果は更に高まるということになります。

✅電気代の高騰理由
・発電コストの高い火力発電に依存しているため
・再生可能エネルギー発電促進賦課金が高騰しているため
・ロシアウクライナ戦争で、化石燃料価格が高騰しているため

東日本大震災以降は、原子力発電の再稼動の基準も厳しいことと、新たに原子力発電所の建設もできていないため、火力発電に頼っています。
火力発電に使われる化石燃料(石油や天然ガス)がロシアウクライナ戦争をきっかけに高騰していることが、電気代上昇の一番の原因です。
具体的には、電気料金を構成している「燃料調整費」が化石燃料高騰に反映して金額が上がっており、2年ほど前は0.5円/kWh程度だったものが、最近は10円/kWh程度になっています。
つまり、400kWhの電気を使用されている方は燃料調整費だけで4,000円/月(400kWh×10円/kWh)払っているということです。
また、太陽光発電の売電の買取金額の財源として、電気を使っている全国民から再生可能エネルギー発電促進賦課金が徴収されており、その金額が増大を続けております。

ちなみに、2022年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金は3.45円/kWhにまで上昇しました。
つまり、400kWhの電気を使用されている方は再生可能エネルギー発電促進賦課金だけで1,380円/月(400kWh×3.45円/kWh)払っているということです。

再生可能エネルギーを増やしていく国の方針があるため、今後も再生可能エネルギー発電促進賦課金は上昇していくことが予想されています。
このように、電気代が上がっていく要素が明確にあるため、太陽光発電と蓄電池のメリットを感じて購入者が増えているのが現状です。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
メリット②:災害時に電気を使うことができる
2つ目が、災害時に電気を使うことができる点です。
日本は他国と比べても災害が多い国で、自然災害リスクの世界ランキングというものでは世界171ヵ国中で日本は17位になっています。

先進国の中では、日本は最も災害が多い国になります。
✅自然災害が多い理由
・台風の通り道であるため
・地震と火山活動が活発のため
・アジアモンスーン地域にあり、梅雨と台風が多いため
・河川や海岸沿いに都市や街が位置しているため
最近は、異常気象による大雨なども災害に直結しています。
災害が起こった際に、最も困るのは「電気やガスといったライフラインの停止」です。
太陽光発電だけでも災害時に晴れていればパワーコンディショナごとにMAX1,500Wの電気を使うことができますが、電気を貯めるには蓄電池が必要になります。
太陽が出ていない夜間や天候が悪い日は太陽光発電だけでは電気は使えませんが、蓄電池があれば夜間でも天候が悪い日でも蓄電池に電気があれば使うことが可能です。
メリット③:寿命を迎えるパワコンの交換として蓄電池が活用できる
3つ目が、寿命を迎えるパワコンの交換として蓄電池システムが活用できる点です。

既に太陽光発電を設置されている方向けのメリットになります。
太陽光発電の直流の電気を家で使える交流の電気に変換する「パワーコンディショナ」の寿命は、10年~15年になります。
太陽光発電を設置済の方は、固定価格買取制度の売電満了期間の10年を迎える際に太陽光発電の第二の活用法を考えなくてはいけません。
✅10年後の太陽光発電の5つの活用方法
①大手電力会社に継続して余った電気を売る
②新電力会社に売電先を切り替えて電気を売る
③蓄電池を導入して電気代を抑える
④電気自動車やV2Hを導入する
⑤撤去する
パワーコンディショナの寿命を考えて、蓄電池システムを選択される方が多いです。

太陽光発電を継続して使い続けるために、パワーコンディショナの交換は必須なので10年を区切りに蓄電池システム(蓄電池+パワーコンディショナ)に交換すればパワーコンディショナの取り換えの手間が省けます。
ちなみに、太陽電池は30年程度は使い続けられます。
メリット②でもお伝えしたように電気料金が高騰している背景があり、ハイブリッド蓄電池を導入することで、「パワーコンディショナの交換」+「売電ではなく節電」に切り替えられるということです。
太陽光発電の売電期間10年を経過した後の太陽光発電の活用方法を詳しく知りたい方は、「太陽光発電の10年後の5つの活用方法」の記事を覗いてみてください。
メリット④:電気という価値を貯められる
4つ目が、電気という価値を貯められる点です。

2023年度以降の近い未来で、特に再生可能エネルギー由来の電気の価値が高まります。
✅再エネ由来の電気の価値が高まる理由
・世界や日本で脱炭素の流れが加速しているため
・民間企業等でCO2削減目標が課され、排出権取引が加速するため
・全体的に排出権取引の数が少なすぎるため
日本は、2030年度までに再生可能エネルギーの割合を36-38%にする目標を掲げています。
そのため、国から民間企業や役所に対して脱炭素目標が課されており、再生可能エネルギー導入や省エネが進んでいきます。
ただ、脱炭素目標に届かない企業が多く、排出権取引も視野に入れる必要が出てきています。

各企業は温室効果ガスの排出枠(排出を許される量)を割り当てられています。
✅排出権取引とは?
他企業から温室効果ガスの排出枠を売買する取引のこと
これまでは家庭以外の産業間で排出権取引が行われていましたが、ついに住宅の太陽光発電の温室効果ガス削減の排出枠を売買する時代になってきました。


簡単にいうと家の太陽光発電で発電して使った電気(クリーンな電気)の権利を売買できるように将来はなるということです。
これまでは太陽光発電で作られた電気は、家庭内で使って電力会社に売電するだけでしたが、これからは家庭内で使った電気も排出枠としてポイント還元ができて、余った電気は売電できる時代になります。
実際にこのような排出枠の取引を始めたビジネスモデルがあります。
伊藤忠商事製の蓄電池「スマートスター3」を導入すれば、上記のモデルに似た排出枠取引が可能です。
詳しく知りたい方は、「スマートスター蓄電池」の記事を覗いてみてください。
家庭用蓄電池の4つのデメリット

次に、家庭用蓄電池の4つのデメリットを見ていきしょう。
✅家庭用蓄電池の4つのデメリット
・2023年度時点で補助金を活用しないと経済効果は乏しい
・蓄電池の設置スペースが必要
・停電時に、フル充電でも使い方によっては1日~2日しかもたない
・蓄電池の寿命は10年~15年
デメリット①:2023年度時点で補助金を活用しないと経済効果は乏しい
1つ目が、2023年度時点で補助金を活用しないと経済効果は乏しい点です。
蓄電池は設置費用含めると、50万~250万程度の初期費用がかかってきます。

蓄電池の種類や容量によって、金額がバラバラです。
あくまでも目安になりますが、蓄電池の種類ごとの金額は下記になります。
蓄電池の種類がわからないという方は、「【完全ガイド】家庭用蓄電池の選び方を徹底解説」の記事を覗いてみてください。
✅蓄電池の種類ごとの金額目安
・スタンドアロン型蓄電池⇒30万~50万円
・単機能型蓄電池⇒70万円~200万円
・ハイブリッド型蓄電池⇒100万~250万円
蓄電池の導入費用の回収には、10年以上かかります。
ちなみに、太陽光発電のみの場合だと初期費用は7年~11年程度で回収できます。
太陽電池容量 | 年間推定節電金額 | 年間推定売電金額 | 元が取れる年数 |
1kW | 37,476円 | 2,221円 | 9~10年 |
2kW | 62,478円 | 3,702円 | 7~8年 |
3kW | 77,742円 | 17,770円 | 8~9年 |
4kW | 97,188円 | 22,214円 | 8~9年 |
5kW | 97,185円 | 51,832円 | 8~9年 |
6kW | 104,130円 | 55,536円 | 9~10年 |
7kW | 74,979円 | 93,307円 | 9~10年 |
8kW | 83,304円 | 103,667円 | 9~10年 |
9kW | 99,963円 | 124,398円 | 9~10年 |
10kW | 104,130円 | 129,584円 | 10~11年 |

太陽光発電のみを設置した場合は、かなり経済的なメリットがあります。

蓄電池を購入した時に具体的にどれくらいの費用対効果が得られるのか教えてくれない?
家庭用蓄電池のメリットでお伝えした下記の事例で、どれくらいの費用対効果があるのか見ていきましょう。
改めて、条件を下記で記載いたします。
✅シミュレーション条件
・4kWの太陽光発電、7kWhの蓄電池を設置
・東京都在住
・片働き世帯で、昼夜問わず電気を使う想定
・1ヶ月の電気使用量は400kWh
・2023年度に太陽光発電と蓄電池を設置(売電単価は16円/kWh)
・卒FIT後(10年後)の売電金額は8.5円/kWh
・蓄電池は自家消費優先モード
・電気料金の上昇率は2%


4kWの太陽光発電と7kWh蓄電池の初期費用の相場としては、2,500,000円程度です。
つまり、20年で考えると費用対効果があることはわかりますが、初期費用を回収するためには15年程度かかることになります。

太陽光発電のみと比較すると太陽光発電+蓄電池は初期費用の回収年数がかかるのね。
ただ、政府は蓄電池を普及させるために補助金を手厚く出しています。
蓄電池の初期費用を抑えられるので、蓄電池を購入される方は活用しないとかなり損をします。
使える補助金は下記の通りです。
蓄電池を購入する場合は、補助金を活用することで初期費用回収年数も短くすることができます。
補助金を活用すれば、電気代が長期的に上がってくることも想定すると購入する方がお得にということです。
ZEH補助金は、新築住宅を購入される方で太陽光発電や蓄電池を設置するときに使える補助金になります。
DER補助金と各自治体の補助金は、2つ併用して使える補助金なので積極的に活用しましょう。
※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
デメリット②:蓄電池の設置スペースが必要
次に、蓄電池の設置スペースが必要な点です。
屋外設置と屋内設置によって大きさは異なりますが、どこに蓄電池を置くのか確認しておきましょう。
基本的に蓄電容量が6kWh以上のものは屋外設置が多く、蓄電池も大きくなります。
※蓄電池大きさの単位は、mm
LOOOP製蓄電池は、家庭用蓄電池の中では最もコンパクトなサイズになります。
押し入れなどのデッドスペースにも収納できるので、設置スペースで困ることはないです。
また、オムロン製蓄電池は屋内設置用で空気清浄機くらいの大きさなので、こちらもスペースに困ることは少ないです。

ネクストエナジー製蓄電池のように屋外設置のタイプだと、設置スペースは確認した方が良いでしょう。
好みの蓄電池が見つかったら、設置スペースがあるのか事前にチェックすることをオススメします。
どの蓄電池が自分にあった蓄電池なのかわからない方は、「タイプ別(7タイプ)のおすすめ蓄電池を徹底解説」の記事を覗いてみてください。
デメリット③:停電時に使い方によっては1日~2日しかもたない
3つ目が、停電時に蓄電池がフル充電でも使い方によっては1日~2日しかもたない点です。
例えば、6kWh程度の蓄電池であれば停電時に下図のように1日で5100Wh(5.1kWh)の電気が使えます。

ただし、1日でこれだけの電気機器をこの時間使ってしまうと1日で蓄電された電気を全て使い切ってしまうことになります。
もちろん、停電時であっても晴れていたら太陽光発電で発電した電気を使えたり、余った電気は蓄電池に貯めることは可能です。
ただし、停電時に雨天が続くと太陽光発電から発電が見込めないので注意しましょう。

蓄電池があると言っても停電時は節電を意識しながら電気を使うことを心がけておくべきです。
普段からどれくらいの電気を使っているかわからない方は、直近の電気料金明細を確認して30日分で割ると平均的な1日の使用電力量がわかりますので、確認しておきましょう。
停電時は、平常時と同じような電気の使い方をしたいのか、少し節電をして最低限の暮らしができれば良いのかで選ぶ蓄電池も変わってきます。
デメリット④:蓄電池の寿命は10年~15年
4つ目が、蓄電池の寿命は10年~15年という点です。
蓄電池の特徴として、蓄電容量は年々貯められる容量が減っていきます。

蓄電池の寿命はサイクル数で表されることが多く、一般的には1日1サイクルのものか1日2サイクルのものかになります。
蓄電池によって、6,000サイクルのものや12,000サイクルのものがあります。
ただし、サイクル数の考え方はメーカーによって異なるため参考値くらいで認識して、およそ10年~15年と思っていた方が良いです。
太陽電池パネルの寿命は20年以上ですが、蓄電池は10年~15年と短いことは認識しておきましょう。
まとめ

今回は、家庭用蓄電池のメリット・デメリットについてお伝えしました。
改めてメリットとデメリットを確認しておきましょう。
✅家庭用蓄電池の4つのメリット
・電気代を下げることができる
・災害時に電気を使うことができる
・寿命を迎えるパワコンの交換として蓄電池が活用できる
・電気という価値を貯められる
✅家庭用蓄電池の4つのデメリット
・2023年度時点で補助金を活用しないと経済効果は乏しい
・蓄電池の設置スペースが必要
・停電時に、フル充電でも使い方によっては1日~2日しかもたない
・蓄電池の寿命は10年~15年

補助金を活用して適正価格で蓄電池を購入すれば、長期的に経済的なメリットが出てきます。
また、設置スペースは購入前に確認しておく、停電時でも蓄電池の電気は無駄遣いしないことを意識しておくことが大事になってきます。
電気代が高くなってきていることもあり、多くの方が蓄電池を検討し始めています。
また、2023年4月頃から電気代が更に上がると言われております。

まずは、家庭用蓄電池の相場価格がどれくらいなのかを確認するところからスタートさせましょう。

蓄電池を確実に安く買う方法は、下記の通りです。
✅確実に安く蓄電池を買う方法
①業界最安値の宣言をしている販売店に見積依頼をする
②見積依頼時に使える補助金がないか販売店に確認する
③補助金の代行申請をしてもらうことを条件に購入する
蓄電池を購入すれば太陽光発電のクリーンで0円の電気を有効活用できて長期的には経済的にお得になります。
逆に、このまま電力会社から高い電気を買い続けると長期的に見ると大きな損失です。
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※見積依頼後に、メールもしくは電話が入ります。
ベストな蓄電池を購入して、快適な生活を手に入れましょう。
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